科目基礎情報

学校 佐世保工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 国語
科目番号 0002 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 電子制御工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 前期:3 後期:3
教科書/教材 高等学校 改訂版 国語総合(第一学習社)/常用漢字オールクリア <四訂版>(尚文出版)
担当教員 田﨑 弘章

到達目標

1.評論文を読み、論理の構成や展開の把握にもとづいて論旨を客観的に理解することができる。
2.近代の小説を読み、人物・情景・心情の描写ならびに描写意図などを理解することができる。
3.文章を客観的に理解し、人間・社会・自然などについて考えを深め、広げることができる。
4.語句の意味、常用漢字、ことわざ、慣用句などの基礎知識についての理解を深め、その特徴を認識することができる。
5.代表的な古文・漢文を読み、言葉や表現方法の特徴をふまえて人物・情景などを理解し、人間・社会・自然などについて考えを深め、広げることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1高校1年生相応の漢字熟語や慣用表現等の語彙を習得し、正確に表記、使用できる。習得している語彙が高校1年生相応には不足しているが、身につけようとする意識が高い。習得している語彙が高校1年生相応に達しておらず、身につけようとする意識も乏しい。
評価項目2比喩的、象徴的な表現に込められた含意を理解し、文学作品を鑑賞できる。比喩的、象徴的な表現に込められた含意の理解に関心があり、文学作品を鑑賞できる。比喩的、象徴的な表現に込められた含意の理解に関心がなく、文学作品を鑑賞できない。
評価項目3文語文法、漢文訓読の基礎を習得し、初歩的な古典教材を読解、鑑賞することができる。文語文法、漢文訓読の基礎の習得に努め、初歩的な古典教材の内容を理解することができる。文語文法、漢文訓読の基礎を習得できず、初歩的な古典教材の内容についても理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
近現代の優れた文学作品を味読・鑑賞し、比喩的、象徴的な表現に込められた含意を汲み取り、日本語による表現の可能性を探る。現代評論、中でも科学技術に関する評論を読み、論旨を正確に理解し、工業高等専門学校で学ぶ知識、技術を社会的な文脈に位置づける。現代文の読解を通じて、自らが使用できる日本語の語彙・表現を増やし、漢字熟語の読み書きを正確なものとする。文学作品の読解、現代評論の理解については、口頭での発表や意見交換(討論)、感想文等の提出を求め、正確さ、深度について確認を行う。また、古文・漢文の読解の基礎を習得し、入門的な古典教材の読解を通じて、我が国が長い歴史の中で育んできた文化、美意識、価値観、倫理観等を学ぶ。
授業の進め方・方法:
原則として週に1回、授業の開始時に漢字熟語・慣用句等の小テストを実施する。その後、座学形式で教材文の読解を進めていく。適宜、発問をし回答を求める。学生は教科書、補助教材に加えて、ノート、辞書(電子辞書可)を準備して授業に臨むこと。
注意点:
漢字・慣用句等の小テストは、成績評価に10%分加味する。また、感想文等の提出物は成績評価に10%分加味する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
清水眞砂子『驚くという才能』
授業の概要や到達目標、評価方法・基準などを理解できる。
現代文の効果的学習法を知る。
2週 随想を読み、構成や展開をとらえ、要旨をまとめる。
3週 福岡伸一『世界は常に更新されている』 論理的な文章を読み、筆者が提起する新しい考え方を理解し、要約することができる。
4週 古文入門(歴史的仮名遣い・品詞の種類・用言・「いろは歌」) 古文学習の意義を知る。歴史的仮名遣い等、古文の特徴を知る。。
5週
品詞の分類・用言の活用について理解できる。
6週 『宇治拾遺物語』(『児のそら寝』『絵仏師良秀』) 基本的な古語の意味を理解し、口語訳ができる。
7週 古文に親しみを持ち、話のおもしろさを理解する。
8週 中間試験
2ndQ
9週 芥川龍之介『羅生門』 小説の基本的な読解方法を習得する。登場人物の性格・心理・行動を的確に読み取る。
10週 近代の代表的な小説を読んで、短編小説についての理解を深め、小説のおもしろさを味わう。芥川龍之介に対する理解を深める。
11週 古典文法(主要な助詞・助動詞)
『伊勢物語』
歌物語を読んで、古文に親しむ。話の構成や展開を把握し、登場人物の行動や心情を読み味わう。
12週 和歌を味読し、修辞技巧を理解する。助詞・助動詞について理解し、口語訳に生かす。
13週 古典文法(主要な助詞・助動詞)
『土佐日記』
日記を読んで、人間・社会などに対する作者の思想や感情を読み取る。助詞・助動詞について理解し、口語訳に生かす。
14週 林京子『空き缶』 登場人物の心理の動きを的確に読み取る。
15週 戦争や長崎原爆を題材とした小説を読み、戦争や原爆について理解を深める。
16週 定期試験
後期
3rdQ
1週 内田樹『交換は愉しい』 評論的な随想の読解方法を習得する。交換が果たしている役割を読み取り、コミュニケーションの本質について考える契機とする。
2週 池内了『「文化」としての科学』 全体の構成を把握し、論の展開に即して正確に内容を読み取る。
3週 科学という現代的なテーマに触れて、多角的なものの見方や考え方を身につける。
4週 古典文法(用言の活用と助詞・助動詞の接続)
『百人一首』
古文における用言の活用と助詞・助動詞の接続について、基礎的な文法を理解できる。
5週 『万葉集』『古今和歌集』『新古今和歌集』 三大歌集中の秀歌を鑑賞し、和歌によまれた思想・感情・情景を読み取る。
6週 和歌の修辞技巧や三大歌集それぞれの時代の表現上の特色を理解する。
7週 俵万智『古典の和歌を現代の言葉で書き換える』 古典を現代の言葉で書き換えることで、伝統的な言語文化への興味・関心を広げる。
8週 中間試験
4thQ
9週 漢文の学習・漢文入門 漢文学習の意義を学び、漢文訓読のきまりを知る。
10週 入門期教材(故事成語)
漢文の基本的な句法を学ぶ。平易な短い文章を読み、漢文の内容を理解する。
11週 漢文訓読の基礎

故事成語のもとになった話の内容を捉えたうえで、故事成語の現在使われている意味について理解する。
12週 論語 訓点に従って漢文を書き下し文に改め、意味を理解する。
13週 「論語」にみられる思想・文化を理解する。
14週 「論語」にみられる思想・文化を理解する。
15週 年間学習のまとめ(日本語の歴史と読書の意義) 年間を通じて学んだことを総括し、日本語の歴史と読書の意義を再確認する。
16週 定期試験

評価割合

試験小テストレポート・提出物態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合801010000100
基礎的能力801010000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000