環境化学工学

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 環境化学工学
科目番号 0196 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(物質化学コース) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:世良力,資源・エネルギー工学要論第4版,東京化学同人
教材:プリントを配布
担当教員 前田 良輔

到達目標

・環境問題の解決につながる工学的な基本を理解できる。
・様々な分野の基礎知識の習得と計算問題を解くことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1化学工学で学んだ流動や伝熱の基礎を用いた風車理論、保温などについて理解し、計算により評価できる。化学工学で学んだ流動や伝熱の基礎を用いた風車理論、保温などについて理解できる。化学工学で学んだ流動や伝熱の基礎を用いた風車理論、保温などについて理解できない。
評価項目2太陽のもつエネルギーや核エネルギーの基礎を理解し、計算により評価できる。太陽のもつエネルギーや核エネルギーの基礎を理解できる。太陽のもつエネルギーや核エネルギーの基礎を理解できない。
評価項目3熱エネルギーの獲得と利用に対して、燃焼計算や蒸気サイクルの基礎を理解し、計算により評価できる。熱エネルギーの獲得と利用に対して、燃焼計算や蒸気サイクルの基礎を理解できる。熱エネルギーの獲得と利用に対して、燃焼計算や蒸気サイクルの基礎を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 B① 専門分野における工学の基礎を理解できる。
学習・教育到達度目標 B② 自主的・継続的な学習を通じて、専門工学の基礎科目に関する問題を解くことができる。

教育方法等

概要:
私たちの生活に必要不可欠なエネルギーは主に化石資源の燃焼によって発生する熱エネルギー、風の有する運動エネルギー、ウランやプルトニウムなどの核分裂による核エネルギーなどをうまく変換しながら利用している。そのようなエネルギーの発生ならびに効率的な利用は環境問題の解決に不可欠な技術的課題でもある。このようなエネルギーの発生と変換に加えエネルギーや物質の収支についても事例紹介を行い、化学工学や物理化学を基本とした諸問題として理解を深める。
授業の進め方・方法:
様々な事例を紹介し、そのテーマに包含される化学的、工学的知識を抽出し、計算なども取り入れた複合的な学びを取り入れる。また、前期に行う「資源エネルギー工学」は、地球規模でのエネルギー利用と環境問題の理解を目的としており、本授業とは相互に補完的な関係にある。
注意点:
これまで学んだ化学工学や物理化学の基礎にもとづいた計算問題において、演習問題への積極的な取組みが求められる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
風車工学の基礎
本授業の意義を理解できること。
Bernoulliの式に基づく風車工学の基本を理解できること。
2週 伝熱と保温 化学工学で学んだ伝熱の基本を用いて、保温の観点から伝熱量を計算できること。
3週 核エネルギー 質量欠損にもとづく核エネルギーについて理解できること。
4週 太陽エネルギー 太陽から放射される熱エネルギーの収支計算やそのもととなる核融合反応を理解できること。
5週 海洋の化学(1) 海洋への二酸化炭素の溶存に関する平衡関係を理解できること。
6週 海洋の化学(2) 海洋における生命の営みのひとつであるバイオミネラリゼーションによる炭酸固定を理解できること。
7週 オゾンの生成・分解と化学反応 酸素からのオゾンの生成やフロン類によるオゾンの分解について、化学反応の観点から理解できること。
8週 中間試験
4thQ
9週 答案返却と解説
燃焼計算に必要な基本事項
化学工学で学んだ燃焼計算の復習により、化石資源の燃焼における燃焼計算ができること。
10週 燃焼計算とエネルギー管理(1) 省エネルギーや二酸化炭素排出量削減といったエネルギー管理の観点から燃焼計算を理解できる。
11週 燃焼計算とエネルギー管理(2) 省エネルギーや二酸化炭素排出量削減といったエネルギー管理の観点から燃焼計算を理解できる。
12週 蒸気機関とエネルギー変換
ランキンサイクル(1)
化石資源ものつ発熱量から発電に至るエネルギー変換やそれぞれのプロセスにおける効率について理解し、計算できる。
13週 ランキンサイクル(2) 火力発電の基礎である蒸気機関におけるランキンサイクルを理解できること。
14週 省エネルギー カスケード利用、コジェネレーション、ヒートポンプなど身近にある従来からの省エネルギー技術について理解できること。
15週 燃料としてのアンモニア 地球温暖化対策の一つとして検討が進むアンモニアの燃焼について、その特徴を理解できること。
16週 定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学SI単位への単位換算ができる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7
物質の流れと物質収支についての計算ができる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。4後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7

評価割合

試験発表相互評価態度ワーク・ミニレポートその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力0000000
専門的能力70000300100
分野横断的能力0000000