到達目標
1. 生涯にわたる社会生活に必要な国語の知識や技能を身に付けるとともに、我が国が育んできた言語文化に対する理解を深めることができるようにする。
2. 論理的に考える力を培い、深く共感したり豊かに想像したりする力を伸ばし、他者との関わりの中で伝え合う力を高め、自分の思いや考えを広げたり深めたりすることができるようにする。
3.言葉がもつ価値への認識を深めるとともに、生涯にわたって読書に親しみ自己を向上させ、我が国の言語文化の担い手としての自覚をもち、言葉を通して他者や社会に関わろうとする態度を養う。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 高校1年生相応の漢字熟語や慣用表現等の語彙を完全に習得し、正確に表記、私用することができる。 | 習得している語彙が高校1年生相応のものであり、更に学び、身につけようとする意識が高い。 | 習得している語彙が高校1年生相応に達しておらず、学び、身につけようとする意識も乏しい。 |
評価項目2 | 論理的な文章の読解においては正しく主題を把握できる。小説等、文学的文章の読解においては、表現を自ら鑑賞、味読できる。 | 論理的な文章の読解においては主題を理解できる。小説等、文学的文章の読解においては、作者の表現意図を理解できる。 | 論理的な文章の読解において主題を理解できない。小説等、文学的文章の読解においては、作者の表現意図を理解できない。 |
評価項目3 | 文語文法、漢文訓読の基礎を習得し、初歩的な古典教材を読解、鑑賞することができる。 | 文語文法、漢文訓読の基礎の習得に努め、初歩的な古典教材の内容を理解することができる。 | 文語文法、漢文訓読の基礎を習得できず、初歩的な古典教材の内容を理解することができない
。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
近現代の優れた評論、文学作品(詩歌・小説等)を読解、鑑賞する。また、我が国の古典文学および漢詩・漢文を読解、鑑賞する。その上で、読解した内容を、自分自身が位置する現代社会の文脈に関連付けて考え、自らの考えをまとめる。さらに自らの考えを他者の考えと比較し、有意義な意見交換を試みる。学生は、教科書、漢字テキスト、ノート(縦書きで用いる)、辞書(電子辞書可)を準備すること。
授業の進め方・方法:
【授業方法】
・授業担当者による講義(座学)を中心とする。授業中、適宜、発問をするので、学生は積極的に回答すること。
・教材によっては学生同士の意見交換を行う。その場合は、グループ学習の形態をとる。
・週に1度、漢字テストを行う。(定期試験前には、文法・対義語・慣用句などの確認テストを実施する。)
※漢字テストについては、間違った文字を復習し、完全な習得を目指して努力すること。
注意点:
【評価基準・評価方法】
・学年成績は、定期試験成績80%に、漢字テストを10%、その他の提出物を10%分加味して100点とし、評価する。
60点以上を単位取得とする。
・各授業項目および授業時間の配分および評価の基準は、学生の理解・習得の状況を確かめながら、変更することがあり得る。変更する場合は、必ず事前に連絡、確認をする。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス 最果タヒ「わからないぐらいがちょうどいい」 |
シラバスを読み、授業の目的・進行方法を理解する。旧来の常識に囚われない多様な価値観を理解する。
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2週 |
河合隼雄「ふしぎと人生」 |
筆者のものの見方や感じ方を理解するとともに、自己を見つめ、自己の生き方を模索するきっかけを得る。
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3週 |
河合隼雄「ふしぎと人生」 実用的な文章1「学級日誌を書く」 |
教材と関連する読書について考える。 日常的に自らに課せられる文章表現について書き方を学ぶ。
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4週 |
芥川龍之介「羅生門」 |
小説の構造・展開・主題の把握など、小説を読む基本的な方法を学ぶ。
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5週 |
芥川龍之介「羅生門」 |
小説の内容を理解し、人間の心理に対する考えを深める。
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6週 |
古文入門「いろは歌」「児のそら寝」「検非違使忠明のこと」「羅城門の上層に登りて死人を見る盗人のこと」 |
古文を読む意義を理解して、古文や古文に描かれた世界に関心を持つ。
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7週 |
古文入門「花盗人の歌」「鷹使いの見た夢」 |
音読を繰り返して古文に慣れるとともに、古語と現代語の違いを理解し、古文を読む基礎を学ぶ。
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8週 |
中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
佐藤卓「ほどほどのデザイン」 |
文章の構成や論の展開に注意しながら、評論文の内容を的確に捉える。
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10週 |
佐藤卓「ほどほどのデザイン」 |
日本の文化や言葉について自分の考えを深める。
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11週 |
漢文入門「漢文を学習するということ」 |
漢文を学ぶ意義を理解し、訓読の歴史やその仕組みに関心を持つ。
