物理化学AⅡ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 物理化学AⅡ
科目番号 0099 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(物質化学コース) 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「アトキンス 物理化学要論 (第 7 版)」、アトキンス, Julio de Paula 著、東京化学同人
担当教員 園田 達彦

到達目標

1. 熱力学第二法則の定義を理解し、エントロピー変化を計算できる。
2. 熱力学第三法則の定義を理解し、純物質の絶対エントロピーや化学反応でのエントロピー変化を計算できる。
3. ギブズエネルギーと相転移の関係を説明できる。
4. 純物質の状態図や相律の定義を理解して、蒸気圧曲線の説明や自由度の計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱力学第二法則の定義を理解し、複雑な系のエントロピー変化を計算できる。 熱力学第二法則の定義を理解し、エントロピー変化を計算できる。 熱力学第二法則の定義を理解できず、エントロピー変化を計算できない。
評価項目2熱力学第三法則の定義を理解し、純物質の絶対エントロピーや複雑な系で起こる化学反応のエントロピー変化を計算できる。熱力学第三法則の定義を理解し、純物質の絶対エントロピーや化学反応でのエントロピー変化を計算できる。熱力学第三法則の定義を理解できず、純物質の絶対エントロピーや化学反応でのエントロピー変化を計算できない。
評価項目3ギブズエネルギーの圧力変化や温度変化を駆使して、ギブズエネルギーと相転移の関係を説明できる。ギブズエネルギーと相転移の関係を説明できる。ギブズエネルギーと相転移の関係を説明できない。
評価項目4純物質の状態図や相律の定義を理解して、代表的な物質の相図に適用できる。純物質の状態図や相律の定義を理解して、蒸気圧曲線の説明や自由度の計算ができる。 純物質の状態図や相律の定義を理解できず、蒸気圧曲線の説明や自由度の計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
学習・教育到達度目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。

教育方法等

概要:
「物理化学」は化学の基礎になっている物理的な原理を取扱い、原子、電子、エネルギーなどの基本的な概念によって、物質の諸性質を説明する教科であり、無機化学、有機化学、高分子化学、生物化学、化学工学、反応工学など化学のあらゆる分野で基本となる内容で構成される重要教科である。物理化学AⅡでは熱力学第二法則、第三法則、純物質の相平衡について講義すると共に、必要とされる数理的解析法について学習する。
授業の進め方・方法:
講義と並行して小テスト等を行い、理解度を深める。「物理化学」の関連基礎科目として、1, 2年次で学習した「化学」、3年次で学習する「分析化学」、「無機化学」があり、それらの科目を復習しておくことにより授業内容をよく理解することができる。
注意点:
3年次前期で学習した「物理化学AⅠ」を復習しておくこと。
物理化学で現れる式や法則・概念のもつ意味を理解しておくと共に、数理的取り扱いができるようになっておくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 物理化学AⅠの復習 仕事・熱・エンタルピー
仕事、熱、エンタルピーについて説明できる。
2週 トピック3A エントロピー
自発変化の方向、エントロピー、第二法則
自発変化の方向とエントロピーの関係を理解し、熱力学第二法則の定義と適用方法を説明できる。
3週 トピック3A エントロピー
熱機関、冷蔵庫、ヒートポンプ
熱機関の最大効率を計算できる。
4週 トピック3B エントロピー変化
体積変化、温度変化に伴うエントロピー変化
体積変化、温度変化に伴うエントロピー変化を計算できる。
5週 トピック3B エントロピー変化
相転移に伴うエントロピー変化、外界のエントロピー変化
相転移に伴うエントロピー変化、外界のエントロピー変化を計算できる。
6週 トピック3C 絶対エントロピー
熱力学第三法則
熱力学第三法則の定義と適用方法を説明できる。
純物質の絶対エントロピーを計算できる。
7週 トピック3C 絶対エントロピー
エントロピーの分子論的解釈、残余エントロピー
ボルツマンの式を用いてエントロピーの分子論的解釈ができる。
固体の残余エントロピーを計算できる。
8週 中間試験 1~7週までの内容を網羅した試験により、授業内容の定着を図る。
4thQ
9週 トピック3D ギブズエネルギー
標準反応エントロピー、化学反応の自発性
化学反応でのエントロピー変化を計算できる。
10週 トピック3D ギブズエネルギー
ギブズエネルギーの性質
ギブズエネルギーについて理解し、ギブズエネルギー変化を計算できる。
11週 トピック4A 相転移の熱力学
安定性の条件、ギブズエネルギーの圧力変化
モルギブズエネルギーと相転移の関係について説明できる。
モルギブズエネルギーと圧力の関係を説明できる。
12週 トピック4A 相転移の熱力学
ギブズエネルギーの温度変化
モルギブズエネルギーと温度の関係を説明できる。
13週 トピック4B 純物質の相図
相境界、クラウジウス-クラペイロンの式
純物質の状態図を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。
14週 トピック4B 純物質の相図
物質に固有な点、相律
相律の定義を理解して、純物質の自由度を計算し、平衡状態を説明できる。
15週 定期試験 9~14週までの内容を網羅した試験により、授業内容の定着を図る。
16週 答案返却、解説 期末試験の内容を理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。4後13
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。3後14
熱力学の第二・第三法則の定義と適用方法を説明できる。4後6
純物質の絶対エントロピーを計算できる。4後6
化学反応でのエントロピー変化を計算できる。4後9

評価割合

試験発表小テスト等態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70030000100
基礎的能力0000000
専門的能力70030000100
分野横断的能力0000000