制御工学

科目基礎情報

学校 佐世保工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 制御工学
科目番号 5M1310 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 制御工学技術者のための理論・設計から実装まで (豊橋技科大高専制御教育連携PJ,実教出版)
担当教員 中浦 茂樹

到達目標

1. 制御工学に関連する技術用語が理解できる.(A-3)
2. 制御系において用いられる入出力信号のラプラス変換ができる.(A-3)
3. 制御系の入出力特性を伝達関数として表現できる(A-3)
4. 制御系の特性解析や安定性判別ができる.(A-3)
5. PID制御器による制御系設計を行うことができる.(A-3)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 (到達目標1)制御系における,目標値・偏差・操作量・制御量といった情報の意味と役割を説明できる.制御系における,目標値・偏差・操作量・制御量といった情報の意味と役割を理解できる.制御系における,目標値・偏差・操作量・制御量といった情報の意味と役割を理解できない.
評価項目2 (到達目標2)インパルス信号・ステップ信号など制御系で多く用いられる時間信号を始め,様々な時間信号に対するラプラス変換・ラプラス逆変換を計算できる.インパルス信号・ステップ信号など制御系で多く用いられる時間信号を始め,様々な時間信号に対するラプラス変換・ラプラス逆変換を理解できる.インパルス信号・ステップ信号など制御系で多く用いられる時間信号を始め,様々な時間信号に対するラプラス変換・ラプラス逆変換を理解できない.
評価項目3 (到達目標3)1次遅れ系・2次遅れ系など制御系で多く用いられる制御対象に対し,その入出力特性を伝達関数として表現できる.1次遅れ系・2次遅れ系など制御系で多く用いられる制御対象に対し,その入出力特性を伝達関数として理解できる.1次遅れ系・2次遅れ系など制御系で多く用いられる制御対象に対し,その入出力特性を伝達関数として理解できない.
評価項目4 (到達目標4)1次遅れ系・2次遅れ系など制御系で多く用いられる制御対象に対し,その入出力特性を解析することができ,それを元にした安定性判別を行うことができる.1次遅れ系・2次遅れ系など制御系で多く用いられる制御対象に対し,その入出力特性を理解することができ,それを元にした安定性判別を理解できる.1次遅れ系・2次遅れ系など制御系で多く用いられる制御対象に対し,その入出力特性を理解することができず,それを元にした安定性判別を理解できない.
評価項目5 (到達目標5)制御系で多く用いられるPID制御器を用いて,1次遅れ系・2次遅れ系に対して制御仕様を満たす制御系を設計できる.制御系で多く用いられるPID制御器を用いて,1次遅れ系・2次遅れ系に対して制御仕様を満たす制御系を理解できる.制御系で多く用いられるPID制御器を用いて,1次遅れ系・2次遅れ系に対して制御仕様を満たす制御系を理解できない.

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-4 説明 閉じる
JABEE b 説明 閉じる
JABEE d 説明 閉じる
JABEE e 説明 閉じる

教育方法等

概要:
制御工学において最も重要な概念であるフィードバックの本質的理解をすることを重点に,システムを伝達関数として表現し,それをもとに安定性や制御器の設計を行う古典制御理論の基礎的内容を学習する.
授業の進め方・方法:
予備知識:微積分や複素関数論などの解析学の基礎的な知識
講義室:5M教室,ICT室
授業形式:講義,事前事後学習として課題を出す.
学生が用意するもの:ノート,関数電卓,配布した演習問題,MATLABを実行できるBYOD端末があるとよい.
注意点:
評価方法:試験(前期中間,前期定期,後期中間,学年末)を90%,演習問題を10%により評価し,60点以上を合格とする.
自己学習の指針:授業後の復習をしっかりと行い,宿題として配布する演習問題を独力で取り組む.これらの自己学習時間は,十分に確保することが望ましい.また,試験前には,教科書および章末問題,演習問題の内容を本質的に理解する.
試験範囲:教科書,ノート, 演習問題,授業中に話したこと
オフィスアワー:時間が空いている時はいつでも可
※到達目標の( )内の記号はJABEE学習・教育到達目標

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 制御系の目的と基本構成,制御技術史 制御系の基本構成を説明できる
2週 ラプラス変換・ラプラス逆変換の復習 ラプラス変換・ラプラス逆変換を計算できる
3週 ラプラス変換を用いた微分方程式の解法 微分方程式を解くことができる
4週 機械系モデル 機械系モデルの基本要素を理解し,使用例を導出できる
5週 電気系モデル 電気系モデルの基本要素を理解し,使用例を導出できる
6週 プロセス系モデル プロセス系モデルの基本要素を理解し,使用例を導出できる
7週 モデルの線形化 非線形モデルを線形化することができる
8週 中間試験 第1週から第7週目までの授業内容に到達できる
2ndQ
9週 伝達関数,ブロック線図による表現 様々なモデルを伝達関数として導出できる
10週 ブロック線図の基本結合,等価交換 ブロック線図を整理することで,等価な図を描くことができる
11週 過渡応答 時間領域における過渡応答とはどういうものか理解できる
12週 入力信号の種類 時間応答を得る為に用いられる入力信号を理解できる
13週 基本要素のインパルス・ステップ応答 様々な基本要素のインパルス応答とステップ応答を導出できる
14週 基本要素のインパルス・ステップ応答 様々な基本要素のインパルス応答とステップ応答を導出できる
15週 基本要素のインパルス・ステップ応答 様々な基本要素のインパルス応答とステップ応答を導出できる
16週 期末試験 第9週から第15週目までの授業内容に到達できる
後期
3rdQ
1週 周波数応答の概要 周波数領域における周波数応答を理解できる
2週 ベクトル軌跡 周波数応答の表現法であるベクトル軌跡を描くことができる
3週 ボード線図 周波数応答の表現法であるボード線図を描くことができる
4週 安定性と極 システムの安定性と極の関係を理解できる
5週 開ループ系の安定判別法 ラウスの安定判別法を使うことができる
6週 フィードバック系の安定判別法 ナイキストの安定判別法を使うことができる
7週 安定余裕 ゲイン余裕と位相余裕を求めることができる
8週 中間試験 第1週から第7週目までの授業内容に到達できる
4thQ
9週 フィードバック制御系の過渡特性 システムの過渡応答や定常特性を導出できる
10週 フィードバック制御系の過渡・定常特性 システムの過渡応答や定常特性を導出できる
11週 フィードバック制御系の定常特性 システムの過渡応答や定常特性を導出できる
12週 極配置法による設計 極配置法により制御器を設計できる
13週 位相進み補償器の設計 位相進み補償器を理解し,設計できる
14週 位相遅れ補償器の設計 位相遅れ補償器を理解し,設計できる
15週 PID制御器の設計 PID制御器を理解し,設計できる
16週 期末試験 第9週から第15週目までの授業内容に到達できる

評価割合

試験演習問題合計
総合評価割合9010100
基礎的能力000
専門的能力9010100
分野横断的能力000