物理化学Ⅳ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 物理化学Ⅳ
科目番号 0064 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(物質化学コース) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 「Professional Engineer Library 物理化学」、PEL 編集委員会(福地賢治、山根大和、他) 著、実教出版 / 「アトキンス 物理化学要論 (第 6 版)」、アトキンス, Julio de Paula 著、東京化学同人
担当教員 山根 大和

到達目標

1. 電極反応、電池反応、標準電池電位、平衡定数が理解できる。
2. 1 次反応・2 次反応の半減期、反 応速度の温度依存性が理解できる。
3. 酵素作用の機構、連鎖反応の構造が理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1電極反応、電池反応、標準電池電位、平衡定数が説明できる。電極反応、電池反応、標準電池電位、平衡定数が理解できる。電極反応、電池反応、標準電池電位、平衡定数が理解できない。
評価項目2 1 次反応・2 次反応の半減期、反 応速度の温度依存性が説明できる。1 次反応・2 次反応の半減期、反 応速度の温度依存性が理解できる。 1 次反応・2 次反応の半減期、反 応速度の温度依存性が理解できない。
評価項目3酵素作用の機構、連鎖反応の構造が説明できる。 酵素作用の機構、連鎖反応の構造が理解できる。 酵素作用の機構、連鎖反応の構造が理解できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程の教育目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SA① 数学・物理・化学などの自然科学、情報技術に関する共通基礎を理解できる。

教育方法等

概要:
「物理化学」は化学のもとになっている物理的な原理を取扱い、原子、電子、エネルギーなどの基本的な概念によって、ものの諸性質を説明しょうとする教科であり、無機化学、有機化学、高分子化学、生物化学、化学工学、 反応工学など 化学のあらゆる分野で基本となる骨組みを構成している。4 年次では電気化学、 反応速度、速度式の解釈について学習すると共に、必要な数理的取扱いを習熟させる。
授業の進め方・方法:
講義と並行して演習を行い、理解度を深める。3 年次で学習した「物理化学I」の科目を復習しておくことにより授業内容をよく理解することができる。
授業の進行に対応して、自学自習にてテキスト等の演習問題を取り組ませ、授業内容の理解と数理的取扱いの習熟を図る。
注意点:
3 年次で学習した「物理化学 I」、「物理化学 II」、4 年次で学習した「物理化学 III」の科目を復習しておくこと。
物理化学で現れる式や法則・概念のもつ意味を理解できていると共に、数理的取扱いができていること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 9 章 電気化学
デバイ-ヒュッケルの理論、イオン移動度
デバイ-ヒュッケルの理論、イオン移動度
2週 9 章 電気化学
電極反応、電池反応、電池電位、標準電位、電位の pH による変化
電極反応、電池反応、電池電位、標準電位、電位の pH による変化
3週 9 章 電気化学
電極反応、電池反応、電池電位、標準電位、電位の pH による変化
電極反応、電池反応、電池電位、標準電位、電位の pH による変化
4週 9 章 電気化学
電極反応、電池反応、電池電位、標準電位、電位の pH による変化
電極反応、電池反応、電池電位、標準電位、電位の pH による変化
5週 9 章 電気化学
標準電位の応用 (電気化学系列、熱力学的関数の決定)
標準電位の応用 (電気化学系列、熱力学的関数の決定)
6週 10 章 反応速度
速度式、速度定数、反応の次数、半減期・時定数
速度式、速度定数、反応の次数、半減期・時定数
7週 10 章 反応速度
速度式、速度定数、反応の次数、半減期・時定数
速度式、速度定数、反応の次数、半減期・時定数
8週 中間試験
4thQ
9週 10 章 反応速度
反応速度の温度依存性 (アレニウスパラメーター、衝突理論)
反応速度の温度依存性 (アレニウスパラメーター、衝突理論)
10週 10 章 反応速度
反応速度の温度依存性 (アレニウスパラメーター、衝突理論)
反応速度の温度依存性 (アレニウスパラメーター、衝突理論)
11週 11 章 速度式の解釈
反応様式、反応機構 (素反応、定常状態の近似、律速段階、単分子反応)
反応様式、反応機構 (素反応、定常状態の近似、律速段階、単分子反応)
12週 11 章 速度式の解釈
反応様式、反応機構 (素反応、定常状態の近似、律速段階、単分子反応)
反応様式、反応機構 (素反応、定常状態の近似、律速段階、単分子反応)
13週 11 章 速度式の解釈
溶液内の反応 (活性化律速・拡散律速)
溶液内の反応 (活性化律速・拡散律速)
14週 11 章 速度式の解釈
触媒反応 (均一触媒、酵素)、連鎖反応 (連鎖反応の構造・速度式)
触媒反応 (均一触媒、酵素)、連鎖反応 (連鎖反応の構造・速度式)
15週 定期試験
16週 答案返却、解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。4
2成分の状態図(P-x、y、T-x、y)を理解して、気液平衡を説明できる。4
束一的性質を説明できる。4
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。4
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。4
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。4
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。4
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。4
均一および不均一反応の平衡を説明できる。4
反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。4
反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。4
微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。4
連続反応、可逆反応、併発反応等を理解している。4
律速段階近似、定常状態近似等を理解し、応用できる。4
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。4

評価割合

試験発表課題態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80020000100
基礎的能力0000000
専門的能力80020000100
分野横断的能力0000000