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12週 |
漢文入門「漢文の基礎」 |
漢語の構造・訓読のしかた・書き下し文・再読文字・返読文字・漢文特有の構造について理解し、漢文を読む基礎を学ぶ。
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13週 |
故事成語「推敲」「漁夫之利」 |
音読を繰り返して訓読に慣れるとともに、示唆に富む内容を読み味わい、故事成語への理解を深める。
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14週 |
故事成語「朝三暮四」 |
音読を繰り返して訓読に慣れるとともに、示唆に富む内容を読み味わい、故事成語への理解を深める。
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15週 |
故事成語「塞翁馬」 |
音読を繰り返して訓読に慣れるとともに、示唆に富む内容を読み味わい、故事成語への理解を深める。
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16週 |
定期試験 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
大井玄「環境世界」 |
評論の基本的な読み解き方を習得し、論理構造を把握した上で筆者の考えの核心を理解する。
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2週 |
中村桂子「紫外線」 |
評論の基本的な読み解き方を習得し、論理構造を把握した上で筆者の考えの核心を理解する。
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3週 |
山崎正和「サイボーグとクローン人間」 |
論理性に着眼して評論を読み解く方法を学んで筆者の考えをまとめる。
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4週 |
山崎正和「サイボーグとクローン人間」 |
筆者の考えを踏まえて、現代の科学や創造的に読むことについて自分の考えを深める。
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5週 |
紀貫之「土佐日記」(門出) |
日記に描かれた平安時代の旅の様子や登場する人々の心情を理解するとともに、助動詞を中心に文法事項への理解を深める。
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6週 |
紀貫之「土佐日記」(かしらの雪) |
日記に描かれた平安時代の旅の様子や登場する人々の心情を理解するとともに、助動詞を中心に文法事項への理解を深める。
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7週 |
紀貫之「土佐日記」(帰京) |
日記に描かれた平安時代の旅の様子や登場する人々の心情を理解するとともに、助動詞を中心に文法事項への理解を深める。
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8週 |
中間試験 |
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4thQ |
9週 |
岩井克人「経済の論理/環境の倫理」 |
文章の構成や論の展開に注意しながら、評論文の内容を的確に捉える。
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10週 |
岩井克人「経済の論理/環境の倫理」 |
評論文の内容を踏まえて 、社会や個人のあり方について自分の考えを深める。
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11週 |
與那覇潤「グローバル化と『文脈』」 |
評論の基本的な読み解き方を習得し、論理展開を意識しながら筆者の主要な見解をつかむ。
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12週 |
伊勢物語「芥川」
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歌物語の内容を理解し、当時の社会や人々のありさまや心情を捉える。
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13週 |
伊勢物語「東下り」 |
和歌の修辞技法や敬語表現の概要について理解する。
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14週 |
論語 |
日本を含む東アジア全体に多大な影響を与えた孔子のものの見方や考え方を学んで理解し、自分の考えを深める。
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15週 |
論語 |
日本を含む東アジア全体に多大な影響を与えた孔子のものの見方や考え方を学んで理解し、自分の考えを深める。
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16週 |
定期試験 |
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評価割合
| 試験 | 小テスト | 課題提出 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 10 | 10 | 100 |
基礎的能力 | 80 | 10 | 0 | 90 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 10 | 10 |