基礎電気工学

科目基礎情報

学校 佐世保工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 基礎電気工学
科目番号 0008 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 電気基礎(コロナ社)
担当教員 唐沢 俊一

到達目標

1.直流回路について、オームの法則やキルヒホッフの法則/原理などについて説明/計算ができる。(A3)
2.電流と磁気について、磁界、電流による磁界、電磁力、磁気回路と磁性体について説明/計算ができる。(A3)
3.電磁誘導についてファラデー/レンツの法則、フレミングの右手の法則、誘導起電力について説明/計算ができる。(A3)
4.インダクタンスの基礎として自己インダクタンス、相互インダクタンス、直列接続、電磁結合、変圧器、コイルに蓄えられる電磁エネルギーなどについて説明/計算ができる。A3

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
原子と自由電子、電荷、電流、電圧の理解。。説明ができる。電荷・電流・時間の関係式も導出ができる。一部できる。できない。
オームの法則、電流、電圧、抵抗の関係の理解。オームの法則の説明、電流・電圧・抵抗を計算できる。並列/直列などの単純な回路の計算はできる。説明も計算もできない。
直流回路の合成抵抗の理解。複雑な直並列回路の計算やブリッジの平衡条件が計算ができる。部分的な説明および計算ができる。単純な回路の計算もできない。
直流電圧計の直列抵抗器と倍率、および直流電流計の分流器と倍率の関係の理解。説明ができ、倍率の式の導出もできる。部分的な悦明や一部の計算はできる。部分的な説明や計算ですらできない。
キルヒホッフの法則の理解と応用。キルヒホッフの法則を用いて複雑な回路網の電流、電圧を計算できる。第一法則および第二法則の式は立てられるが計算できない。できない。
抵抗値、抵抗率の理解。抵抗率、導体の長さ、断面積から抵抗値を計算できる。部分的にできる。できない。
導体の抵抗温度係数の理解。温度上昇と抵抗値の関係を説明でき、抵抗温度係数の式の導出ができる。部分的にできる。できない。
電力、電力量、ジュールの法則の理解。電流の作用について説明、計算ができる。部分的にできる。できない。
電池の原理、種類の理解。電池の内部抵抗、種類、使い方について説明ができる。部分的にできる。できない。
磁界、磁石、磁気力、クーロンの法則、磁界の強さ、磁力線の理解。磁界について理解し、説明、計算ができる。部分的にできる。できない。
アンペア右ねじの法則、ビオサバールの法則、アンペア周回路の法則、磁界の大きさの求め方の理解。電流による磁界について理解し、説明、計算ができる。部分的にできる。できない。
フレミング左手の法則、平行電流間の力、コイルに働くトルク、直流電動機の原理の理解。説明、計算ができる。部分的にできる。できない。
磁気回路と磁性体の理解。磁化曲線、ヒステリシス曲線について理解し、説明ができる。部分的にできる。できない。
電磁誘導の理解。ファラデー/レンツの法則、フレミング右手の法則の理解、誘導起電力の計算、直流発電機の原理など電磁誘導に関する理解。各法則の説明、および誘導起電力の計算ができる。部分的にできる。できない。
インダクタンスの基礎についての理解。自己インダクタンス、環状/円筒コイルの自己インダクタンス、相互インダクタンス、電磁結合、変圧器、コイルに蓄えられるエネルギーについて理解し説明、計算ができる。部分的にできる。できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
・電気工学の基本である、電流、電圧、電荷について学ぶ。
・複雑な直流回路の計算ができるようにオームの法則、キルヒホッフの法則を学ぶ。
・電力、電力量、ジュールの法則などについて学ぶ。
・磁界、磁力、電流の及ぼす作用について学習する。ビオサバール、アンペール、フレミング左手/右手の法則などを学ぶ。
・誘導起電力、ファラデーの法則、レンツの法則、フレミングの右手の法則などについて学ぶ。
・自己/相互インダクタンスについて学ぶ。
授業の進め方・方法:
予備知識:中学校で習った理科・数学に関する知識を整理・復習しておく。
講義室:1S教室
授業形式:教科書に沿って説明するが、演習を実施し学生の理解度を確認しつつ進める。
注意点:
評価方法:4回の試験を70%,演習・課題等を30%で評価し,60点以上を合格とする
自己学習の指針:毎回の授業で自習課題を課すので、自分で解けるようにすること。試験時には、例題及び自習課題を理解できていること。
オフィスアワー:唐沢(水曜日16:00~17:00、金曜日16:00~17:00)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション(講義の概要、進め方等)、電気回路 授業の進め方、電気回路について理解する。
