高分子化学AⅠ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 高分子化学AⅠ
科目番号 0157 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(物質化学コース) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「新高分子化学序論」、伊勢典夫他著、化学同人 / 「高分子科学の基礎」、高分子学会著、東京化学同人「基礎高分子科学」、高分子学会著、東京化学同人 / 自作教材
担当教員 山根 大和

到達目標

1. 技術者として高分子化学の基礎的な概念を身に付け、高分子の優れた性質や機能について十分に理解すること。
2. 低分子と高分子の特性の違いについて説明できること。
3. 高分子材料と他の材料(金属材料、セラミックス材料) との特性の違いについて認識していること。
4. 高分子化合物の合成方法について逐次反応及び連鎖反応に分類して説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1技術者として高分子化学の基礎的な概念を身に付け、高分子の優れた性質や機能について十分に説明できること。技術者として高分子化学の基礎的な概念を身に付け、高分子の優れた性質や機能について十分に理解すること。技術者として高分子化学の基礎的な概念を身に付け、高分子の優れた性質や機能について十分に理解できない。
評価項目2低分子と高分子の特性の違いについて説明できること。低分子と高分子の特性の違いについて理解できること。低分子と高分子の特性の違いについて理解できない。
評価項目3高分子材料と他の材料(金属材料、セラミックス材料) との特性の違いについて説明できること。高分子材料と他の材料(金属材料、セラミックス材料) との特性の違いについて理解していること。高分子材料と他の材料(金属材料、セラミックス材料) との特性の違いについて理解していない。
評価項目4高分子化合物の合成方法について逐次反応及び連鎖反応に分類して説明できる。高分子化合物の合成方法について逐次反応及び連鎖反応に分類して理解できる。高分子化合物の合成方法について逐次反応及び連鎖反応に分類して理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
高分子は、人間の生活を支える衣食住をはじめ、身の回りの材料あるいは先端材料に広く使用されている。このように急速に進歩し、現代の科学と技術の中で重要な位置を占める高分子の基礎を知ることは、自然科学の研究者・技術者にとって不可欠である。本講義では、高分子化学の基礎的な概念を身に付け、高分子の優れた性質や機能について理解できるように学習する。
授業の進め方・方法:
高分子に興味を持たせるために、授業内容に関連する身近な高分子材料・機能性高分子材料を紹介しながら講義を進める。
講義の進行に合わせて関連する課題を出し、高分子化学の理解を深めさせる。
注意点:
高分子化合物の示す特徴ある性質や機能について基本的に理解できていること。
達成目標に対する理解度を下記の評価方法で総合評価し、60 点以上を合格とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 高分子とは何か(1) 高分子の化学構造式、高分子合成の歴史 ・ 高分子の化学構造式、汎用高分子の名称、、高分子合成の歴史について理解できる。 
2週 高分子とは何か(2)高分子の特徴、高分子の分類 ・ 高分子の特徴、高分子の分類について理解できる。 
3週 高分子とは何か(3)高分子の化学構造、分子量と分子量分布 ・高分子の化学構造、分子量と分子量分布について理解できる。 
4週 高分子とは何か(4)高分子構造の多様性(異性体・立体規則性) ・高分子構造の多様性(異性体・立体規則性)について理解できる。 
5週 高分子とは何か(5)重合様式による分類(逐次重合・連鎖重合) ・重合様式による分類(逐次重合・連鎖重合)について理解できる。 
6週 高分子合成・重縮合 ・重縮合について理解できる。 
7週 高分子合成・重付加・付加縮合 ・ 重付加・付加縮合について理解できる。
8週 中間試験 ・1~7週までの内容を網羅した試験により、授業内容の定着を図る。
2ndQ
9週 高分子合成・ラジカル重合 ・ラジカル重合について理解できる。 
10週 高分子合成・共重合 ・共重合について理解できる。 
11週 高分子合成・イオン重合(1)アニオン重合 ・アニオン重合について理解できる。 
12週 高分子合成・イオン重合(2)カチオン重合 ・カチオン重合について理解できる。 
13週 高分子合成・開環重合・配位重合 ・開環重合・配位重合について理解できる。 
14週 高分子合成・精密重合・高分子反応 ・ 精密重合・高分子反応について理解できる。 
15週 期末試験 ・9~14週までの内容を網羅した試験により、授業内容の定着を図る。
16週 答案返却、解説 ・期末試験の内容を理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。4
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。4
σ結合とπ結合について説明できる。4
混成軌道を用い物質の形を説明できる。4
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。4
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。4
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。4
高分子化合物がどのようなものか説明できる。4
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。4
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。4
高分子の熱的性質を説明できる。4
重合反応について説明できる。4
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。4
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。4
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。4
生物化学タンパク質の高次構造について説明できる。4

評価割合

試験発表課題態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70030000100
基礎的能力0000000
専門的能力70030000100
分野横断的能力0000000