電子工学

科目基礎情報

学校 佐世保工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 電子工学
科目番号 0097 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材 基礎電子工学(森北出版 藤本 晶)
担当教員 川崎 仁晴

到達目標

量子力学の基礎を用いて半導体の電子挙動が解析ができる。
波動方程式を用いて半導体中の電子挙動が解析ができる。
PN接合ダイオードの定量的特性が解析ができる。
トランジスタ中の電子の動作が定量的に解析ができる。
簡単な半導体デバイスの設計ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1量子力学の基礎を用いて半導体の電子挙動が解析でき、波動方程式を用いて半導体中の電子挙動が解析ができる。量子力学の基礎を用いて半導体の電子挙動がおおまかに解析でき、波動方程式を用いて半導体中の電子挙動が解析がおおよそできる。量子力学の基礎を用いて半導体の電子挙動が解析できず、波動方程式を用いて半導体中の電子挙動が解析ができない。
評価項目2PN接合ダイオードおよびトランジスタ中の電子の動作が定量的に解析ができる。PN接合ダイオードおよびトランジスタ中の電子の動作が定量的に解析がおおよそできる。PN接合ダイオードおよびトランジスタ中の電子の動作が定量的に解析ができない。
評価項目3簡単な半導体デバイスの設計ができ、ICやLSIの製造方法が説明できる。簡単な半導体デバイスの設計がおおまかにでき、ICやLSIの製造方法がおおよそ説明できる。簡単な半導体デバイスの設計ができず、ICやLSIの製造方法が説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
真空中の電子挙動と,固体中の電子挙動の基礎を理解する。また,それを基にダイオードやトランジスタ、FETの定量的特性解析ができる.そのためには、3年生までに習った物理学、電磁気学の知識、および簡単な微分方程式の知識を必要とする。
授業の進め方・方法:
講義中心、例題の解析も行う。
事前・事後学習:この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習としてレポートやオンラインテストを実施することもある。
注意点:
電卓が試験時に必須である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電子の基本的性質について説明する。 電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。
2週 半導体の種類と電気的な性質を定性的に説明する。 エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。
3週 原子モデル、電子の粒子性と波動性、ボーアの量子条件について説明する。 原子の構造を説明できる。
4週 シュレーディンガーの波動方程式を導き、波動関数の意味を説明。 シュレーディンガーの波動方程式をを理解し、原子の電子配置を説明できる。
5週 ゾンマーフェルト、クローニヒペニーのモデルのモデルから半導体のエネルギー帯構造を導く。 結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解する。
6週 真性半導体、不純物半導体の構造を説明する。 真性半導体と不純物半導体を説明できる。
7週 分布関数と状態密度関数について説明する。 半導体の電子やキャリアの挙動を説明できる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 試験の返却・解答,不純物半導体の電子密度と正孔密度について説明する。 不純物半導体の電子密度と正孔密度が説明できる。
10週 半導体中のキャリアの寿命について説明する 半導体中のキャリアの寿命について説明できる。
11週 拡散方程式をもとに半導体中の電子やイオンの挙動を説明する 拡散方程式が説明できる
12週 PN接合の物理的な現象をバンドモデルを用いて説明する。その1 pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる1。
13週 PN接合の電流電圧特性を説明する pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる2。
14週 FETの動作原理を簡単に説明する。 電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。
15週 半導体集積回路の作製技術の内、いくつかを説明する。 半導体集積回路の作製技術の内、いくつかを説明する。
16週 期末試験

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力400000040
専門的能力400000040
分野横断的能力200000020