2週 電流、電圧、抵抗 原子の構造、電荷と電流、電圧を説明できる。電子の電荷量や質量などの基本性質も説明できる。
3週 オームの法則 オームの法則について説明ができ、電流・電圧・抵抗の計算ができる。
4週 抵抗の接続のしかた 直列接続、並列接続について理解し、
合成抵抗を計算できること、およびや分圧・分流を直流回路の計算に用いることができる。
5週 直列回路 直列接続の合成抵抗を計算できること、およびや分圧・分流を回路の計算に用いることができる。
6週 並列回路 並列接続の合成抵抗を計算でき、および分圧・分流を回路の計算に用いることができる。
7週 直並列回路 合成抵抗や分圧・分流の考え方を説明でき、複雑な直並列回路の計算に用いることができる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 中間試験解答 中間試験の再現演習を行い、全ての問題が解けるようにする。
10週 直流電圧計の直列抵抗器 指示計器について、その動作原理や、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について理解している。
11週 直流電流計の分流器 指示計器について、その動作原理、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について理解している。
12週 ブリッジ回路 ブリッジ回路を計算し、平衡条件を求められる。
13週 キルヒホッフの法則 キルヒホッフの法則を説明し、直流回路の計算に用いることができる
14週 抵抗率、導体、半導体、不導体 金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。
15週 抵抗率、導電率、導体の抵抗温度係数 金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。真性半導体と不純物半導体について説明できる。
16週 電力、電力量 電力量と電力を説明し、これらを計算できる。
後期
3rdQ
1週 ジュールの法則、許容電流、電気分解 ジュールの法則やジュール熱を説明し、電気エネルギ―を熱エネルギーに変換できる。
2週 電池(内部抵抗、種類、熱と起電力) 電池の原理、種類、ゼーベック効果、ペルチェ効果についても悦明ができる。
3週 磁界(磁石と電磁力、クーロンの法則、磁力線、磁束密度等) 磁力・磁界・クーロンの法則をについて説明ができ、点電荷に働く力等を計算できる。
4週 アンペアの右ねじの法則、ビオ・サバールの法則 アンペアの右ねじの法則を理解し、電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて説明でき、簡単な磁界の計算に用いることができる。
5週 アンペアの周回路の法則、磁界の大きさの求め方 電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて説明でき、簡単な磁界の計算に用いることができる。
6週 フレミングの左手の法則、平行電流間に働く力 電流が作る磁界をビオ・サバールの法則およびアンペールの法則を用いて説明でき、簡単な磁界の計算に用いることができる。
7週 後期中間試験
8週 後期中間試験解答 中間試験の再現演習を行い、全ての問題が解けるようにする。
4thQ
9週 コイルに働くトルク、直流電動機の原理 フレミング左手の法則を理解し、磁界からコイルが受けるトルクを計算できる。
10週 磁気回路と磁性体 磁性体と磁化、及び、磁束密度を説明できる。
11週 ファラデーの法則、レンツの法則、フレミングの右手の法則 ファラデーの法則、レンツの法則、フレミングの右手の法則より誘導起電力について説明ができる。
12週 誘導起電力の大きさ、直流発電機の原理 ファラデーの法則、レンツの法則、フレミングの右手の法則を用いて、誘導起電力を計算できる。
13週 自己インダクタンス、環状/円筒コイルの自己インダクタンス 電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。
14週 相互インダクタンス、電磁結合 電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。自己誘導と相互誘導を説明でき、自己インダクタンス及び相互インダクタンスに関する計算ができる。
15週 インダクタンスの直列接続、変圧器 自己誘導と相互誘導を説明でき、自己インインダクタンス及び相互インダクタンスに関する計算ができる。
16週 コイルに蓄えられる電磁エネルギー、まとめ コイルに蓄えられる磁気エネルギーについて説明でき、磁気エネルギーを計算できる。

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他課題・演習合計
総合評価割合700000030100
基礎的能力700000030100
専門的能力00000000
分野横断的能力00000000