ものづくり総合実習

科目基礎情報

学校 佐世保工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 ものづくり総合実習
科目番号 3M1010 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実習 単位の種別と単位数 履修単位: 5.5
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:6 後期:6
教科書/教材 機械製図(検定 実教出版 / 1年次購入) 、独自テキスト
担当教員 森田 英俊,石橋 真,西山 健太朗,種子田 昌樹

到達目標

1. 企画を理解しさまざまなコンセプトシートを作成できる。(A4,D4)
2. コンセプトを工学的に解釈し、設計書に反映して作成することができる。(A4,D4)
3. 設計書に基づき他の学生と協力して試作し、試作品を工学的観点から評価することができる。(A4,D4)
4. 試作品の評価に基づき設計書にフィードバックし、試作品の質を高めることができる。(A4,D4)
5. コンセプトを他人にわかりやすく資料にまとめ説明することができる。(A4,D4)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1. 企画を理解しさまざまなコンセプトシートを作成できる。(A4,D4)コンセプトシートを10個以上作成できる。コンセプトシートを5個以上作成できる。コンセプトシートを1つも作成できない。
2. コンセプトを工学的に解釈し、設計書に反映して作成することができる。(A4,D4) コンセプトを工学的に解釈することが十分にでき、設計書に反映することができる。コンセプトを工学的に解釈することがある程度でき、設計書に反映することができる。コンセプトを工学的に解釈することができず、設計書に反映することができない。
3. 設計書に基づき他の学生と協力して試作し、試作品を工学的観点から評価することができる。(A4,D4)工学的観点から評価することができ、考察が十分にできる。工学的観点から評価することができ、考察がある程度できる。工学的観点から評価することができない。
4. 試作品の評価に基づき設計書にフィードバックし、試作品の質を高めることができる。(A4,D4) 試作品の評価に基づき設計書にフィードバックでき、試作品の質を十分に高めることができる。試作品の評価に基づき設計書にフィードバックでき、試作品の質をある程度高めることができる。試作品の評価に基づき設計書にフィードバックできず、試作品の質を高めることができない。
5. コンセプトを他人にわかりやすく資料にまとめ説明することができる。(A4,D4) コンセプトをわかりやすく資料にまとめることができ、十分に説明することができる。コンセプトを資料にまとめることができ、ある程度説明することができる。コンセプトを資料にまとめることができず、説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械設計者は, 企画から生まれたアイデアを元に商品として形に起こし, それが安全にかつ量産に適した設計をすることが求められる. この授業では, 「ベイブレード」を製作テーマに試作設計に焦点を当てたPBL型ものづくり授業を実施する. 具体的には, 企画から生まれたアイデアを工学的に設計・試作・評価を繰り返し, 試作物の質を高めるラピッドプロトタイピングを学生主体で行う. その中で「失敗」を次にどう活かすかを学びつつ, 機械設計者の素養を身に着ける.
授業の進め方・方法:
企画の説明後, クラスを10班程度に分け, 班ごとに異なる条件でベイブレードの設計・試作・評価を行う. 前期は教員主導でアイデアの出し方や3DCAD, 3Dプリンターの使い方等を身に着ける. 後期は学生主体でベイブレードの試作を行い, 最終試作品を製作する.
予備知識:製図や実習, 物理, 機械工学基礎で学んだ知識.
講義室:ICT1 or ICT2, 共用AL2室, 工場
準備物:教科書, ノート, 電卓, 筆記用具
実習時:帽子・作業着・ベルト・安全靴, メモ帳・筆記用具・電卓
注意点:
評価方法:実習態度(10%), コンセプト立案(10%), 中間報告(10%), 最終報告(30%), 最終設計書(20%), レポート(20%)
自己学習の指針:必要に応じて市場調査やユーザー調査をすること. また, 必要に応じてUSBメモリを準備し, 3DCADについて使いこなせること.
オフィスアワー:火曜および木曜16:00~17:00

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスとものづくりの流れの説明・コンセプトシートの作成 コンセプトシートを作成できる.
2週 ベイブレード概要, コンセプト決め, ベースモデルの設計 試作する製品の特長を知り, 回転運動について理解することができる.
3週 ベースモデルの設計 原理を理解し, ベースモデルの物理量を算出することができる.
4週 ベースモデルのモデリング 3DCADの基礎を習得でき, 簡単なモデリングができる.
5週 ベースモデルのモデリング 3DCADの応用を習得でき, ある程度複雑なモデリングができる.
6週 3Dプリンターを使った試作と鋳造 3Dプリンターの仕組みと使い方を習得できる.
7週 3DCADによる解析 3DCADを使って応力解析ができる.
8週 慣性モーメントと角加速度の計測 計測方法を理解し, 慣性モーメントと角加速度の計測ができる.
2ndQ
9週 試作品の評価と考察 計測した物理量を元に試作品の評価を行い, 考察をすることができる.
10週 学生による試作品の製作 ベースモデルの評価を元に、コンセプトに基づくアイデア展開をすることができる.
11週 学生による試作品の製作 アイデア展開を元に試作することができる.
12週 学生による試作品の製作 試作品を評価し, 設計書にフィードバックできる.
13週 学生による試作品の製作 試作を繰り返し, 最終試作品に向けて方針を決めることができる.
14週 中間報告会準備 プレゼンの資料を協力して作成し, 準備することができる.
15週 中間報告会 コンセプトに基づく試作品をわかりやすく説明できる.
16週
後期
3rdQ
1週 最終試作品に向けた製作 発散したアイデアを収束するようにデザインを定め, 試作品の質を上げることができる.
2週 最終試作品に向けた製作 上記に同じ.
3週 最終試作品に向けた製作 上記に同じ.
4週 最終試作品に向けた製作 上記に同じ.
5週 最終試作品に向けた製作 上記に同じ.
6週 最終試作品に向けた製作 上記に同じ.
7週 最終試作品に向けた製作 上記に同じ.
8週 最終試作品に向けた製作 上記に同じ.
4thQ
9週 最終試作品に向けた製作 上記に同じ.
10週 最終試作品に向けた製作 上記に同じ.
11週 最終試作品に向けた製作 上記に同じ.
12週 最終報告に向けた説明, 最終報告会準備 これまでの試作を振り返り, 最終試作品がなぜコンセプトに適しているかを説明できるよう, 班員と協力してまとめることができる.
13週 最終報告会準備 上記に同じ.
14週 最終報告会 最終試作品についてわかりやすく伝えることができる.
15週 レポートの作成 これまでの試作設計を個人で総括しまとめることができる.
16週

評価割合

実習態度コンセプト立案中間報告最終報告最終設計書レポート合計
総合評価割合101010303010100
専門的能力1010000020
基礎的能力001030301080