材料学

科目基礎情報

学校 佐世保工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 材料学
科目番号 0040 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 機械・金属材料学(実教出版)/自作プリント
担当教員 藤田 明次

到達目標

代表的な3種の結晶格子について説明できる。
合金の状態図について説明できる。
製鋼所における鉄の作り方を説明できる。
炭素鋼の状態図を説明できる。4種の鋼の熱処理を説明できる。
一般構造用圧延鋼材,機械構造用炭素鋼鋼材,鋳鋼について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
代表的な3種の結晶格子について説明できる。体心立方格子,面心立方格子,六方稠密格子について十分に理解し特徴などを的確に説明できる結晶構造について理解し,概略説明できる結晶構造について理解できていない
合金の状態図について説明できる。2元系状態図を理解し,十分に説明できる2元系状態図をある程度理解し,ある程度説明できる2元系状態図を理解できていない。
製鋼所における鉄の作り方を説明できる。製鉄,製鋼技術を理解し,高炉メーカ並びに電炉メーカの製鉄方法について説明が行える製鉄,製鋼技術をある程度理解し,概略説明できる製鉄,製鋼技術を理解できていない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
各種機械材料の種類と特性を理解し,設計あるいは使用の際に材料を適材適所に採用できる能力を身に付ける。
※実務との関係
 この科目は企業でプラントの性能向上のための材料開発・実用化や,経年劣化診断技術,損傷解析などを行ってきた教員が,その経験を活かし,耐熱鋼を始めとする様々な実用的な材料について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
予備知識:特になし
講義室:2M教室
授業形式:講義,ビデオ学習
注意点:
評価方法:中間・定期試験(4回)により評価し,60点以上を合格とする。
自己学習の指針:配布されるプリントと教科書の内容を理解するとともに,授業中にノートをしっかりととり,それらで復習を確実に実施する。
学生が用意するもの: 教科書,ノート,筆記用具
オフィスアワー:火曜および木曜16:00~17:00

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 金属の結晶構造、結晶粒と結晶粒界、結晶格子
3種の代表的な結晶格子
金属の一般的な性質を説明できる。
代表的な3種類の結晶構造の原子配置が説明でき,充填率の計算ができる。
2週 単位胞に含まれる原子数、ミラー指数

金属の2種の塑性変形、金属の強さと結晶との関係
格子面とミラー指数の導出方法について説明することができ,格子方位と格子面を記述できる。
すべり変形と双晶変形が説明できる。室温では結晶粒が細かい方が強いことが説明できる。
3週 加工硬化と再結晶

金属の相、合金、固溶体、金属間化合物
加工硬化と再結晶がどのような現象であるかを説明できる。
金属の相、合金、固溶体、金属間化合物についてどのようなものであるかを説明できる。
4週 純金属の凝固、合金の凝固、全率固溶体型状態図

共晶型状態図-両成分が純粋に晶出する場合
金属の凝固現象について説明できる。全率固溶体型状態図が理解できる。
共晶型状態図上で天秤の原理を用いて各相の割合を計算できる。相律で自由度の導出できる。
5週
鉄と鋼の定義、製鋼所における鉄の製造工程
製銑法、高炉
製銑及び製鋼工程について,原料並びに主設備,主な炉内反応が説明できる。
高炉操業(工程並びに化学反応)が説明できる。
6週 製鋼法、転炉、鋼塊


鋼塊の加工による材質の変化、鋼の分類
転炉における製鋼工程,不純物の除去,造塊プロセス,鋼塊の特徴などが説明できる。
鋼塊に対する熱間鍛造や熱間圧延による材質の改善,繊維組織の形成などが説明できる。
7週 「鉄ができるまで」のビデオ視聴、鉄の状態図概説 鉄の製造プロセスの概要が説明できる。鉄の状態図の概要が説明できる。
鉄-炭素系状態図の詳細を理解し,説明ができる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 純鉄の変態、3種の変態点と結晶格子の関係、磁気変態

炭素鋼の変態、パーライト変態
純鉄の磁気変態を含む変態挙動を理解し,それぞれの組織の結晶構造が説明できる。
炭素鋼の焼きなましの目的と焼きなましによる機械的性質の変化を説明できる。
10週 鋼の機械的性質、引張り試験、応力-ひずみ線図

降伏点、耐力、降伏現象の説明、時効
鋼の引張試験で得られる応力-ひずみ線図の特徴を理解し,各ポイントの持つ意味を説明が行える。
応力-ひずみ曲線について説明できる。降伏現象発生原因や時効特性を説明できる。
11週 炭素量と機械的性質の関係、不純物の影響
鋼の熱処理概説,焼きなまし処理
標準状態の鋼の炭素量と機械的性質の関係について説明できる。
鋼の熱処理についてその種類と特徴が説明できる。焼きなまし処理が説明できる。
12週 連続冷却変態曲線(CCT曲線)

鋼の恒温変態曲線(TTT曲線)
共析炭素鋼の連続冷却変態挙動を説明することができる。
炭素鋼の恒温変態(TTT)曲線の読み方並びにCCT曲線との違いが説明できる。
13週 鋼の焼ならし,焼入れ


焼入れの質量効果、3種の表面硬化法概説,焼入れ処理と残留オーステナイト
鋼の焼ならし処理及び焼入れ処理の目的とその効果を理解し,説明できる。
焼入れにおける質量効果が説明できる。表面硬化法の浸炭,窒化,高周波焼入れを説明できる。
14週 焼もどし 焼入れ材の焼もどしの目的ならびに焼入れ焼もどしによる機械的性質の変化を説明できる。
15週 一般構造圧延鋼材,溶接構造用圧延鋼材,機械構造用炭素鋼
炭素鋼鋳鋼、冷延鋼板
JIS規格の構造用鋼の特徴とその用途が説明できる。
JIS規格の炭素鋳鋼や冷延鋼板の特徴を理解し,説明できる。
16週 後期期末試験

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000