電気回路Ⅰ

科目基礎情報

学校 佐世保工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 電気回路Ⅰ
科目番号 0035 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 「電気・電子系教科書シリーズ③ 電気回路Ⅰ(柴田尚志著)」/講義中に配布するプリント
担当教員 大島 多美子

到達目標

1.キルヒホッフの法則、重ねの理、テブナンの定理等の諸定理を理解し、電気回路の計算に用いることができる。
2.抵抗、コイル、コンデンサ素子における電圧と電流の関係を理解し、交流回路の計算に用いることができる。
3.瞬時値、フェーザ、複素数表示を理解し、これらを正弦波交流回路の計算に用いることができる。
4.インピーダンスとアドミタンスの概念を理解し、これを用いて交流回路の電圧、電流や位相を計算することができる。
5.有効電力、無効電力、皮相電力、力率を理解し、これらの計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 (到達目標1)直流および交流の回路網において、キルヒホッフの法則、重ねの理、テブナンの定理等の諸定理を説明し、計算することができる。直流および交流の回路網において、キルヒホッフの法則、重ねの理、テブナンの定理等の諸定理を用いて計算することができる。直流および交流の回路網において、キルヒホッフの法則、重ねの理、テブナンの定理等の諸定理を用いて計算することができない。
評価項目2 (到達目標2,3)交流回路において、瞬時値、複素数表示、フェーザ表示の関係を説明し、電圧と電流の位相について計算することができる。交流回路において、瞬時値、複素数表示、フェーザ表示を用いて、電圧と電流の位相について計算することができる。交流回路において、瞬時値、複素数表示、フェーザ表示を用いて計算することができない。
評価項目3 (到達目標4,5)交流回路において、インピーダンスとアドミンタンス、共振回路、交流電力について説明し、これらの計算ができる。簡単な交流回路において、インピーダンスとアドミンタンス、共振回路、交流電力の計算ができる。交流回路において、インピーダンスとアドミンタンス、共振回路、交流電力の計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電気・電子工学を学ぶ上で最も重要な基礎科目の一つである。第1学年の電気電子工学基礎に引き続き、数学的手法を用いて交流回路の解析に必要な知識を講義と演習により学習する。
授業の進め方・方法:
予備知識:第1学年の電気電子工学基礎および代数・幾何を十分に理解しておくこと。
講義室:2E教室
授業形式:講義と演習
学生が用意するもの:ノート、のり(配布プリントをノートに貼付)、関数電卓
注意点:
評価方法:年4回の定期試験を70%、ノート・演習課題を30%で評価し、60点以上を合格とする。
自己学習の指針:板書の内容や講義中に行う演習問題を毎回復習し、理解しておくこと。定期試験では、教科書の問題や講義中の演習問題が全て解けることを前提に出題するため、十分に理解しておくこと。
オフィスアワー:平日の放課後(会議日は除く)。これ以外でも在室の時はいつでもOK。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスの説明、1年生で学習した内容の確認テスト 1学年の学習内容の問題を解くことができる。
2週 直流回路の計算(電圧、電流) 分圧・分流の考え方を説明し、直流回路の計算に用いることができる。
3週 直流回路の計算(抵抗、電力) 対称回路の合成抵抗やΔ-Y変換、最大電力の考え方を説明し、直流回路の計算に用いることができる。
4週 直流回路の応用計算(キルヒホッフの法則) キルヒホッフの法則を説明し、直流回路の計算に用いることができる。
5週 直流回路の応用計算(重ねの理) 重ねの理を説明し、直流回路の計算に用いることができる。
6週 直流と交流、正弦波交流の発生原理 フレミングやファラデーの法則を用いて、正弦波交流の発生原理を説明できる。
7週 正弦波交流の周期と周波数、瞬時値と最大値 正弦波交流の周期と周波数、瞬時値と最大値などを説明し、これらを計算できる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 試験返却、正弦波交流の角周波数・位相と位相差 正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。
10週 正弦波交流の平均値と実効値 正弦波交流の平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。
11週 正弦波交流の瞬時値とベクトル表示 正弦波交流をベクトルで表し、ベクトルの和と差を用いて瞬時値の計算ができる。
12週 正弦波交流の複素数表示とフェーザ表示 正弦波交流の瞬時値、複素数表示、フェーザ表示の関係について説明できる。複素数の計算や、複素平面上への図示(フェーザ図)ができる。
13週 抵抗回路における正弦波交流電圧と電流の関係 R素子における正弦波交流電圧と電流の関係を瞬時値およびフェーザ表示とフェーザ図で示し、電圧と電流の位相関係を説明できる。
14週 インダクタンス回路における正弦波交流電圧と電流の関係 L素子における正弦波交流電圧と電流の関係を瞬時値およびフェーザ表示とフェーザ図で示し、電圧と電流の位相関係を説明できる。
15週 静電容量回路における正弦波交流電圧と電流の関係 C素子における正弦波交流電圧と電流の関係を瞬時値およびフェーザ表示とフェーザ図で示し、電圧と電流の位相関係を説明できる。
16週 前期期末試験
後期
3rdQ
1週 R-L直列回路、R-C直列回路 インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。フェーザを用いて、簡単な交流回路の計算ができる。
2週 R-L-C直列回路、直列共振回路 インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。フェーザを用いて、簡単な交流回路の計算ができる。直列共振回路の計算ができる。
3週 R-L並列回路、R-C並列回路 インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。フェーザを用いて、簡単な交流回路の計算ができる。
4週 R-L-C並列回路、並列共振回路 インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。フェーザを用いて、簡単な交流回路の計算ができる。並列共振回路の計算ができる。
5週 交流の電力、有効電力・皮相電力・無効電力 交流電力をを説明できる。有効電力・皮相電力・無効電力を説明し、これらを計算できる。
6週 力率、力率の遅れ・進み 力率を説明し、計算できる。力率の遅れ・進みについて理解し、計算できる。
7週 複素電力 複素電力と有効電力・皮相電力・無効電力の関係を説明し、計算できる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 試験返却、電圧源と電流源の変換 電圧源と電流源の等価回路を説明し、これらを変換することができる。
10週 諸定理による交流回路の計算(キルヒホッフの法則) キルヒホッフの法則を説明し、交流回路の計算に用いることができる。
11週 諸定理による交流回路の計算(網目電流法) 網目電流法を用いて交流回路の計算ができる。
12週 諸定理による交流回路の計算(節点電位法) 節点電位法を用いて交流回路の計算ができる。
13週 諸定理による交流回路の計算(重ねの理) 重ねの理を説明し、これを交流回路の計算に用いることができる。
14週 諸定理による交流回路の計算(テブナンの定理) テブナンの定理を説明し、これを交流回路の計算に用いることができる。
15週 後期期末試験範囲の演習
16週 後期期末試験

評価割合

試験ノート・演習課題合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000