生物反応工学

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 生物反応工学
科目番号 0105 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(物質化学コース) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 橋本健治, 改訂増補版反応工学, 培風館
担当教員 前田 良輔

到達目標

1.定常状態近似法と律速段階近似法を理解し反応速度式が導出できる。
2.反応装置の物質収支を理解し、反応率と反応時間の関係式を導出できる。
3.反応温度と反応速度定数の関係を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1反応速度式を導出することができる。酵素反応と吸着を伴う反応を理解できる。定常状態近似法と律速段階近似法が理解できない。
評価項目2反応時間と反応率を求める式を導出できる。濃度と反応率の関係が理解できる。物質収支式が理解できない
評価項目3反応器の設計方程式を導出し、理解できる。反応器の設計方程式を理解できる。反応器の設計方程式の理解ができない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程の教育目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB① 共通基礎知識を用いて、専攻分野における設計・製作・評価・改良など生産に関わる専門工学の基礎を理解できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解決できる。

教育方法等

概要:
反応工学とは化学工学の基幹科目の一つである。この科目では反応装置設計に必要となる化学反応および生物反応に関する反応速度論および反応器の種類とその設計方程式について学ぶ。この科目は企業で化学品製造工場での生産技術を担当していた教員が、その経験を活かし化学反応速度論、反応器の分類、反応器の設計方程式について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
教科書に沿って、反応器の種類、反応速度論の基礎、反応器の設計方程式を式の導出や式の意味を学ぶ。演習問題を取り入れながら理解を深める。
注意点:
物質収支から微分積分の概念を用いて反応速度式や設計方程式を導出するので数学の微積の基礎知識が必要となる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 化学反応と反応装置 化学反応と反応装置の特徴を理解できる。
2週 定常状態近似 定常状態近似法により反応速度式を導出できる。
3週 定常状態近似
酵素反応
定常状態近似法により酵素反応速度式を導出できる。
4週 律速段階近似 律速段階近似法により反応速度式を導出できる。
5週 律速段階近似
吸着反応
律速段階近似法により吸着を伴う反応速度式を導出できる。
6週 反応の温度依存性 Arrheniusの式を理解し、活性化エネルギーと頻度因子を求めることができる。
7週 これまでの復習
中間試験に向けての重要項目の確認
これまでの復習を行い、特に中間試験にむけて重要な項目の確認、演習問題等の見直しにより、理解を深めることができる。
8週 中間試験 これまでの内容について中間試験を実施する。
2ndQ
9週 試験解説
反応率と濃度の関係
中間試験の内容を理解する。
反応率と濃度の換算ができる
10週 回分式反応器(定容系) 定容系回分反応器の物質収支式を理解し、反応時間と反応率を計算できる。
11週 回分式反応器(非定容系) 非定容系回分反応器の物質収支式を理解し、反応時間と反応率を計算できる。
12週 連続槽型反応器 連続槽型反応器の物質収支式を理解し、反応時間と反応率を計算できる。
13週 管型反応器 管型反応器の物質収支式を理解し、反応時間と反応率を計算できる。
14週 総合演習 演習により回分反応器、槽型反応器、管型反応器の違いを理解する。
15週 期末試験 9~14週までの授業内容を網羅した試験により、授業内容の定着と理解を図る。
16週 試験解説 期末試験の内容を理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。4
反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。4
反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。4
微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。4
連続反応、可逆反応、併発反応等を理解している。4
律速段階近似、定常状態近似等を理解し、応用できる。4
化学工学バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度演習の実施状況その他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力0000000
専門的能力80000200100
分野横断的能力0000000