科目基礎情報

学校 佐世保工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 国語
科目番号 0062 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 現代文B(三省堂)
担当教員 川口 良治

到達目標

1.論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。
2.論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。
3.文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。
4.常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。
5.類義語・対義語を思考や表現に活用できる。
6.社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。
7.専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目118歳(選挙権年齢)相応の漢字熟語や慣用表現等の語彙を習得し、正確に表記、使用できる。習得している語彙が18歳(選挙権年齢)相応には不足しているが、身につけようとする意識が高い。習得している語彙が18歳(選挙権年齢)相応に達しておらず、身につけようとする意識も乏しい。
評価項目2比喩的、象徴的な表現に込められた含意を理解し、文学作品を鑑賞できる。比喩的、象徴的な表現に込められた含意の理解に関心があり、文学作品を鑑賞できる。比喩的、象徴的な表現に込められた含意の理解に関心がなく、文学作品を鑑賞できない。
評価項目3現代評論の論旨を、身近で具体的な問題と関連付けて、正確に理解できる。現代評論の論旨を、身近で具体的な問題と関連付ける意識を持ち、理解できる。現代評論の論旨を、身近で具体的な問題と関連付けることに関心がなく、理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
読む・考えるという日本語の能力を育成することにより、社会において求められる論理的かつ多角的な理解力、柔軟な思考力を培う。また、文学的な文章の鑑賞を通して日本語の言語文化についての理解を深める。
授業の進め方・方法:
授業は教員からの講義と、学生同士のピア活動を並行して行う。主体的に取り組み、他者の意見を取り込むことで自らの思考を深めることを強く求める。提出した文章などを、授業内で公開することも往々にしてあるため、これを念頭に取り組むこと。また漢字テストは毎週行い、成績評価に含める。また、Blackboadにて資料提供を行う。
注意点:
試験の平均点の3割に満たない者については、成績不振者のための追試験を実施しない。
各授業項目および授業時間の配分は、学生の理解・習得の状況を確かめながら、変更することがあり得る。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス                随想『自己とは何か』(村上春樹) 学習目標や評価について理解できる。   筆者の論点を正確に捉え、要約できる。比喩の的確な理解ができる。
2週 随想『自己とは何か』(村上春樹)    評論『読む』(外山滋比古) 読解力を身に着ける。          論旨を的確に把握し、要約できる。
3週 評論『読む』(外山滋比古) 言語に内在された「不確定要素」の意味がきちんと理解できる。          全体の構成について理解できる。
4週 小説『山月記』(中島敦) 小説の構造をなす事項(時・場・人物・事件設定)や李徴の心理を的確に読み取ることで、李徴がどのような人物として描かれているか考える。
5週 小説『山月記』(中島敦) 作品における「月」の働きや効果を考える。「告白」という表現の持つ意味を考える。
6週 小説『山月記』(中島敦) 人間が虎になるという虚構をとおして、筆者が何を言おうとしたのかを考える。
7週 詩『永訣の朝』(宮沢賢治) 悲しみから「昇華」へと展開する内容を深く味わうことができる。言葉や表記についてもきちんと理解できる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 評論『イスラム感覚』(藤原新也) 内容を大まかに理解できる。タイトルの意味するところを理解できる。
10週 評論『イスラム感覚』(藤原新也) 筆者の主張と自分の経験とを照らし合わせ、言語と身体の関係性について考えを深める。
11週 随想『沙魚』(ドリアン助川) 「語りたくない」「語り継ぐべきだ」という二律背反した事項を理解できる。「沙魚」の象徴性についても理解できる。
12週 短歌『麦わら帽子のへこみ』(穂村弘) 韻文の持つ奥深さを理解できる。さらに、表現の妙味を味わうことができる。
13週 評論『霧の風景』(桑子敏雄) 前時に続き、韻文を学習する。『新古今和歌集』所収の和歌を吟味する。
14週 小説『こころ』(夏目漱石) 登場人物の言動からしっかりと内容を把握する。
15週 小説『こころ』(夏目漱石) 小説の時代背景や登場人物の心理を、言葉による描写に則して把握することができる。作品を多様な視点から鑑賞できる。
16週 前期定期試験
後期
3rdQ
1週 評論『暴力はどこからきたか』      (山極寿一) 内容をきちんと理解できる。やや長目の論説文であるが、要旨を読み取ることができたか。
2週 評論『暴力はどこからきたか』      (山極寿一) 本文を踏まえて、「現代社会や共同体とどのように関わっていけばいいのか」という問題に関する自己の見解も確立させる。
3週 評論『科学者とは何か』(村上陽一郎) 論点がどこにあるのかをしっかりと見極めることができる。「自然科学の現代的特徴」を理解した読みができる。
4週 評論『科学者とは何か』(村上陽一郎) 「環境問題が示唆していること」を読み取る。また、そこで要求されている「能力」とは何かについての結論を読み取る。
5週 小説『舞姫』(森鷗外) 擬古文をしっかりと読むことができる。
6週 小説『舞姫』(森鷗外) 構成を考えながら、全体の内容を理解する。主人公の置かれた状況を場面に応じて理解する。
7週 小説『舞姫』(森鷗外) 付属のコラムを用いながら、「舞姫」の世界を鑑賞する。さらに、時代考証も併せて行う。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 評論『木を伐る人』(赤坂憲雄) 「木を伐る」「木を植える」行為が象徴している事柄をしっかりと読み取る。
10週 評論『木を伐る人』(赤坂憲雄) 筆者の言う「知恵と技術と世界観」のそれぞれについて
11週 評論『ファッションの遊戯性』      (河野哲也) 筆者が示す様々な「ファッションに関する定義」についてきちんと整理できる。
12週 小説『バックストローク』(小川洋子) あらすじを理解することができる。
13週 小説『バックストローク』(小川洋子) 比喩表現を的確に理解することができる。 作品の鑑賞ができる。
14週 評論『市民社会化する家族』(今村仁司) 論点を明確にさせながら読解ができる。
15週 評論『市民社会化する家族』(今村仁司) 筆者が論及している社会問題について自分なりの見解を示すことができる。
16週 後期定期試験

評価割合

試験小テスト提出物合計
総合評価割合801010100
基礎的能力801010100
専門的能力0000