安全工学

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 安全工学
科目番号 0158 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(物質化学コース) 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 参考書 ①田村昌三他著「エネルギー物質と安全」朝倉書店 ②北川徹三著「化学 安全工学」日刊工業新聞社 ③日本火薬工業会資料編集部著「火薬学(第2版)」 
担当教員 髙倉 剛,前田 良輔

到達目標

技術者として化学物質および化学プロセスの危険性を評価および予測できるための原理を理解し、実際の評価手法および予測手法を理解すること。具体的には、①火災・爆発について原因究明と対策を方法論的に行うことを理解できる。②化学物質の安全な取り扱い関する基礎的知識を習得する。③法の要求事項を理解する。④事故事例を自分で整理し、内容を発表する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1化学物質の安全な取り扱いに関する基礎的知識を有する化学物質の安全な取り扱いに関して説明できる化学物質の安全な取り扱いに関して説明できない
評価項目2火災・爆発の原因究化学物質、化学プロセスの危険性を評価、予測する原理を理解している火災・爆発の原因究化学物質、化学プロセスの危険性を評価、予測する原理を説明できる化学物質、化学プロセスの危険性を評価、予測する原理を説明できる
評価項目3火災・爆発の原因究明と対策を方法論的に行うことができる火災・爆発の原因究明と対策をについて説明できる火災・爆発の原因究明と対策をについて説明できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。
学習・教育到達度目標 G② 社会人として、技術者として必要な素養、一般常識や礼儀、マナーについて考えることができる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解決できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SF② 工業技術と社会・環境との関わりを理解し、社会・環境への効果と影響を説明できる。

教育方法等

概要:
安全は生産と表裏一体をなすものであり、特に化学工業においては対象そのものを科学的、具体的にとらえた系統的知識を持ち、技術的に応用出来る知識が必要である。関係法令や事故例を交えてその知識を習得させる。
授業の進め方・方法:
化学工業における労働災害、保安事故の発生状況、発生の原因と予防に関して実例を通して説明する。また実際にあった企業における事故事例の検討、解析結果の発表を実施し授業に対する理解を深める機会を増やす。 
合わせて企業の責任および義務、従業員の義務について関係法規を通して理解させる。
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 安全とは 安全、安全工学、化学安全工学の要素を理解する。
2週 化学物質のエネルギー危険(1) 化学物質のエネルギーー危険性を熱力学の立場から理解する。
3週 化学物質のエネルギー危険(2) 化学物質のエネルギー危険性を反応速度論の立場から理解する。
4週 燃焼及び爆発の理論 断熱および非断熱系など種々の条件下での燃焼及び爆発の理論についての講義と演習を行なう。
5週 可燃性気体、液体、固体(1) 可燃性気体、液体、固体およびその混合物の取り扱いに関する講義と演習を行なう。
6週 可燃性気体、液体、固体(2) 可燃性気体、液体、固体およびその混合物の取り扱いに関する講義と演習を行なう。
7週 労働災害(1) 安全活動の理念、労災事故防止方法、ヒューマンエラー、事故事例検討を通じて労働災害防止方法を理解する。
8週 中間試験 中間試験までの学習内容を理解する。
4thQ
9週 労働災害(2) 安全活動の理念、労災事故防止方法、ヒューマンエラー、事故事例検討を通じて労働災害防止方法を理解する。
10週 労働災害(3) 安全活動の理念、労災事故防止方法、ヒューマンエラー、事故事例検討を通じて労働災害防止方法を理解する。
11週 保安防災(1) 保安事故(化学工業)の実績、発生原因、事故事例検討を通じて保安事故防止方法を理解する。
12週 保安防災(2) 保安事故(化学工業)の実績、発生原因、事故事例検討を通じて保安事故防止方法を理解する。
13週 保安防災(3) 保安事故(化学工業)の実績、発生原因、事故事例検討を通じて保安事故防止方法を理解する。
14週 責任と義務 事業者の責任、義務、および従業員の義務を理解する
15週 関係法令 労働安全衛生法、消防法と国連規則、高圧ガス取扱法等関係法規化学安全に関する法律について理解する。
16週 定期試験 定期試験までの学習内容を理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。3
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3
社会における技術者の役割と責任を説明できる。3
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。3
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。3
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。3
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。3
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。3
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000400100
基礎的能力0000000
専門的能力60000400100
分野横断的能力0000000