応用物理Ⅱ

科目基礎情報

学校 北九州工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 応用物理Ⅱ
科目番号 0204 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 生産デザイン工学科(物質化学コース) 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「高専の応用物理 (第2版)」 宮本 止戈雄, 大野 秀樹, 竹内 彰継, 小暮 陽三 (森北出版),「総合物理1」 植松恒夫, 酒井啓司, 下田正 (啓林館),「総合物理2」 植松恒夫, 酒井啓司, 下田正 (啓林館),「セミナー物理基礎+物理」 第一学習社編集部 (第一学習社),「応用物理実験書」(自作教材)
担当教員 油谷 英明,坪田 雅功,伊藤 慎太郎,宮内 真人

到達目標

・自然現象を系統的,論理的に考えていく能力を養い,広く自然の諸現象を科学的に解明するための物理的な見方,考え方を見につける。
・物理学は工学を学ぶための極めて重要な基礎であり,多くの分野において科学技術の発展に欠かせない知識であることを認識させ,数式の物理的な意味を理解する。
・応用物理実験として、力学,電気・電磁気,光,原子・分子の分野の実験を行い、実験の内容を説明でき、明解で考察が十分な実験レポートを作成する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
実験準備と内容の理解準備を十分行い、各実験を理論にそって説明するができる。誤差の要因を含め、実験の実施状況と得られた結果を説明、考察できる。結果と照らし合わせて適切な自主考察、自主研究を考え、行うことができる。準備を十分行い、各実験を理論にそって概ね説明するができる。得られた結果が十分であるか判断することができ、必要な考察などを考えることができる。実験準備を十分せず、物理学の理論にそって実験テーマの内容を説明することができない。
実験における理論、数式、論理展開実験に必要な数式の物理的意味を理解し、実験結果を議論できる。考察などで必要な更なる理論、数式を論理的に展開使用することができる。実験に必要な数式の物理的意味を理解し、実験結果にあてはめ、議論することができる。数式の物理的意味の理解が十分でなく、それらを説明することができない。
実験の遂行、実験ノート、実験レポートの作成と提出実験を安全かつ精度よく遂行し、実験ノートに結果等を適切に記録することができる。必要事項を満たし、結果に対する考察が十分なレポートを提出できる。実験を安全に遂行し、実験ノートに結果等を適切に記録することができる。必要事項を満たしたレポートを提出できる。 実験を遂行することができない、あるいは、実験ノートへの記録、報告レポートを作成・提出することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
前期の応用物理Iで学んだ、力学,電気・電磁気,光,原子・分子の分野の実験を行う。
グループ単位で実験を行い、レポートを作成、提出する。
授業の進め方・方法:
応用物理実験を行い、力学、電気・電磁気、光、電子・原子の分野のテーマについて理解する。
実験教材を多用して視覚的、直感的に電磁気的現象・ミクロな世界の物理法則が理解できるようにする。
自作指導書を使用し,グループワークで実験を行う。
注意点:
応用物理実験は、機器の取り扱いに関する注意事項を守り、安全に実験を実施する。
各テーマを十分理解して実験に臨み、レポートを提出期限内に提出すること(期限内に提出できない場合は、減点対象となる)
実験ノートを各自準備して、実験結果を適切に記録することが重要である。
(各実験テーマの実施状況等から前後することがある。また、機器トラブルなどがある場合は別のテーマに置き換えられることがある)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 授業の進め方について:進め方、班編成について
各テーマの実験内容の確認
2週 安全について
実験準備
実験実施上の諸注意(・安全な器具の取扱、・実験報告書の内容と形式、・実験データの記録)
実験準備
3週 実験:力学分野 剛体の回転運動(剛体振り子と重力加速度gの測定、様々な振り子)を理解し、説明できる
4週 電気・電磁気学分野 発光ダイオード(LED)とフォトダイオードによる光測定
基本原理と応用例を理解し、説明できる
5週 電気・電磁気学分野 トランジスタの基本動作と電圧増幅回路を理解し、説明できる
6週 電気・電磁気分野 磁界(ホールセンサによる磁気測定)と電磁誘導を理解し、説明できる
7週 追実験、実験レポート作成 未実験者の追実験。実験レポートをブラッシュアップし、完成度を高める
8週 追実験、実験レポート作成 未実験者の追実験。実験レポートをブラッシュアップし、完成度を高める
4thQ
9週 後半ガイダンス 各テーマの確認、実験実施上の注意(・安全な器具の取扱、・実験報告書の内容と形式、・実験データの精度)
実験準備
10週 電子・原子分野 光電効果(光子のエネルギー測定)を理解し、説明できる
11週 電子・原子分野 分光とスペクトル測定(プリズム、回折格子による分光)を理解し、説明できる
12週 光の分野 光の干渉(ニュートンリング、二重スリットによる干渉縞)を理解し、説明できる
13週 電子・原子核
(放射線)
放射線測定(霧箱、ガンマ線測定、放射線遮蔽)の基本を理解し、説明できる
14週 追実験、実験レポート作成 未実験者の追実験。実験レポートをブラッシュアップし、完成度を高める
15週 追実験、実験レポート作成 未実験者の追実験。実験レポートをブラッシュアップし、完成度を高める
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理物理力のモーメントを求めることができる。3
角運動量を求めることができる。3
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3
重心に関する計算ができる。3
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3
波動波の重ね合わせの原理について説明できる。3
波の独立性について説明できる。3
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3
電気オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3
物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3
安全を確保して、実験を行うことができる。3
実験報告書を決められた形式で作成できる。3
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3

評価割合

実験実施・レポート作成実験ノート合計
総合評価割合9010100
基礎的能力9010100
専門的能力000
分野横断的能力000