応用化学演習※

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 応用化学演習※
科目番号 0127 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(物質化学コース) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 【教科書】  物理化学要論、東京化学同人、P.W.Atkins著、千原秀昭他訳 , 【参考書】  物理化学、東京化学同人、P.W.Atkins著、 千原秀昭他訳
担当教員 山本 和弥

到達目標

1.純物質の状態図(P-V, P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。
2.相平衡、化学平衡の原理と応用を理解できる。
3.反応速度の定義を理解して、実験的決定法を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1純物質の状態図(P-V, P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できて、応用できる。純物質の状態図(P-V, P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。純物質の状態図(P-V, P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できない。
評価項目2相平衡、化学平衡の原理と応用を理解できて、応用できる。相平衡、化学平衡の原理と応用を理解できる。相平衡、化学平衡の原理と応用を理解できない。
評価項目3反応速度の定義を理解して、実験的決定法を説明できて、応用できる。反応速度の定義を理解して、実験的決定法を説明できる。反応速度の定義を理解して、実験的決定法を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

準学士課程の教育目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
準学士課程の教育目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB① 共通基礎知識を用いて、専攻分野における設計・製作・評価・改良など生産に関わる専門工学の基礎を理解できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解決できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SC① 専門工学の実践に必要な知識を深め、実験や実習を通じて、問題解決の経験を積む。

教育方法等

概要:
物理化学を学習するうえで重要な化学平衡、相平衡、反応速度論について、演習問題を中心に数理的取り扱いの理解を深め、必要に応じて補足説明を行う。
授業の進め方・方法:
授業時間毎に演習問題を課し、授業時に学生に解説を求める。
注意点:
「応用化学演習」の関連科目として、「物理化学」、「化学工学」、「分析化学」、「無機化学」、「物質化学演習Ⅲ」があり、その科目を復習しておくことにより授業内容をよく理解することができる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 純物質の相平衡 ・純物質の状態図を理解し、蒸気圧曲線を説明できる。
2週 相転移の熱力学 ・ギブズの相律、自由度を理解している。
3週 純物質の相図 ・相図の相境界線とクラペイロンの式の関係を説明できる。
4週 混合物の熱力学的記述 ・化学ポテンシャル(部分モルギブズエネルギー)を理解している。
・ラウールの法則、ヘンリーの法則を理解している。
5週 束一的性質、混合物の相図 ・束一的性質(沸点上昇、凝固点降下など)について説明できる。
6週 圧平衡定数と濃度平衡定数、化学平衡と自由エネルギー ・反応ギブズエネルギーの意味を理解している。
・反応比、平衡定数をを理解し、求めることができる。
7週 平衡定数の温度依存性など。 ・ルシャトリエの原理を理解し、平衡の移動を説明できる。
8週 中間試験 ・1~7週までの内容を網羅した試験により、授業内容の定着を図る。
2ndQ
9週 プロトン移動平衡、塩の水溶液、溶解度平衡 ・酸・塩基平衡を説明し、共役酸・共役塩基を示すことができる。
・酸・塩基平衡定数を用いて、溶液のpHを計算できる。
10週 反応速度の定義と速度則 ・反応速度の定義を理解している。
11週 反応次数、素反応 ・反応速度式、速度定数、反応次数について理解している。
12週 定常状態近似 ・半減期を説明できる。
・与えられた実験データから、速度定数、反応次数を求めることができる。
13週 律速段階近似 ・平衡反応における平衡時の濃度を求めることができる。
14週 逐次反応 ・定常状態近似法を用いて多段階反応の速度定数を求めることができる。
・ミカエリスメンテン機構における、生成物の速度式を導くことができる。
15週 定期試験 ・8~15週までの内容を網羅した試験により、授業内容の定着を図る。
16週 定期試験内容についての解説 ・定期試験の内容を理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。4
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。4
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。4
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。4
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。4
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。4
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。4
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。4
物理化学純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。4
2成分の状態図(P-x、y、T-x、y)を理解して、気液平衡を説明できる。4
束一的性質を説明できる。4
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。4
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。4
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。4
反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。4
反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。4
微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。4
連続反応、可逆反応、併発反応等を理解している。4
律速段階近似、定常状態近似等を理解し、応用できる。4

評価割合

試験小テスト等演習・レポート合計
総合評価割合80020100
基礎的能力0000
専門的能力80020100
分野横断的能力0000