資源エネルギー工学

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 資源エネルギー工学
科目番号 0195 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(物質化学コース) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:世良力,資源・エネルギー工学要論第4版,東京化学同人
教材:プリントを配布
担当教員 前田 良輔

到達目標

・環境問題を技術的な視点で理解できること。
・環境問題と資源の関係を理解できること。
・環境問題に対する国際的な取組みを理解できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1我が国の資源やエネルギーについて、その賦存量や自給率などに関する広い視野にもとづいた理解ができる。我が国の資源やエネルギーについて、その賦存量や自給率などが理解ができる。我が国の資源やエネルギーについて、その賦存量や自給率などが理解がでない。
評価項目2地球規模で資源を俯瞰し、化石資源などを統計によって量的に整理し、国ごとの特徴が理解ができる。地球規模で資源を俯瞰し、化石資源などを統計によって量的に整理できる。地球規模で資源を俯瞰し、化石資源などを統計によって量的に整理できない。
評価項目3発電の基本や再生可能エネルギーについて理解し、説明ができる。発電の基本や再生可能エネルギーについて理解できる。発電の基本や再生可能エネルギーについて理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
学習・教育到達度目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。

教育方法等

概要:
私たちの生活はエネルギーの利用によって成り立っており、そのエネルギーの多くは化石資源を中心とした様々な資源により得られる。我が国は資源の賦存量が少なく、言い換えればエネルギー自給率が低いため、資源の多くを海外に依存している。従って、私たちの生活の安定はいかに資源を安定して継続して輸入するかにかかっている。この授業では、地球規模で見た資源やエネルギーに関する諸問題をテーマとし、新しい統計などを用いて理解を深め、場合によっては教科書の図表も最新データに更新しながら進める。
授業の進め方・方法:
教科書と配布資料をもとに授業を進める。普遍的な問題もあれば刻々と変化する世界情勢に影響を受ける問題もあり、適宜トピックスを織り交ぜながら俯瞰的に眺めることに重点を置く。すでに教科書の情報についても古い場合もあり、授業中のワークによって最新のデータに更新しながら理解を深める。授業計画の最後にトピックス紹介を配置しているが、国内外の情勢に応じて適宜トピックス紹介を行うこともある。また、後期に行う「環境化学工学」は、さらに工学的な観点からアプローチし、本授業と補完的な関係にある。
注意点:
まず、毎日の生活がいかにエネルギーを消費し、エネルギーに依存しているかを意識しておく必要がある。その上で、日ごろのニュースなどに耳を傾けるなど情報を積極的にキャッチする習慣があるとよいであろう。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
各授業内容のハイライトをスライドショーで眺めながら本授業の意義を理解すること。
2週 日本のエネルギー事情 エネルギー自給率から私たちの生活に利用されるエネルギーについて、その年代における推移や統計による量的関係を理解すること。
3週 世界のエネルギー事情 主要な一次エネルギーの埋蔵量、輸出入量、日本と各国のエネルギー構成の相違などを理解すること。
4週 洋上風力発電と北九州市 洋上風力発電および北九州市の取組みを理解すること。
5週 化石資源(1) 化石資源についてEIが発行する統計などを参考に埋蔵量、生産量、消費量、可採年数などを理解すること。
6週 化石資源(2) 化石資源についてEIが発行する統計などを参考に埋蔵量、生産量、消費量、可採年数などを理解すること。
7週 日本における既存資源 日本で採掘できる資源について理解すること。
8週 中間試験
2ndQ
9週 地球温暖化に対する国際的な取り組み パリ協定やCOPに代表される地球温暖化解決のための国際的な取り組みを理解すること。
10週 水素とアンモニア 肥料の製造に用いられてきたアンモニアについて、水素と合わせて環境問題への貢献の観点から理解すること。
11週 フッ素化学と冷媒 フッ素化合物について冷媒としての特徴を理解すること。
12週 未利用資源 海洋国家である日本における熱水鉱床やメタンハイドレートなどの未利用資源について理解すること。
13週 資源と地政学 世界に賦存する資源の採掘から日本への輸送に至る過程は、国際社会における政治、経済、地理的条件などの地政学に大きな影響を受けることを理解すること。
14週 リンと排水処理 リンを資源として捉え、そのリサイクル技術を理解すること。
15週 火力発電と原子力発電 我が国における火力発電と原子力発電について理解すること。
16週 定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学SI単位への単位換算ができる。4前2,前3,前11,前12
物質の流れと物質収支についての計算ができる。4前2,前3,前11,前12
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。4前2,前3,前11,前12

評価割合

試験発表相互評価態度ワーク・ミニレポートその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000