機器分析実験

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 機器分析実験
科目番号 0170 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 生産デザイン工学科(物質化学コース) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 「新版 入門機器分析化学」庄野利之、脇田久伸編著、栗崎敏ほか共著、三共出版/自作プリント
担当教員 松嶋 茂憲,川原 浩治,竹原 健司

到達目標

1. 各種機器分析手法について、原理を理解し、測定からデータ解析までの基本プロセスを行うことができる。
2. 実験の内容と結果をまとめたレポートを作成し、報告することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各機器分析手法について原理や試料調製法を理解し、説明できる。またデータ解析を自ら行うことができる。各機器分析手法について、原理の概要や試料調製法を理解し、説明できる。データ解析を助言を得ながら行うことができる。各機器分析手法について、原理や試料調製法をを理解できず、助言があってもデータ解析を行うことができない。
評価項目2全ての実験について、原理、実験、結果および考察をまとめ、適切な用語やわかりやすい図表を用いたレポートとして報告できる。全ての実験について、原理、実験、結果および考察をまとめ、レポートとして報告ができる。全ての実験の内容と結果をまとめたレポートを作成できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
学習・教育到達度目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。
学習・教育到達度目標 C① 実験や実習を通じて、問題解決の実践的な経験を積む。
学習・教育到達度目標 C② 機器類(装置・計測器・コンピュータなど)を用いて、データを収集し、処理できる。
学習・教育到達度目標 C③ 実験結果から適切な図や表を作り、専門工学基礎知識をもとにその内容を考察することができる。
学習・教育到達度目標 C④ 実験や実習について、方法・結果・考察をまとめ、報告できる。
学習・教育到達度目標 E② 日本語で論理的に記述し、報告・討論できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB① 共通基礎知識を用いて、専攻分野における設計・製作・評価・改良など生産に関わる専門工学の基礎を理解できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解決できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SC① 専門工学の実践に必要な知識を深め、実験や実習を通じて、問題解決の経験を積む。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SC② 機器類(装置・計測器・コンピュータなど)を用いて、データを収集し、処理できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SC③ 実験結果から適切な図や表を作り、専門工学知識をもとに分析し、結論を導き出せる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SC④ 実験や実習について、方法・結果・考察を的確にまとめ、報告できる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SE② 実験・実習・調査・研究内容について、日本語で論理的に記述し、報告・討論できる。

教育方法等

概要:
研究、開発、製造の各分野において高速かつ高感度の分析が必要とされ、種々の機器分析法を理解することが要求されている。本実験では、実際の試料と分析機器類を用いた分析を行い、分析機器の原理、分析法、データ解析法につい て学習する。「卒業研究」で必要となる分析データの取得と解析に必要な能力を育成する。
授業の進め方・方法:
分析機器を使用した8個のテーマについて、3班でローテーションして実施する。各テーマについて、理論や実験概要の説明、試料調製と実験および解析を行う。テーマ毎に原理、実験、結果および考察を含むレポートを作成し、その提出を以て報告とし、実験内容の理解を確認する。実験2週ごとにレポート作成、班内での実験の振り返りや確認を行う週を設ける。
注意点:
全実験テーマについて実験結果と考察を含むレポートを提出すること。レポートの内容に不備が認められる学生には再レポートを課す。各レポートの受理により各実験の終了とする。最終週では確認テストを行う。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験全般のガイダンス 科目の概要と実験各テーマの概要を理解できる。
2週 核磁気共鳴分光法(NMR)[1] 核磁気共鳴分光法の原理と測定法を理解し、実験で得た結果を解析できる。
3週 核磁気共鳴分光法(NMR)[2] 核磁気共鳴分光法の原理、測定、解析、結果及び考察について整理し、それらをまとめたレポートを作成できる。
4週 赤外分光法(IR)[1] 赤外分光法の原理と測定法を理解し、実験で得た結果を解析できる。
5週 赤外分光法(IR)[2] 赤外分光法の原理、測定、解析、結果及び考察について整理し、それらをまとめたレポートを作成できる。
6週 バイオアッセイ [1] ヒト細胞による物質分析、機能検索手法の原理と測定法を理解し、実験で得た結果を解析できる。
7週 バイオアッセイ [2] ヒト細胞による物質分析、機能検索手法の原理、測定、解析、結果及び考察について整理し、それらをまとめたレポートを作成できる。
8週 レポート整理 実験の原理、測定、解析、結果及び考察をまとめたレポートを作成できる。
2ndQ
9週 蛍光画像解析 [1] 蛍光画像解析の原理と測定法を理解し、実験で得た結果を解析できる。
10週 蛍光画像解析 [2] 蛍光画像解析の原理、測定、解析、結果及び考察について整理し、それらをまとめたレポートを作成できる。
11週 X線分析法(結晶面間隔の測定) [1] X線分析法(結晶面間隔の測定)の原理と測定法を理解し、実験で得た結果を解析できる。
12週 X線分析法(結晶面間隔の測定) [2] X線分析法(結晶面間隔の測定)の原理、測定、解析、結果及び考察について整理し、それらをまとめたレポートを作成できる。
13週 X線分析法(結晶構造因子と消滅則) [1] X線分析法(結晶構造因子と消滅則)の原理と測定法を理解し、実験で得た結果を解析できる。
14週 X線分析法(結晶構造因子と消滅則) [2] X線分析法(結晶構造因子と消滅則)の原理、測定、解析、結果及び考察について整理し、それらをまとめたレポートを作成できる。
15週 確認テスト 全テーマの実験に関する試験を行い、その内容の理解度の確認を行う。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術工学実験技術物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前1,前2,前15
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前5,前6,前8,前9,前11,前14
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前14
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前14
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3前5,前6,前7,前8,前10,前11,前14
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3前3,前4,前6,前7,前9,前10,前12,前13
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3前5,前6,前7,前8,前10,前11,前14
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。4前3,前4,前9,前15
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。4前3,前4,前12,前13,前15
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。4前3,前4
分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野(実験・実習能力)分析化学実験代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。4前3,前4,前12,前13,前15
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。4前3,前4,前12,前13,前15
生物工学実験光学顕微鏡を取り扱うことができ、生物試料を顕微鏡下で観察することができる。4前9,前10
滅菌・無菌操作をして、微生物を培養することができる。4前6,前7

評価割合

確認テストレポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10900000100
基礎的能力036000036
専門的能力1054000064
分野横断的能力0000000