到達目標
1. 完全気体の化学ポテンシャル式から、ラウールの法則、ヘンリーの法則を使って溶媒や溶質の化学ポテンシャル式を導出できる。
2. 気体の自発的混合や束一的性質について化学ポテンシャルを使って説明できる。
3. ラウールの法則やヘンリーの法則、束一的性質に関連する式を使った計算ができる。
4. 混合物の相図を読み取り、状態を説明できる。
5. 標準反応ギブズエネルギーと平衡定数の関係が理解でき、これを用いて平衡の移動に対する諸条件の影響について説明できる。また各種平衡組成の計算に適用できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 完全気体の化学ポテンシャル式から、ラウールの法則、ヘンリーの法則を使って溶媒や溶質の化学ポテンシャル式を導出できる。 | 完全気体の化学ポテンシャル式から、ラウールの法則、ヘンリーの法則を使って溶媒や溶質の化学ポテンシャル式を導出できる。 | 気体の化学ポテンシャル式から、ラウールの法則、ヘンリーの法則を使って溶媒や溶質の化学ポテンシャル式を導出できない。 |
評価項目2 | 束一的性質について説明できる。
気体の自発的混合や束一的性質のほぼ全てについて化学ポテンシャルを使って説明できる。 | 束一的性質について説明できる。
気体の自発的混合や束一的性質の一部について化学ポテンシャルを使って説明できる。 | 束一的性質について説明できない。
気体の自発的混合や束一的性質の一部について化学ポテンシャルを使って説明できない。 |
評価項目3 | 複雑な系に対して、ラウールの法則やヘンリーの法則、束一的性質に関連する式を使った計算ができる。 | ラウールの法則やヘンリーの法則、束一的性質に関連する式を使った基本的な計算ができる。 | ラウールの法則やヘンリーの法則、束一的性質に関連する式を使った計算ができない。 |
評価項目4 | 複雑な混合物の相図を読み取り、状態を説明できる。 | 基本的な混合物の相図を読み取り、状態を説明できる。 | 基本的な混合物の相図を読み取り、状態を説明できない。 |
評価項目5 | 標準反応ギブズエネルギーと平衡定数の関係が理解でき、これを用いて平衡の移動に対する諸条件の影響について説明できる。また、複雑な系の平衡組成の計算に適用できる。
| 標準反応ギブズエネルギーと平衡定数の関係が理解でき、これを用いて平衡の移動に対する諸条件の影響について説明できる。また、基本的な平衡組成の計算に適用できる。
| 標準反応ギブズエネルギーと平衡定数の関係が理解できず、これを用いて平衡の移動に対する諸条件の影響について説明できない。また各種平衡組成の計算に適用できない。 |
学科の到達目標項目との関係
準学士課程の教育目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SA① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する共通基礎を理解できる。
教育方法等
概要:
「物理化学」は化学のもとになっている物理的な原理を取扱い、原子、電子、エネルギーなどの基本的な概念によって、ものの諸性質を説明しょうとする教科であり、無機化学、有機化学、高分子化学、生物化学、化学工学、 反応工学など 化学のあらゆる分野で基本となる骨組みを構成している。本講義では混合物の性質、化学平衡の原理・応用について学習すると共に、必要な数理的取扱いを習熟させる。
授業の進め方・方法:
講義と並行して演習を行い、理解度を深める。3 年次で学習した「物理化学I」「物理化学II」を復習しておくことにより授業内容をよく理解することができる。
授業の進行に対応して、自学自習にてテキスト等の演習問題を取り組ませ、授業内容の理解と数理的取扱いの習熟を図る。
注意点:
3 年次で学習した「物理化学 I」、「物理化学 II」の科目を復習しておくこと。
物理化学で現れる式や法則・概念のもつ意味を理解できていると共に、数理的取扱いができていること。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
6 章 混合物の性質 混合物の熱力学的記述 (部分モル量、気体の自発的な混合) |
化学ポテンシャルが部分モル量であることを理解し、気体の混合が自発的であることを熱力学的に記述できる。
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2週 |
6 章 混合物の性質 混合物の熱力学的記述 (理想溶液、理想希薄溶液) |
ラウールの法則、ヘンリーの法則を用いて、溶媒や溶質の化学ポテンシャル式を導出できる。 ラウールの法則、ヘンリーの法則を使った計算ができる。
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3週 |
6 章 混合物の性質 束一的性質 (沸点や凝固点の変化) |
束一的性質について説明できる。 化学ポテンシャルを使って、束一的性質が発現する原理を説明できる。 束一的性質に関連する式を使った計算ができる。
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4週 |
6 章 混合物の性質 束一的性質 (浸透) |
化学ポテンシャルを使って、束一的性質が発現する原理を説明できる。 束一的性質に関連する式を使った計算ができる。
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5週 |
6 章 混合物の性質 混合物の相図 (揮発性液体の混合物、液体-液体及び液体-固体の相図) |
混合物の相図を読み取り、状態を説明できる。
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6週 |
7 章 化学平衡の原理 標準反応ギブズエネルギー、平衡定数 |
標準反応ギブズエネルギーと平衡定数の関係を説明できる。
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7週 |
7 章 化学平衡の原理 標準反応ギブズエネルギーと平衡組成 |
熱力学データから標準反応ギブズエネルギーを求める方法を理解し、実践できる。
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8週 |
中間試験 |
1~7週までの内容を網羅した試験により、授業内容の定着を図る。
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2ndQ |
9週 |
7 章 化学平衡の原理 標準反応ギブズエネルギーと平衡組成 |
生物学的標準状態について説明できる。 平衡組成の計算ができる。
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10週 |
7 章 化学平衡の原理 諸条件による平衡の移動 (触媒の存在、温度の効果、圧縮の効果) |
標準反応ギブズエネルギーや平衡定数を元に、平衡の移動を説明できる。
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11週 |
8 章 化学平衡の応用 ブレンステッド-ローリーの定義、プロトン付加・プロトン脱離 |
分析化学Iで学習した内容を復習し(一部、物理化学特有の表記方法を学ぶ)平衡組成が計算できる。
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12週 |
8 章 化学平衡の応用 多プロトン酸、両プロトン性、塩の水溶液の組成計算 |
酸定数を用いて、多プロトン酸、両プロトン性、塩の水溶液の平衡組成が計算できる。
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13週 |
8 章 化学平衡の応用 酸―塩基滴定 |
酸―塩基滴定の原理を理解し、pH曲線を計算できる。 指示薬や緩衝溶液の役割や原理を説明できる。
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14週 |
8 章 化学平衡の応用 溶解度平衡 |
溶解度定数を用いて、不均一系における平衡組成の計算ができる。
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15週 |
期末試験 |
9~14週までの内容を網羅した試験により、授業内容の定着を図る。
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16週 |
答案返却、解説 |
定期試験の内容を理解する。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 物理化学 | 純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。 | 4 | |
2成分の状態図(P-x、y、T-x、y)を理解して、気液平衡を説明できる。 | 4 | |
束一的性質を説明できる。 | 4 | |
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。 | 4 | |
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。 | 4 | |
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。 | 4 | |
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。 | 4 | |
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。 | 4 | |
均一および不均一反応の平衡を説明できる。 | 4 | |
反応における自由エネルギー変化より、平衡定数・組成を計算できる。 | 4 | |
平衡定数の温度依存性を計算できる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 演習 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 0 | 20 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 80 | 0 | 20 | 0 | 0 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |