物理化学AⅠ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 物理化学AⅠ
科目番号 0098 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(物質化学コース) 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「アトキンス 物理化学要論 (第 7 版)」、アトキンス, Julio de Paula 著、東京化学同人
担当教員 山根 大和

到達目標

1. 完全気体の状態方程式、ファン・デル・ワールスの状態方程式が理解できる。
2. 内部エネルギー、エンタルピー、熱力学第一法則が理解できる。
3. 物理変化及び化学変化のエンタルピーが理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1完全気体の状態方程式、ファン・デル・ワールスの状態方程式が説明できる。 完全気体の状態方程式、ファン・デル・ワールスの状態方程式が理解できる。 完全気体の状態方程式、ファン・デル・ワールスの状態方程式が理解できない。
評価項目2内部エネルギー、エンタルピー、熱力学第一法則が説明できる。 内部エネルギー、エンタルピー、熱力学第一法則が理解できる。 内部エネルギー、エンタルピー、熱力学第一法則が理解できない。
評価項目3物理変化及び化学変化のエンタルピーが説明できる。 物理変化及び化学変化のエンタルピーが理解できる。 物理変化及び化学変化のエンタルピーが理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
学習・教育到達度目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。

教育方法等

概要:
「物理化学」は化学の基礎になっている物理的な原理を取扱い、原子、電子、エネルギーなどの基本的な概念によって、物質の諸性質を説明する教科であり、無機化学、有機化学、高分子化学、生物化学、化学工学、反応工学 など化学のあらゆる分野で基本となる内容で構成される重要教科である。本講義では気体の性質、熱力学第一法則について講義すると共に、必要とされる数理的解析法について学習する。
授業の進め方・方法:
講義と並行して演習を行い、理解度を深める。「物理化学」の関連基礎科目として、1、2年次で学習した「化学」、3年次で学習する「分析化学」、「無機化学」があり、それらの科目を復習しておくことにより授業内容をよく理解することができる。また、授業の進行に対応して、自学自習にてテキスト等の演習問題を取り組ませ、授業内容の理解と数理的取扱いの習熟を図る。
注意点:
物理化学で現れる式や法則・概念のもつ意味を理解できていると共に、数理的取り扱いができていること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 プロローグ
エネルギー、温度、ボルツマン分布
物理化学全体に関わる基本的な事柄を理解する。
2週 トピック1A 完全気体
完全気体の状態方程式
気体の状態方程式について理解する。
3週 トピック1A 完全気体
ドルトンの法則、分圧
混合気体について理解する。
4週 トピック1B 気体の運動論モデル
運動論モデルによる気体の圧力、分子の平均速さ
気体運動論モデルについて理解する。
5週 トピック1B 気体の運動論モデル
拡散と流出、分子の衝突
気体運動論モデルから理想気体の方程式を理解する。
6週 トピック1C 実在気体
分子間相互作用、臨界温度
実在気体の特徴を理解する。
7週 トピック1C 実在気体
実在気体の状態方程式
実在気体の状態方程式について理解する。
8週 中間試験 1~7週までの内容を網羅した試験により、授業内容の定着を図る。
2ndQ
9週 試験解説
トピック2A 仕事
系と外界、可逆膨張
中間試験の内容を理解する。
仕事とエネルギーの関係を説明できる。
10週 トピック2B 熱
熱容量、熱量測定
熱とエネルギーの関係を説明できる。
熱容量の定義と運用方法を説明できる。
11週 トピック2C 内部エネルギー
内部エネルギー、内部エネルギー変化
内部エネルギーおよび熱力学の第一法則の定義と運用方法を説明できる。
12週 トピック2D エンタルピー
定義、エンタルピー変化、温度依存性
エンタルピーの定義と運用方法を説明できる。
エンタルピーの温度依存性を計算できる
13週 トピック2E 物理的な変化
相転移エンタルピー、イオン化と電子付加
具体的な系でエンタルピーの計算ができる。
14週 トピック2F 化学変化
燃焼エンタルピー、反応エンタルピー、標準生成エンタルピー、
具体的な系でエンタルピーの計算ができる。
15週 期末試験 9~14週までの内容を網羅した試験により、授業内容の定着を図る。
16週 答案返却、解説 期末試験の内容を理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。4前2
気体の分子速度論から、圧力を定義して、理想気体の方程式を証明できる。4前5
実在気体の特徴と状態方程式を説明できる。4前7
臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる。4前6
混合気体の分圧の計算ができる。4前3
熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。4前11
エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。4前12
化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。4前14
エンタルピーの温度依存性を計算できる。4前12
内部エネルギー、熱容量の定義と適用方法を説明できる。4前11
気体の等温、定圧、定容および断熱変化のdU、W、Qを計算できる。4

評価割合

試験発表課題態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80020000100
基礎的能力0000000
専門的能力80020000100
分野横断的能力0000000