一般物理

科目基礎情報

学校 佐世保工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 一般物理
科目番号 4E1210 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 自作スライド、配布プリント、自作ビデオ教材(自学用参考図書:「力学の考え方」砂川重信著(岩波書店))
担当教員 日比野 祐介,古栫 雅裕

到達目標

1. 質点系の運動方程式を高等数学を用いて解くことができる。(A-1)
2. 剛体の運動方程式を立てることができる。慣性モーメントを計算することができる。(A-1)
3. 減衰振動の一般解を計算できる。強制振動の定常解を計算できる。定数変化法を適用できる。(A-1)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安(不合格)
質点系の力学運動方程式を解くことを通じて物体の運動を解析し特定の軌跡を辿る条件を求めることができる。運動方程式を立てて初期条件下で解くことができる。運動方程式を立てることができない。
剛体の力学複雑な形状の剛体の慣性モーメントを計算し、並進/回転運動を解析できる。剛体の慣性モーメントを積分で計算できる。剛体の並進/回転に関する運動方程式を立てて解くことができる。慣性モーメントを計算できない。回転の運動宇方程式を立てることができない。
振動様々な外力が印加されたときの強制振動を解析できる。単振動、減衰振動、強制振動の運動方程式を立て、初期条件の下で解くことができる。振動系の運動方程式を立てることができない。微分方程式の解を求めることができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-1 説明 閉じる
JABEE c 説明 閉じる

教育方法等

概要:
力学の構造、力学的ものの見方を中心に、物理現象のモデル化、数学的表現法、および解法を教授する。
授業の進め方・方法:
予備知識:2,3年次の「物理」、「代数・幾何」および「微積」の復習をしておく。
講義室:4E教室
授業形式:講義、演習(演習はアクティブ・ラーニングを含む)
学生が用意するもの:教科書、補助教材、ノート
自己学習の指針:授業の内容と進度に応じて適宜課題を提示する。試験範囲に含めるので各自必ず自力で解答し提出すること。
事前・事後学習:この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習としてレポートやオンラインテストを実施することもある。
注意点:
評価方法:前後期の中間試験と定期試験、学年末試験を各100点満点で実施し、それらの平均点が60点以上であれば合格とする。ただし得点平均操作は小数点以下を切り捨てとする。
オフィスアワー:原則講義曜日の放課後1時間とする。実施不可能な場合は、別途日時を定める。
備考:試験ごとに自己学習の記録をレポートとして点検する。また追試験を受験するには、ノートやレポートが期限内に提出されている必要がある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 科学の哲学、構造、方法、および工学との関係 科学の手法を説明できる、工学と科学の違いを説明できる。
2週 座表系と位置および加速度ベクトルの導出 座標を時間で微分し、速度や加速度を求めることができる。
3週 慣性の法則と運動の法則 ニュートン力学の慣性の法則と運動の法則を説明できる。
4週 運動方程式表示と運動例の解法 簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。
5週 仕事とポテンシャルエネルギーの定義 仕事の概念を説明することができる。仕事を積分を用いて計算できる。
6週 力学的エネルギー保存則の導出 エネルギー積分を理解できる。仕事とエネルギーの関係を説明できる。
7週 前期中間試験
8週 運動量の定義と質点系の運動量保存則の導出 運動量が保存される条件を説明できる。
2ndQ
9週 多体質点系の重心運動と相対運動 重心の定義について理解し、重心に関する計算ができる。多体系の運動を重心運動と相対運動に分離できることを説明できる。
10週 多体質点系の例 重心運動と相対運動の運動方程式を立てることができる。
11週 多体質点系における保存則 多体系において保存則が成り立つ条件を説明できる。
12週 2体問題(1):重心運動と相対運動 2質点の運動方程式から重心運動と相対運動の運動方程式を導出できる。
13週 2体問題(2):角運動量の保存とケプラーの第2法則 相対運動の回転成分から角運動量が保存されることを示せる。角運動量と面積速度の関係を説明できる。
14週 2体問題(3):軌道の形とケプラーの第3法則 相対運動の動径成分の解を分類することによって、様々な天体の軌道が多様な形を持ちえることを説明できる。
15週 前期総復習
16週 前期期末試験
後期
3rdQ
1週 剛体の重心ベクトルと慣性モーメント(1) 基本的な立体に対する剛体の重心ベクトルと慣性モーメントを計算できる。
2週 剛体の重心ベクトルと慣性モーメント(2) 基本的な立体に対する剛体の重心ベクトルと慣性モーメントを計算できる。
3週 剛体の重心ベクトルと慣性モーメント(3) 立体が組み合わされたときや回転軸がずれたときの慣性モーメントを計算できる。
4週 剛体の運動方程式(1) 斜面を転がり降りる円柱に関する運動方程式を立てることができる。並進運動と回転運動のパラメターの関係式を表すことができる
5週 剛体の運動方程式(2) 壁に立てかけられた棒の運動を定式化できる。並進運動と回転運動のパラメターの関係式を表すことができる
6週 回転運動における保存則 剛体に関する角運動量と力学的エネルギー保存を簡単な系に適用できる。
7週 総合復習
8週 後期中間試験
4thQ
9週 単振動と減衰振動 単振動の運動方程式を導出し、初期条件の下で時間領域で解くことができる。減衰振動の運動方程式を導出できる。
10週 減衰振動 減衰振動の固有値を用いて一般解を式で表し、初期条件を適用して解を導くことができる。
11週 強制振動(1):定式化と解法 強制振動の運動方程式を導出できる。強制振動の一般解を、同次方程式と特解の和として表すことができる。
12週 強制振動(2):定式化と定数変化法 1階の微分方程式として近似された強制振動の解を、定数変化法で求めることができる。
13週 連成振動、単振り子 二つの質点からなる連成振動の運動方程式を立てることができる。単振り子の運動方程式を導くことができる。
14週 振動系の問題演習 減衰振動と強制振動に関する問題を解くことができる。
15週 総合復習
16週 学年末試験

評価割合

試験課題レポート合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000