電子工学

科目基礎情報

学校 佐世保工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 電子工学
科目番号 0004 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 基礎電子工学(森北出版 藤本 晶)
担当教員 川崎 仁晴

到達目標

量子力学の基礎を用いて半導体の電子挙動が解析ができる。
波動方程式を用いて半導体中の電子挙動が解析ができる。
PN接合ダイオードの定量的特性が解析ができる。
トランジスタ中の電子の動作が定量的に解析ができる。
簡単な半導体デバイスの設計ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1量子力学の基礎を用いて半導体の電子挙動が解析でき、波動方程式を用いて半導体中の電子挙動が解析ができる。量子力学の基礎を用いて半導体の電子挙動がおおまかに解析でき、波動方程式を用いて半導体中の電子挙動が解析がおおよそできる。量子力学の基礎を用いて半導体の電子挙動が解析できず、波動方程式を用いて半導体中の電子挙動が解析ができない。
評価項目2PN接合ダイオードおよびトランジスタ中の電子の動作が定量的に解析ができる。PN接合ダイオードおよびトランジスタ中の電子の動作が定量的に解析がおおよそできる。PN接合ダイオードおよびトランジスタ中の電子の動作が定量的に解析ができない。
評価項目3簡単な半導体デバイスの設計ができ、ICやLSIの製造方法が説明できる。簡単な半導体デバイスの設計がおおまかにでき、ICやLSIの製造方法がおおよそ説明できる。簡単な半導体デバイスの設計ができず、ICやLSIの製造方法が説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
真空中の電子挙動と,固体中の電子挙動の基礎を理解する。また,それを基にダイオードやトランジスタ、FETの定量的特性解析ができる.そのためには、3年生までに習った物理学、電磁気学の知識、および簡単な微分方程式の知識を必要とする。
授業の進め方・方法:
講義中心、例題の解析も行う。
注意点:
電卓が試験時に必須である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電子の基本的性質について説明する。 電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。
2週 半導体の種類と電気的な性質を定性的に説明する。 エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。
3週 固体の構造と原子間の結合、およびミラー指数について説明する。 エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。
4週 電子の粒子性と波動性について説明する。 原子の構造を説明できる。
5週 ボーアの量子条件について説明する。 原子の構造を説明できる。
6週 波束と群速度について定量的に説明する。 パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。
7週 シュレーディンガーの波動方程式を導き、波動関数の意味を説明。 パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 ゾンマーフェルトのモデルから半導体のエネルギー帯構造を導く。 結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解する。
10週 クローニヒペニーのモデルから半導体のエネルギー帯構造を導く。 金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。
11週 真性半導体、不純物半導体の構造を説明する。 真性半導体と不純物半導体を説明できる。
12週 分布関数と状態密度関数について説明する。 真性半導体と不純物半導体を説明できる。
13週 真性半導体の電子密度と正孔密度について説明する。 半導体のエネルギーバンド図を説明できる。
14週 不純物半導体の電子密度と正孔密度について説明する。 半導体のエネルギーバンド図を説明できる。
15週 半導体中のキャリア密度をまとめ、演習問題の解説を行う。 半導体のエネルギーバンド図を説明できる。
16週 期末試験
後期
3rdQ
1週 試験の返却・解答,電気伝導現象について解説する。 金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。
2週 ホール効果に関して説明する。 金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。
3週 半導体中のキャリアの寿命について説明する 金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。
4週 拡散方程式をもとに半導体中の電子やイオンの挙動を説明する pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。
5週 PN接合の物理的な現象をバンドモデルを用いて説明する。その1 pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。
6週 PN接合の物理的な現象をバンドモデルを用いて説明する。その2 pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。
7週 キャリアの輸送現象とPN接合をまとめ、演習問題を解説する。 電気伝導現象について解説する。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 PN接合の電流電圧特性を説明する pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。
10週 バイポーラトランジスタ構造を説明する。 pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。
11週 バイポーラトランジスタの電気的な特性を説明する。 バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンドズを用いてバイポーラトランジスタの製特性を説明できる。
12週 FETの動作原理を簡単に説明する。 バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンドズを用いてバイポーラトランジスタの製特性を説明できる。
13週 金属と半導体の接触部分の電流電圧特性を簡単に解析する。 金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。
14週 半導体素子の作製手順を解説する。 電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。
15週 半導体集積回路の作製技術の内、いくつかを説明する。 半導体集積回路の作製技術の内、いくつかを説明する。
16週 期末試験

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力400000040
専門的能力400000040
分野横断的能力200000020