応用物理Ⅰ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 応用物理Ⅰ
科目番号 0203 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(物質化学コース) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「高専の応用物理 (第2版)」 宮本 止戈雄, 大野 秀樹, 竹内 彰継, 小暮 陽三 (森北出版株式会社)
担当教員 油谷 英明,坪田 雅功

到達目標

・半導体・力学・光学・量子論・原子核における基本知識を学び、応用物理実験の原理を理解する.
・応用物理IIの実験で用いる実験器具の使用方法, データの解析方法を習得する.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
実験の元となる各分野の理論、事項の理解と適用 半導体・力学・光学・量子論・原子核における基本事項を理解し、式や図を用いて応用問題に答えることができ、応用例などを説明することができる。半導体・力学・光学・量子論・原子核における基本事項を理解し、式や図を用いて基本的な問題に答えることができる。半導体・力学・光学・量子論・原子核における基本事項の理解が不十分であり、これらの説明や簡単な確認問題に答えることができない。
実験原理、方法、データ分析、解析実験器具の使用方法を理解し、実験原理を理解し、実験器具の使用、実験方法について説明できる。与えられた実験データの必要な計算と解析を基に、実験結果に関して論ずることができる。実験原理を理解して、実験器具の使用、実験方法を概ね説明できる。与えられた実験データの物理的意味の説明と必要な計算を行うことができる。実験原理の理解が十分でなく、実験器具の使用、実験方法について説明することができない。また、与えられた実験結果のデータの意味を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本授業では座学を主とし、半導体・力学・光学・量子論・原子核における基本知識, 基本的実験の原理を講義する。また、 後期応用物理IIにおける各実験で用いる実験器具の使用方法、データの基本的解析方法も学習し、物理実験の基本的技法の習得も目指す。
授業の進め方・方法:
座学を中心に授業を進める。教科書も用いるが, ウェブで閲覧可能資料を使用してかなり早いペースで授業を行う. 更に詳しく学びたい学生のために文献は授業中に紹介する。
注意点:
学修状況の確認のため、 定期的に課題を出し、授業中に行う演習も課題として提出してもらう。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
学習内容の確認
科目趣旨・趣旨, 予習復習, 課題への対応について理解する
2週 半導体の基礎、バンド構造、 半導体の物理(禁制帯、価電子帯と伝導帯、フェルミ準位、真性半導体と不純物半導体)について理解する
3週 ダイオードとPN接合、整流作用
トランジスタ① 基本構造と原理
n型半導体とp型半導体、PN接合、空乏層、整流作用について理解する。トランジスタの基本構造と動作原理について理解する。
4週 トランジスタ② 増幅作用と応用 トランジスタの基本原理、増幅作用とその応用を理解する。
5週 力学① 
質点の力学(並進運動, 円運動)
質点の並進運動, 円運動の運動方程式を微分を用いて計算できる。
6週 力学②
剛体の力学(慣性モーメントと2定理、角運動量L)
角運動量, 慣性モーメントについて理解し, 計算できる。
7週 力学③
回転運動と調和振動子、物理振り子による重力加速度の測定
回転運動、調和振動子、物理振り子を用いた重力加速度測定の実験原理を理解する。
8週 中間試験 学習内容が理解できていて, 確認問題を解くことができる。
2ndQ
9週 光の物理的性質
光のスペクトル、光の回折と干渉
光の物理的性質、回折と干渉について理解し, 簡単な確認問題を解くことができる。二重スリットによる干渉縞、ニュートンリングを用いた光の波長測定の実験の原理を理解する。
10週 電子の比電荷e/mと電気素量e 電子の発見、電子の性質について理解し、比電荷、 質量、電荷の測定実験の原理について理解する。
11週 光の粒子性と光電効果 光の波的性質と粒子的性質を理解する。光電効果やコンプトン散乱を理解する. プランク定数、光子のエネルギー測定実験の原理を理解する。
12週 ボーアの原子模型とエネルギー準位①
電子の波動性
ボーアの量子条件、ド・ブローイ波、原子中の電子の状態について理解する。
13週 ボーアの原子模型とエネルギー準位①
水素原子のスペクトル
ボーアの原子模型, 水素原子のエネルギー準位, 輝線, リュードベリの関係式、フランクヘルツの実験の原理について理解する。
14週 原子核と放射線①
原子核の構成、崩壊、原子核反応と核エネルギー
原子核の構成、核力、結合エネルギーについて理解する. 原子核の崩壊, 半減期、安定性ならびに年代測定などの説明や簡単な計算ができる.
15週 原子核と放射線②
放射線測定
霧箱、ガイガーカウンター等の放射線測定の実験の原理と放射線遮蔽、防護の基礎を理解する。
16週 定期試験返却・解説 学習内容が理解できていて, 確認問題を解くことができる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理物理周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3
力のモーメントを求めることができる。3
角運動量を求めることができる。3
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3
重心に関する計算ができる。3
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3
波動波の重ね合わせの原理について説明できる。3
波の独立性について説明できる。3
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。3

評価割合

試験課題・演習・レポート合計
総合評価割合7030100
基礎的能力7030100
専門的能力000
分野横断的能力000