化学工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 化学工学Ⅰ
科目番号 0068 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産デザイン工学科(物質化学コース) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 石井宏幸「基礎からわかる化学工学」森北出版 /教材 化学工学会監修 多田豊編 「化学工学 改訂第3版 -解説と演習-」朝倉書店
担当教員 石井 宏幸,前田 良輔

到達目標

1. 化学工学の一般的な基礎である単位換算、次元解析、収支、燃焼計算を理解できる。
2. 管内を流れる流体の特性の基礎を理解できる。
3. 伝導伝熱、対流伝熱、放射伝熱の基礎が理解できる。
4. 熱交換器の設計の基礎が理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1化学工学の一般的な基礎事項を理解し、計算による評価ができる。化学工学の一般的な基礎事項を理解できる。化学工学の一般的な基礎事項を理解できない。
評価項目2管内を流れる流体の特性の基礎を理解し、計算による評価ができる。管内を流れる流体の特性の基礎を理解できる。管内を流れる流体の特性の基礎を理解できない。
評価項目3伝導伝熱、対流伝熱、放射伝熱の基礎を理解し、計算による評価ができる。伝導伝熱、対流伝熱、放射伝熱の基礎を理解できる。伝導伝熱、対流伝熱、放射伝熱の基礎を理解できない。
評価項目4熱交換器の設計の基礎を理解し、計算による評価ができる。熱交換器の設計の基礎を理解できる。熱交換器の設計の基礎を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程の教育目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB① 共通基礎知識を用いて、専攻分野における設計・製作・評価・改良など生産に関わる専門工学の基礎を理解できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SC① 専門工学の実践に必要な知識を深め、実験や実習を通じて、問題解決の経験を積む。

教育方法等

概要:
化学産業において、その物質生産の上で基本となる化学プロセスにおける要素、単位操作を学習する。主に、物質収支やエネルギー収支などの量的関係、配管内の流体輸送、熱の伝わり方における基礎的な理論と計算方法を学ぶ。この科目は企業で化学品製造工場での生産技術を担当していた教員が、その経験を活かし収支などの化学工学の基本に始まり、流動や伝熱といった移動現象について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
教科書に沿って理論の解説を行い、重要な関係式を導出する。それを用いた例題、演習を多く取り入れ理解を深める。
注意点:
数学や物理化学などの一般的な化学の基礎が必要である。例題や演習問題を通して基本的な計算方法を理解すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 化学工学とは(ガイダンス)
化学工学の基礎概念
化学工学の必要性と構成を理解する。単位操作、系、物理量の相似性、収支、境膜などの基礎概念を知る。
2週 単位換算と次元解析 単位や次元の必要性を理解し、単位換算を基礎に次元解析による複雑な現象の定式化を習得する。
3週 物質収支とエネルギー収支 巨大なプラントから小さな反応容器まで、その基本は物質およびエネルギーの収支にある。このような物質やエネルギーの出入りに関する量的な考え方を理解できる。
4週 燃焼計算 化石燃料などを燃やして熱を得ることについて、その得られる熱量を求めることができる。
5週 Newtonの粘性の法則
層流と乱流
Newtonの粘性の法則および層流と乱流の現象を理解し、それらの相違や判定法を理解できる。
6週 円管内の速度分布
流体輸送機器
圧力、流量、流速の測定
円管内の速度分布について、層流と乱流の場合について理解する。流体輸送における圧力、流量、流速の測定原理を理解し、計算によって求めることができる。
7週 Bernoulliの式
輸送管のエネルギー収支
Bernoulliの式に基づく輸送管のエネルギー収支について理解できる。
8週 中間試験とその解説 第1~7週までの授業内容について確認を実施し、学習内容の一層の理解と定着を図る。
2ndQ
9週 Fanningの摩擦係数

摩擦係数と圧力損失を計算することができる。
10週 さまざまな伝熱機構と伝導伝熱(平板・円筒・球殻)
伝導伝熱(多重平板・多重円筒)
伝導、対流、放射の各伝熱機構を理解できる。平板、円筒、球殻に対する伝導伝熱の基礎を理解し、伝熱量を計算できる。また、多重平板および多重円筒における伝導伝熱の基礎を理解し、伝熱量を計算できる。
11週 対流伝熱 対流伝熱の基礎を理解し、境膜などを考慮した伝熱量が計算できる。
12週 熱貫流
総括伝熱係数
熱貫流と総括伝熱係数の関係を理解し、熱交換器設計に重要な総括伝熱係数を計算できる。
13週 放射伝熱 放射伝熱の基礎を理解し、伝熱量を計算できる。
14週 熱交換器の設計 熱交換器の設計の基礎を理解し、伝熱面積などを計算できる。
15週 期末試験 第6~14週までの授業内容について試験を実施し、学習内容の一層の理解と定着を図る。
16週 期末試験の解説 期末試験の内容を理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学SI単位への単位換算ができる。4
物質の流れと物質収支についての計算ができる。4
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。4
管径と流速・流量・レイノルズ数の計算ができ、流れの状態(層流・乱流)の判断ができる。4
流れの物質収支の計算ができる。4
流れのエネルギー収支やエネルギー損失の計算ができる。4
流体輸送の動力の計算ができる。4

評価割合

試験発表相互評価態度課題・レポートその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力0000000
専門的能力70000300100
分野横断的能力0000000