到達目標
1. 有機反応の種類を挙げ、代表的反応例を示すことができる。
2. アルデヒド・ケトン化合物の命名ができ、その構造や性質を説明できる。
3. アルデヒド・ケトン化合物の合成反応や代表的反応を説明できる。
4. 石油精製の概略とその各製品の用途を説明できる。
5. エチレン、プロピレン、BTX 等からの主要石油化学製品の製造法を説明できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 有機反応の種類を挙げ、代表的反応を電子論的に説明できる。 | 有機反応の種類を挙げ、代表的反応例を示すことができる。 | 有機反応の種類やその代表的反応例を示すことができない。 |
評価項目2 | アルデヒド・ケトン化合物の命名ができ、構造や性質について理論的に予測ができる。 | アルデヒド・ケトン化合物の命名ができ、構造や性質の特徴を示すことができる。 | アルデヒド・ケトン化合物の命名ができない。 |
評価項目3 | アルデヒド・ケトンの反応について、反応機構を踏まえて生成物の予測ができる。 | アルデヒド・ケトンの反応について、その生成物を予測できる。 | アルデヒド・ケトンの反応について、その生成物を示すことができない。 |
評価項目4 | 石油精製の概略を説明し、各製品の用途を示すとともに、製造法の特徴を説明できる。 | 石油精製の概略を説明し、その各製品の用途を示すことができる。 | 石油精製の概要やその製品を説明できない。 |
評価項目5 | 各種基礎原料から製造される有機工業製品を挙げ、代表的な製造法とその特徴を説明できる。 | 各種基礎原料から製造される有機工業製品を挙げることができる。 | 各種基礎原料から製造される有機工業製品を挙げることができない。 |
学科の到達目標項目との関係
準学士課程の教育目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。
準学士課程の教育目標 D① 専門工学の基礎に関する知識と基礎技術を統合し、活用できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB① 共通基礎知識を用いて、専攻分野における設計・製作・評価・改良など生産に関わる専門工学の基礎を理解できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解決できる。
教育方法等
概要:
人類は石油、石炭、天然ガスなどの天然資源を化学的操作 (プロセス) によって、数多くの有用かつ付加価値の高い化学製品を製造し、我々自身の暮らしを豊かにしてきた。研究室実験とは異なり多くの制約の中で実現される物質生産プロセスの歴史や現況を学ぶことは、卒業後企業等で生産および開発に関わる際に重要である。本科目では、前半に有機工業化学において重要な化合物群の一つであるカルボニル化合物について構造、性質、反応等を講義し、後半では有機化学工業の発展と多様化の歴史を含めた重要化学製品製造プロセスについて講義する。
授業の進め方・方法:
基本的にPowePoint資料を用いて授業を行う。前半は、理解の定着と確認のために小テストや課題演習を実施し、後半では石油精製、石油化学工業および関連化学工業プロセスについて広く知るためにレポートを課す。WebClass 上で資料配付、解答掲示等を行うので、自学自習の助けにして欲しい。
注意点:
受講に際し、専門科目としての「有機化学」の単位を取得していること。講義資料を配付するのでバインダ類を用意するのが望ましい。より深く学習するために、多くの著者によるテキストを多数図書館に用意しているので参考にして欲しい。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
講義ガイダンス 有機化学の基礎の復習 |
本講義の目的や概要を把握できる。 有機分子の軌道、結合、構造の基礎について説明できる。
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2週 |
有機反応と電子論 |
有機反応の種類を挙げて代表的反応例を示し、電子論的に考えることができる。
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3週 |
アルデヒドとケトン(1) 命名法と合成 |
アルデヒド・ケトン化合物に命名できる。 アルデヒド・ケトン化合物の合成法を挙げることができる。
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4週 |
アルデヒドとケトン(2) 酸化および求核付加反応概要 |
アルデヒド化合物の酸化反応とその生成物を記述できる。 アルデヒド・ケトン化合物の求核付加反応の特徴を説明できる。
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5週 |
アルデヒドとケトン(3) 求核付加反応Ⅰ |
アルデヒド・ケトン化合物の代表的求核付加反応のいくつかを反応式で書くことができる。
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6週 |
アルデヒドとケトン(4) 求核付加反応Ⅱ |
アルデヒド・ケトン化合物の代表的求核付加反応のいくつかを反応式で書くことができる。
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7週 |
有機反応理論 熱力学支配と速度論支配 |
付加環化反応の生成物を示し、その機構を軌道論的に理解できる。 反応生成物の選択性を、熱力学支配と速度論支配に基づいて理解できる。
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8週 |
中間試験 |
1〜7週までの内容を網羅した試験により、授業内容の理解度を評価する。
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4thQ |
9週 |
中間試験内容についての解説
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中間試験の内容を振り返り、より深く理解できる。
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10週 |
有機反応理論 有機化合物の酸性度 |
有機化合物の酸性度の強弱をを有機電子論等に基づいて説明できる。
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11週 |
石油化学工業とその製品(1) 概要 |
エチレンから製造される有機工業製品とその製造プロセスを示すことができる。
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12週 |
石油化学工業とその製品(2) 石油精製とガソリン製造 |
石油精製とは何か、そのプロセスと製品について説明できる。
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13週 |
石油化学工業とその製品(3) エチレンを原料とする有機工業製品の製造 |
エチレンから製造される有機工業製品とその製造プロセスを示すことができる。
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14週 |
石油化学工業とその製品(4) プロピレンおよびBTXを原料とする有機工業製品の製造 |
プロピレンやBTXから製造される有機工業製品とその製造プロセスを示すことができる。
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15週 |
石油化学工業とその製品(5) C1化学・グリーンケミストリー
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C1化学とは何か、その製造プロセスを示すことができる。グリーンケミストリーおよびそれに基づくプロセス改善について説明できる。
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16週 |
定期試験 |
8〜14週までの内容を網羅した試験により、授業内容の理解度を評価する。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。 | 4 | 後3 |
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。 | 4 | 後2 |
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。 | 4 | |
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。 | 4 | |
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。 | 4 | |
反応機構に基づき、生成物が予測できる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 小テスト | レポート | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 10 | 10 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 80 | 10 | 10 | 0 | 0 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |