目的・到達目標:本授業では、微生物を工学的に活用するために、微生物に関する基礎知識および微生物機能を学ぶことを目的とする。微生物は産業上有用な酵素や抗生物質などの生産、発酵食品の製造、環境汚染物質の分解などに利用されている。微生物の産業利用と応用研究を理解するために、微生物の種類と分類、機能発現の仕組みについて学習する。
学習・教育到達度目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
学習・教育到達度目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。
専攻科課程教育目標、JABEE学習教育到達目標 SB② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解決できる。
概要:
本授業では、微生物の産業利用を理解できるように,有用微生物についての基礎知識学ぶことを目的とする。 微生物は産業上有用な酵素や抗生物質どの生産、 発酵食品の製造などに利用されている。また、近年、環境浄化のために、さまざな有害物質を微生物によって分解する試みなどもある。これらの産業や研究を理解するための基礎となる微生物の種類と同定法、代謝について学習する。
授業の進め方・方法:
本授業は,「微生物学 (基礎生物学テキストシリーズ 4)」 青木 健次 (化学同人)の内容に基づいて,実施する.授業は,教室にて板書をしながら説明する形式で進める.
注意点:
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 基礎生物 | 原核生物と真核生物の違いについて説明できる。 | 4 | |
核、ミトコンドリア、葉緑体、細胞膜、細胞壁、液胞の構造と働きについて説明できる。 | 4 | |
葉緑体とミトコンドリアの進化の説について説明できる。 | 4 | |
代謝、異化、同化という語を理解しており、生命活動のエネルギーの通貨としてのATPの役割について説明できる。 | 4 | |
酵素とは何か説明でき、代謝における酵素の役割を説明できる。 | 4 | |
光合成及び呼吸の大まかな過程を説明でき、2つの過程の関係を説明できる。 | 4 | |
DNAの構造について遺伝情報と結びつけて説明できる。 | 4 | |
遺伝情報とタンパク質の関係について説明できる。 | 4 | |
染色体の構造と遺伝情報の分配について説明できる。 | 4 | |
細胞周期について説明できる。 | 4 | |
分化について説明できる。 | 4 | |
ゲノムと遺伝子の関係について説明できる。 | 4 | |
細胞膜を通しての物質輸送による細胞の恒常性について説明できる。 | 4 | |
フィードバック制御による体内の恒常性の仕組みを説明できる。 | 4 | |
情報伝達物質とその受容体の働きを説明できる。 | 4 | |
免疫系による生体防御のしくみを説明できる。 | 4 | |
生物化学 | タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。 | 4 | |
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。 | 4 | |
単糖と多糖の生物機能を説明できる。 | 4 | |
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。 | 4 | |
グリコシド結合を説明できる。 | 4 | |
多糖の例を説明できる。 | 4 | |
脂質の機能を複数あげることができる。 | 4 | |
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。 | 4 | |
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。 | 4 | |
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。 | 4 | |
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。 | 4 | |
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。 | 4 | |
タンパク質の高次構造について説明できる。 | 4 | |
ヌクレオチドの構造を説明できる。 | 4 | |
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。 | 4 | |
DNAの半保存的複製を説明できる。 | 4 | |
RNAの種類と働きを列記できる。 | 4 | |
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。 | 4 | |
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。 | 4 | |
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。 | 4 | |
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。 | 4 | |
解糖系の概要を説明できる。 | 4 | |
クエン酸回路の概要を説明できる。 | 4 | |
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。 | 4 | |
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。 | 4 | |
各種の光合成色素の働きを説明できる。 | 4 | |
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。 | 4 | |
炭酸固定の過程を説明できる。 | 4 | |
生物工学 | 原核微生物の種類と特徴について説明できる。 | 4 | |
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。 | 4 | |
微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。 | 4 | |
微生物の育種方法について説明できる。 | 4 | |
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。 | 4 | |
アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。 | 4 | |
食品加工と微生物の関係について説明できる。 | 4 | |
抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。 | 4 | |
微生物を用いた廃水処理・バイオレメディエーションについて説明できる。 | 4 | |