機構と設計

科目基礎情報

学校 佐世保工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 機構と設計
科目番号 4M2990 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 機械設計法(林、富坂、平賀 森北出版)/配布資料
機構学(森北出版)/配布資料
担当教員 福田 孝之

到達目標

1.ねじの理論を理解し,締め付けトルクの計算や,各種荷重に対する設計ができる。(A4)
2.キーや溶接接手の強度計算ができ,鋼構造物の設計ができる。(A4)
3.瞬間中心と節の速度の関係を理解できる。
4.4節回転連鎖・回転-直進機構において,節の交替によってできる各機構の動きを理解できる。
5.各種歯車列の速比の求め方を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 (到達目標1)ねじの種類を理解し,締め付けトルクの計算や,各種荷重に対するねじの設計ができる。ねじの種類を理解し,締め付けトルクの計算や,単軸荷重に対するねじの設計ができる。ねじの種類を理解できず,締め付けトルクの計算や,単軸荷重に対するねじの設計ができない。
評価項目2 (到達目標2)キーや溶接接手の強度計算ができ,鋼構造物の設計ができる。キーや溶接接手の強度計算や,鋼構造物の設計がほとんどできる。キーや溶接接手の強度計算や,鋼構造物の設計ができるない。
評価項目3 (到達目標3)瞬間中心と節の速度の関係を理解し,これらを導出することができる。瞬間中心の意味がわかり,瞬間中心や節の速度の導出がほとんどできる。瞬間中心の導出ができない。
評価項目4 (到達目標4)4節回転連鎖・回転-直進機構において,節の交換によって機構が変化することを的確に理解し,作動状況を十分に説明できる。4節回転連鎖・回転-直進機構において,節の交換によって機構が変化することを概略理解でき,作動状況も理解できる。4節回転連鎖・回転-直進機構において,節の交換によって機構がどのように変わるかを理解できない。
評価項目5 (到達目標5)各種歯車列の変速機構を十分に理解し,その速比を正しく計算できる。各種歯車列の変速機構を理解し、速比の求め方を説明できる。種歯車列の変速機構が理解できず、速度比の求め方を節目できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-4 説明 閉じる
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教育方法等

概要:
材料力学、材料学、機械工作法などの基本知識を基に、機械を構成する主要な機械要素について、形や大きさの決定、材料の選定などの設計法を学ぶ。また、機械要素相互の運動や機構について学ぶ。本科目は、企業で機械や構造物の設計を担当していた教員が、その経験を活かし、各種設計法について、また、様々な機械構造物の基本的な機構について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
予備知識:工学通論(1年)で学習した単位、力学、材料学(2、3年)で学習した各種材料の特徴、性質、設計製図(1、2年)での機械要素、材料力学(3年)の応力とひずみ、設計法(3年)、数学での微分・積分,三角関数,物理での変位,速度,加速度,角速度等、 .講義室:4M教室
授業形式:講義と演習。本科目は、学修単位科目のため、事前・事後学修としてレポートを実施します。
学生が用意するもの:教科書、配布資料、電卓、授業ノート,演習ノート、フラットファイル(配布プリント整理用)、作図用具
注意点:
評価方法:中間・定期試験(4回)80%、演習やレポート、小テスト20%により評価し、60点以上を合格とする。
自己学習の指針:毎回実施した授業の内容に関係する宿題を課すので、復習として演習ノートに必ず記して、早めに提出すること。試験前の勉強は、毎週記して作成した演習ノートが有効で、内容をよく修得していること。
オフィスアワー:火曜、木曜の16:10~17:00

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ねじの名称と種類 ねじの種類と特徴,用途,規格を理解できる。
2週 ねじの力学、ねじの締結トルク ねじの力学を理解し,ねじ自立の条件や締結トルクの計算ができる。
3週 ねじの効率と材料、軸荷重およびせん断荷重のみの設計法 ねじの効率が計算でき,軸荷重およびせん断荷重のみの問題の設計ができる。
4週 軸力+トルクの各設計法、演習 軸力+トルクの問題の設計ができる。
5週 十分に締付け後さらに引張り荷重が作用する場合の設計法 十分締め付けた後,さらに軸力が作用する問題の設計ができる。
6週 初期締付け力、締付けトルク 初期締付け力や必要な締付トルクの計算ができる。
7週 ねじの疲労設計法、ナットの長さ、ゆるみ止め方法 ナットの必要な長さの計算ができ,ねじのゆるみ止め方法について説明できる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 キーの種類、キーの強さ、キーの長さの設計 キーの種類を説明でき,強度設計ができる。
10週 溶接継手の設計法(突合せ溶接、すみ肉溶接) 溶接継手の強度設計ができる。
11週 鋼構造物の設計法、形鋼の種類 形鋼を用いた鋼構造物の強度設計ができる。
12週 鋼構造物の設計法(溶接構造物) 鋼構造物として,ビルトアップや形鋼との組合せ形状の強度設計ができる。
13週 鋼構造物の設計演習 鋼構造物として,ビルトアップや形鋼との組合せ形状の強度設計ができる。
14週 トラスの種類と計算法(節点法) トラスの解析法について理解し,節点法による荷重計算ができる。
15週 トラスの種類と計算法(切断法、クレモナ法) トラスの解析法として、切断法とクレモナ法による荷重計算ができる。
16週 前期期末試験
後期
3rdQ
1週 機械と機構,対偶と節,連鎖 機械,機構,対偶,節,自由度の定義を理解し,説明できる。限定連鎖を判定できる。
2週 運動の瞬間中心 連鎖の種類・条件を理解し,機構の運動の節の瞬間中心を求めることができる。
3週 運動と瞬間中心演習 連鎖の種類・条件を理解し,機構の運動の節の瞬間中心を求めることができる。
4週 機構における速度、加速度 機構において,任意の節の運動が既知であるときに他の節の速度や加速度が導出できる。
5週 機構における速度、加速度演習 機構において,任意の節の運動が既知であるときに他の節の速度や加速度が導出できる。
6週 機構における速度、加速度演習 機構において,任意の節の運動が既知であるときに他の節の速度や加速度が導出できる。
7週 リンク機構、4節回転連鎖 リンク機構の4節回転連鎖を理解し,回転連鎖の条件,揺動範囲,速度等を導出できる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 リンク機構、回転-直進機構 リンク機構の回転-直進機構を理解し,回転連鎖の条件,揺動範囲,速度等を導出できる。
10週 各種リンク機構 各種リンク機構の種類と特徴を説明できる。
11週 カム機構 カムの種類と機構を理解し、その運動を説明できる。また、カム線図を求めることができる。
12週 歯車列、遊星歯車 中心静止の歯車列の速比を計算できる。また、遊星歯車列の速比を計算できる。
13週 歯車列、差動歯車 差動歯車列の速比を計算できる。
14週 歯車列演習 各種の歯車列の速比を計算できる。
15週 歯車列演習 各種の歯車列の速比を計算できる。
16週 後期期末試験

評価割合

試験宿題演習合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000