流体工学

科目基礎情報

学校 佐世保工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 流体工学
科目番号 0031 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 機械系教科書シリーズ15 流体の力学 坂田光雄,坂本雅彦共著 コロナ社
担当教員 中島 賢治

到達目標

1.流体の基本的性質を理解し、流体の分類を説明できる。(A-4)
2.静止流体力学における微小面積(体積)にかかる力(モーメント)を積分して全体の力を求める手順を理解できる。(A-4)
3.連続の式、ベルヌーイの定理、運動量保存則の力学的根拠を説明でき、それらの応用問題を解くことができる。(A-4)
4.次元解析と相似則の理論を理解し、代表的な無次元数の意味を説明できる。(A-4)
5.境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる。(A-4)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1流体の基本的性質と流体の分類を説明できる流体の基本的性質と流体の分類を理解できる流体の基本的性質と流体の分類を理解できない
評価項目2静止流体力学における微小面積(体積)にかかる力(モーメント)を積分して全体の力を求める手順を説明できる静止流体力学における微小面積(体積)にかかる力(モーメント)を積分して全体の力を求める手順を理解できる静止流体力学における微小面積(体積)にかかる力(モーメント)を積分して全体の力を求める手順を理解できない
評価項目3連続の式、ベルヌーイの定理、運動量保存則の力学的根拠、およびそれらの応用問題を説明できる連続の式、ベルヌーイの定理、運動量保存則の力学的根拠、およびそれらの応用問題を理解できる連続の式、ベルヌーイの定理、運動量保存則の力学的根拠、およびそれらの応用問題を理解できない
評価項目4次元解析と相似則の理論および代表的な無次元数の意味を説明できる次元解析と相似則の理論および代表的な無次元数の意味を理解できる次元解析と相似則の理論および代表的な無次元数の意味を理解できない
評価項目5境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を説明できる境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を理解できる境界層、はく離、後流など、流れの中に置かれた物体の周りで生じる現象を理解できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
流体の基本的性質,静止流体に働く力,理想流体の運動,エネルギー保存,粘性流体の運動を記述する基礎式など,流体運動を理解するために必要な考え方を習得する。
授業の進め方・方法:
予備知識:質量保存の法則、エネルギー保存の法則、運動量保存の法則など力学の基本法則と、高校数学(代数幾何、基礎解析、微積分)を理解し、関数電卓を使えること。
講義室:5M教室
授業形式:講義と演習
学生が用意するもの:教科書、ノート、電卓
注意点:
評価方法:4回の定期試験と授業中の発表で評価する。試験成績M1,発表点M2のとき、M1×(100-M2)/100+M2を評点とし、60点以上が合格。四半期ごとのM2上限を一人当たり20点とする。
自己学習の指針:授業では公式や定理の証明をしています。復習用のプリントに加え、自己学習でもう一度、証明や導出問題にチャレンジしてください。暗記ではなく、論理の理解に努めてください。そうすることで、流体力学の発展的な問題への対応力が身に付きます。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 連続体、平均自由行程、密度の定義 連続体の定義を分子的立場から説明できる。
2週 ニュートンの粘性法則と流体の分類 ニュートンの粘性法則を説明できる。
3週 音速の定義式、マッハ数、圧縮率と体積弾性係数 音速の定義式を導出できる。
4週 分子間力、表面張力、凝集力、付着力、毛管現象 表面張力と毛管現象を分子間力で説明できる。
5週 気体の状態方程式、流体のモデル化と分類 流体の分類を説明できる。
6週 深さと圧力の関係式から液体と気体の圧力計算式を導く 気圧と高度、温度、密度の関係式を導出できる。
7週 示差圧力計と傾斜微圧計の計測式を導く 示差圧力計と傾斜微圧計の計測式を導出できる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 パスカルの原理を導く パスカルの原理を導出し、その応用問題を解ける。
10週 静止液中の平面に働く力、微小面積に働く力の積分 微小面積に働く力を積分し全圧力を求めることができる。
11週 静止液中の曲面に働く力、微小面積に働く力の2方向積分 微小面積に働く力を2方向積分し全圧力を求めることができる。
12週 アルキメデスの原理を導く アルキメデスの原理を導出し、その応用問題を解ける。
13週 連続の式とベルヌーイの定理の導出 連続の式とベルヌーイの定理について力学的根拠を説明できる。
14週 連続の式とベルヌーイの定理を用いた応用問題 連続の式とベルヌーイの定理を用いた応用問題が解ける。
15週 総合問題演習 連続の式とベルヌーイの定理を用いた応用問題が解ける。
16週 前期定期試験
後期
3rdQ
1週 運動量保存則、検査体積、流管 運動量保存則について力学的根拠を説明できる。
2週 運動量保存則を用いた応用問題 運動量保存則を用いて単純な系の応用問題が解ける。
3週 運動量保存則を用いた噴流の応用問題 運動量保存則を用いて噴流の応用問題が解ける。
4週 運動量保存則を用いた水車の動力計算理論 運動量保存則を用いて水車の応用問題が解ける。
5週 角運動量保存則を用いた応用問題 角運動量保存則を用いてポンプ羽根車の問題が解ける。
6週 連続の式、ベルヌーイの定理、運動量保存則を用いた総合応用問題1 連続の式、ベルヌーイの定理、運動量保存則を用いた総合応用問題が解ける。
7週 連続の式、ベルヌーイの定理、運動量保存則を用いた総合応用問題2 連続の式、ベルヌーイの定理、運動量保存則を用いた総合応用問題が解ける。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 N-S方程式の無次元化、ロード・レイリーの方法 ロードレイリーの方法を用いて無次元数を導出できる。
10週 バッキンガムのπ定理、代表的な無次元数 バッキンガムのπ定理を用いて無次元数を導出できる。
11週 境界層の概念、ダランベールの背理からプラントルの境界層理論へ 境界層の概念、ダランベールの背理からプラントルの境界層理論への流れを説明できる。
12週 境界層方程式、排除厚さ、運動量厚さ 境界層方程式、排除厚さ、運動量厚さを説明できる。
13週 境界層のはく離、乱流遷移、乱流境界層 境界層のはく離、乱流遷移、乱流境界層 境界層のはく離、乱流遷移、乱流境界層を説明できる。
14週 翼に働く抗力と揚力、翼の性能曲線、失速角、翼のアスペクトレシオ 翼に働く抗力と揚力、翼の性能曲線、失速角、翼のアスペクトレシオを説明できる。
15週 総合問題演習 境界層に起こる現象を理解し、カーブ、ナックル、境界層制御技術などの原理を説明できる。
16週 後期中間試験

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000