電気工学

科目基礎情報

学校 佐世保工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電気工学
科目番号 0062 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 電気基礎1,2新訂版、堀田栄喜ほか編修、実教出版
担当教員 吉田 克雅

到達目標

1. オームの法則と抵抗の合成則をもちいて電気回路の計算ができる
2. キルヒホッフの法則・重ね合わせの理を用いて電気回路の計算ができる
3. 交流回路においてインピーダンスの概念を理解し、交流電力の計算ができる
4. 電磁気学の工学的応用事例を理解している
5. スカラーでの計算を主とした基礎的な電磁気学について理解している

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 (到達目標1)複雑に直列・並列で抵抗が配置される回路においても計算ができるオームの法則と抵抗の合成則をもちいて電気回路の計算ができるオームの法則と抵抗の合成則をもちいて電気回路の計算ができない
評価項目2 (到達目標2)キルヒホッフの法則・重ね合わせの理を組み合わせて、複雑な回路においても計算ができる キルヒホッフの法則・重ね合わせの理を用いて電気回路の計算ができる キルヒホッフの法則・重ね合わせの理を用いて電気回路の計算ができない
評価項目3 (到達目標3)直列・並列接続のインピーダンスを含む交流回路の計算ができ、交流電力の計算ができる。インピーダンスの概念を理解し、電圧電流の位相差や交流電力の計算ができる交流回路のインピーダンスが理解できない。また交流電力の計算ができない。
評価項目4 (到達目標4)電磁気学の工学的応用事例について理解し、応用される原理について考察することができる。電磁気学の工学的応用事例を理解している電磁気学の工学的応用事例を理解していない
評価項目5 (到達目標5)電磁気学の諸法則を組み合わせた問題の計算ができる。 スカラーでの計算を主とした基礎的な電磁気学について理解している スカラーでの計算を主とした基礎的な電磁気学について理解していない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電気回路と基礎的な電磁気学について学ぶ
授業の進め方・方法:
予備知識:(1)中学校時における電気回路の諸法則(2)連立一次方程式 (3) 三角関数の計算と作図(4)平面ベクトルの合成と分解(5)複素数の計算と複素数・極座標の相互変換
講義室: 3M教室
授業形式:講義と演習
学生が用意するもの:ノート、筆記用具、関数電卓
注意点:
評価方法:年4回の定期試験(70%),ノート・演習課題・小テスト(合わせて30%)で評価し,60点以上を合格とする.追試などは演習やレポート、小テストの提出を前提とする.
自己学習の指針:各時間に課される課題等を通して内容を整理し理解する.演習は自分の力で解き,不明なままにしないこと.
オフィスアワー:火 12:00~13:00,これ以外でも連絡があれば対応します。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスと授業の説明、単位系、接頭語 単位系と接頭語を用いた数値換算ができ、有効数字を考慮した測定値の処理と計算ができる
2週 単位換算、電流の定義 電気回路を水路とポンプのアナロジの観点で理解する オームの法則を適用できる 電流の1[A]の定義を理解する 
3週 電圧計、電流計、抵抗RとコンダクタンスG 電圧計、電流計の接続法を理解し実測に応用できる RおよびGの定義を理解し、オームの法則を応用した計算ができる。 
4週 合成抵抗、抵抗の直並列接続 抵抗が複雑に接続された回路の合成抵抗の計算ができ、各部の電圧電流を求めることができる
5週 分流器、直列抵抗器 電圧の分圧、電流の分流から電圧計、電流計の測定範囲の拡大法を理解する
6週 キルヒホッフの法則 回路網の各部の電圧や電流をキルヒホッフの法則をもちいて解くことができ、より複雑な直流回路の計算ができる
7週 ジュールの法則、電力と電力量、 ジュールの法則を用いて発熱量が計算できる また水の温度上昇が扱える 電力と電力量の違いを理解し、計算できる
8週 温度上昇と許容電流、熱電現象 許容電流、許容電力の内容を理解し回路の保護法を知る ゼーベック効果、ペルチェ効果が説明できる
2ndQ
9週 抵抗率と導電率 抵抗率や導電率の定義を知り、任意形状の導線の抵抗が計算でき、パーセント導電率が扱える
10週 中間試験
11週 中間試験の解説、抵抗温度係数、絶縁抵抗、接触抵抗、接地抵抗、各種抵抗器 抵抗温度係数を用いて任意温度の抵抗値が算出でき温度計測への応用を理解する 各種抵抗の定義と具体的な抵抗器を知る
12週 電気分解、ファラデーの法則、各種の電池 食塩水の電気分解を通して電流の化学作用を知る ファラデーの法則により析出量の計算ができる 電池の概要を理解する
13週 交流の発生、正弦波 正弦波交流起電力の発生原理をフレミングの右手の法則により理解する 正弦波関数による最大値、周波数、周期を理解する
14週 弧度法、角速度、角周波数、 弧度法の定義を知り、角周波数、角速度が取り扱える
15週 交流の表し方、ベクトルとの対応 交流を定義する諸量(瞬時値、最大値、平均値、実効値)を理解する 実効値と偏角を用いたベクトルとの対応を理解する
16週 期末試験
後期
3rdQ
1週 ベクトルによる合成電圧 ベクトル合成による正弦波の合成ができ、電圧、電流の大きさと位相差から合成された瞬時値が求められる。
2週 インダクタンスL、静電容量Cと電圧電流 L、Cのみの回路で電圧電流の進み遅れが理解でき、誘導性・容量性リアクタンスが求められる
3週 RL直列回路、RC直列回路とインピーダンスの計算 RL、RC直列回路で、インピーダンスが計算でき、電圧電流の位相差との関連が理解できる
4週 交流電力、力率 RLC回路でインピーダンス三角形を求めることができる 電圧電流の位相差と力率や有効・無効電力との関係が理解できる。
5週 電流と磁気 磁気に関するクーロンの法則が使える。磁力線の性質を理解する
6週 電流による磁界、アンペアの右ネジの法則 アンペアの右ネジの法則により円形コイルやソレノイドコイルの磁界の向きが求められる
7週 中間試験
8週 ビオサバールの法則 点磁荷による磁界の大きさ、電流のつくる磁界の大きさをビオサバールの法則により求めることができる
4thQ
9週 アンペアの周回積分の法則、フレミングの左手の法則 アンペアの周回積分の法則を用いて円形コイル、直線状導体、無限長・リング状ソレノイド内の磁界を求めることができる
10週 方形コイルに働くトルク 磁束密度Bと磁界Hの関係を知りフレミングの左手の法則から電磁力の向きや大きさ、コイルに働くトルクを求めることができる
11週 磁性体と磁気回路 起磁力と磁気抵抗を導入し磁気回路を解くことでBやH等を計算できる。磁石や鉄心材料による磁化曲線の違いを知る。
12週 電磁誘導と磁気エネルギー ファラデーの法則やフレミングの右手則から誘導起電力の大きさや向きを求めることができる 電磁エネルギーが計算できる
13週 静電気、電荷と電界 クーロンの法則を適用できる 電界の種類を知り、その大きさが求められる 静電容量の定義を知っている
14週 コンデンサ、平行板による電界とコンデンサ 平行板コンデンサの容量が計算できる コンデンサの直並列回路の容量が計算できる
15週 誘電体内のエネルギー、絶縁破壊と放電現象 誘電体内のエネルギーが求められる。誘電損、圧電効果、静電吸引力を知る 絶縁破壊と気体中の放電現象を知る
16週 期末試験

評価割合

試験ノート・演習課題・小テスト合計
総合評価割合70300100
基礎的能力0000
専門的能力70300100
分野横断的能力0000