発酵工学

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 発酵工学
科目番号 0170 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(物質化学コース) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「応用酵素学概論 (バイオテクノロジー教科書シリーズ)」 喜多恵子 (コロナ社)
担当教員 畑中 千秋,前田 良輔

到達目標

本授業では、従来、微生物の発酵を効率的に行うための技術であった発酵工学を、近年の動・植細胞培養に関する技術にも応用されてバイオリアクターと総称されるようになった工学的体系として学ぶことを目的とする。したがって、 微生物の発酵に限らず、生物細胞や生物由来素子の効率的反応系の基礎として、発酵工学を位置づけて講義する。また、生産物の効率的な精製技術についても概説する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1微生物並びに細胞の代謝を化学式等の具体的な説明をできる。微生物の代謝経路について化学的に理解できる。微生物並びに細胞の代謝対する基礎知識を化学的に理解できない。
評価項目2細胞をリアクターへ導入する手法について具体例を挙げて化学的に理解できる。細胞をリアクターへ導入する手法について化学的に理解できる。細胞をリアクターへ導入する手法について化学的に理解できない。
評価項目3リアクターの方式(回分、連続)のパラメ―ター(収率等)を具体的に理解できる。 リアクターの方式(回分、連続)のパラメ―ター(収率等)を理解できる。 リアクターの方式(回分、連続)のパラメ―ター(収率等)を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
学習・教育到達度目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解決できる。

教育方法等

概要:
本授業では、従来、微生物の発酵を効率的に行うための技術であった発酵工学を、近年の動・植細胞培養に関する技術にも応用されてバイオリアクターと総称されるようになった工学的体系として学ぶことを目的とする。したがって、 微生物の発酵に限らず、生物細胞や生物由来素子の効率的反応系の基礎として、発酵工学を位置づけて講義する。また、生産物の効率的な精製技術についても概説する。
授業の進め方・方法:
微生物並びに細胞の代謝対する基礎知識。
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 発酵工学の概要、バイオプロセスとは 種々のバイオプロセスの内容、特徴等が説明できること。
2週 バイオプロセスの構成について1 上流プロセスにおける生体触媒の調整方法が説明できること。
3週 バイオプロセスの構成について2 バイオリアクター(微生物、酵素および固定化生体触媒を用いる反応器)を説明できること。
4週 バイオプロセスの構成について3 下流プロセスの重要性を理解し、説明できること。
5週 生体触媒の基礎、酵素資源と生産 微生物からの抽出、濃縮および精製について理解し、説明できること。
6週 生体触媒の基礎、固定化酵素 酵素の固定化技術について説明できること。
7週 生体触媒の特性(酵素の特性)
生体触媒の特性(微生物の特性)
酵素の活性に影響を及ぼす温度、pH,共役因子等の要因が説明できること。発酵で用いられる微生物を分類し、その特徴について説明できること。
8週 中間試験
4thQ
9週 酵素各論、酵素の分類と種類 酸化還元酵素、加水分解酵素、異性化酵素等の利用について理解し説明できること。
10週 微生物増殖速度論 比増殖速度と基質濃度のプロットよりKs値を求めることができること。
11週 メタボリックマップ1 解糖系、TCAサイクルおよび電子伝達系を理解し、説明できること。
12週 メタボリックマップ2 糖代謝におけるエネルギー獲得量およびエネルギー変換効率が計算できること。
13週 バイオリアクター.1 バイオリアクターの形式、操作法が説明できること。
14週 バイオリアクター2 生体触媒内における物質輸送方程式について理解し説明できること。
15週 バイオリアクター3 固定化触媒の有効係数について理解し説明できること。
16週 定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野基礎生物原核生物と真核生物の違いについて説明できる。4
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。4
葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。4
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。4
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。4
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。4
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。4
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。4
染色体の構造と遺伝情報の分配について説明できる。4
細胞周期について説明できる。4
分化について説明できる。4
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。4
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。4
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。4
情報伝達物質とその受容体の働きを説明できる。4
免疫系による生体防御のしくみを説明できる。4
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。4
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。4
単糖と多糖の生物機能を説明できる。4
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。4
グリコシド結合を説明できる。4
多糖の例を説明できる。4
脂質の機能を複数あげることができる。4
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。4
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。4
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。4
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。4
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。4
タンパク質の高次構造について説明できる。4
ヌクレオチドの構造を説明できる。4
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。4
DNAの半保存的複製を説明できる。4
RNAの種類と働きを列記できる。4
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。4
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。4
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。4
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。4
解糖系の概要を説明できる。4
クエン酸回路の概要を説明できる。4
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。4
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。4
各種の光合成色素の働きを説明できる。4
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。4
炭酸固定の過程を説明できる。4
生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。4
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。4
微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。4
微生物の育種方法について説明できる。4
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。4
アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。4
食品加工と微生物の関係について説明できる。4
抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。4
微生物を用いた廃水処理・バイオレメディエーションについて説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力0000000
専門的能力80000200100
分野横断的能力0000000