科目基礎情報

学校 佐世保工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 国語
科目番号 0056 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 現代文B(三省堂)
担当教員 大坪 舞

到達目標

1.論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。
2.論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。
3.文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。
4.常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。
5.類義語・対義語を思考や表現に活用できる。
6.社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。
7.専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目118歳(選挙権年齢)相応の漢字熟語や慣用表現等の語彙を習得し、正確に表記、使用できる。習得している語彙が18歳(選挙権年齢)相応には不足しているが、身につけようとする意識が高い。習得している語彙が18歳(選挙権年齢)相応に達しておらず、身につけようとする意識も乏しい。
評価項目2比喩的、象徴的な表現に込められた含意を理解し、文学作品を鑑賞できる。比喩的、象徴的な表現に込められた含意の理解に関心があり、文学作品を鑑賞できる。比喩的、象徴的な表現に込められた含意の理解に関心がなく、文学作品を鑑賞できない。
評価項目3現代評論の論旨を、身近で具体的な問題と関連付けて、正確に理解できる。現代評論の論旨を、身近で具体的な問題と関連付ける意識を持ち、理解できる。現代評論の論旨を、身近で具体的な問題と関連付けることに関心がなく、理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
読む・考えるという日本語の能力を育成することにより、社会において求められる論理的かつ多角的な理解力、柔軟な思考力を培う。また、文学的な文章の鑑賞を通して日本語の言語文化についての理解を深める。
授業の進め方・方法:
授業は教員からの講義と、学生同士のピア活動を並行して行う。主体的に取り組み、他者の意見を取り込むことで自らの思考を深めることを強く求める。提出した文章などを、授業内で公開することも往々にしてあるため、これを念頭に取り組むこと。また漢字テストは毎週行い、成績評価に含める。また、Blackboadにて資料提供を行う。
注意点:
試験の平均点の3割に満たない者については、成績不振者のための追試験を実施しない。
各授業項目および授業時間の配分は、学生の理解・習得の状況を確かめながら、変更することがあり得る。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
随想「大人への丸太 たじろがず渡ってみよう」(姜 尚中)
学習目標および評価などを理解できる。
筆者が十七歳の時に感じた苦悩を読み取り、そこから芥川龍之介の言葉に出会い、人生についてどのように考えるにいたったかを理解できる。
2週 評論「わからない絵の魅力」(岡本太郎) モダンアートにおける「純粋」の意味に留意して本文を読む。
3週 評論「わからない絵の魅力」(岡本太郎) 「アプストラクト」「スュールレアリスム」それぞれの特徴を整理し、これらの具体例を通して筆者が主張していることをつかむ。
4週 小説「山月記」中島敦 小説の構造をなす事項(時・場・人物・事件設定)や李徴の心理を的確に読み取ることで、李徴がどのような人物として描かれているか考える。
5週 小説「山月記」中島敦 小説の構造をなす事項(時・場・人物・事件設定)や李徴の心理を的確に読み取ることで、李徴がどのような人物として描かれているか考える。
6週 小説「山月記」中島敦 人間が虎になるという虚構をとおして、筆者が何を言おうとしたのかを考える。
7週 小説「山月記」中島敦 人間が虎になるという虚構をとおして、筆者が何を言おうとしたのかを考える。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 評論「意味と身体」内田 樹 言語習得における身体運動の重要性や、言語と身体実感との緊密な関係性を理解する。
10週 評論「意味と身体」内田 樹 筆者の主張と自分の経験とを照らし合わせ、言語と身体の関係性について考えを深める。
11週 評論「ことばの学習が科学的思考の基礎となる」今井むつみ 「カテゴリー」「アナロジー」「システム」などの概念の意味を整理しながら本文を読む。
12週 評論「ことばの学習が科学的思考の基礎となる」今井むつみ 科学的発見のプロセスと言語学習のプロセスの共通性について認識を深め、筆者の主張を読み取る。
13週 評論「ことばの学習が科学的思考の基礎となる」今井むつみ 科学的発見のプロセスと言語学習のプロセスの共通性について認識を深め、筆者の主張を読み取る。
14週 小説「アルプスの少女」石川 淳 この作品が『アルプスの少女ハイジ』とどのような関係にあるのかを考える。
15週 小説「アルプスの少女」石川 淳 「山の下の世界」と「山の上の世界」は、それぞれどのような意味をもっているのかを考える。
16週 前期定期試験
後期
3rdQ
1週 小説「こころ」夏目漱石 明治という時代の制度や理念などを調べ、登場人物の行動を読み取るなかから、人間の精神のあり方について考える。
2週 小説「こころ」夏目漱石 明治という時代の制度や理念などを調べ、登場人物の行動を読み取るなかから、人間の精神のあり方について考える。
3週 小説「こころ」夏目漱石 明治という時代の制度や理念などを調べ、登場人物の行動を読み取るなかから、人間の精神のあり方について考える。
4週 小説「こころ」夏目漱石 小説の時代背景や登場人物の心理を、言葉による描写に則して把握することができる。作品を多様な視点から解釈、鑑賞することができる。本文中に使用されている語句(漢字熟語、外来語、慣用句等)の意味を理解し、自らの表現においても使用できる。
5週 小説「こころ」夏目漱石 小説の時代背景や登場人物の心理を、言葉による描写に則して把握することができる。作品を多様な視点から解釈、鑑賞することができる。本文中に使用されている語句(漢字熟語、外来語、慣用句等)の意味を理解し、自らの表現においても使用できる。
6週 評論「戦いの本質とは何」山極寿一 人間が戦う動機がアイデンティティのあり方にあるという筆者の主張を読み取る。
7週 評論「戦いの本質とは何」山極寿一 筆者の主張をふまえて社会の構造を捉え直し、現代の「ボーダーレス社会」を生きぬく秘訣について考える。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 小説「美神」三島由紀夫 作品を読み味わい、作者の知的で精緻な文体の特徴について理解する。
10週 小説「美神」三島由紀夫 像が二・一七メートルであったのはなぜかを多角的に考えることを通じて、作者の美についての観念がいかなるものであるか、考察を深める。
11週 評論 「陰翳礼讃」谷崎潤一郎 筆者の独特な感覚を示す表現をまとめ、「闇」や「陰翳」のはたらきについて考える。
12週 評論 「陰翳礼讃」谷崎潤一郎 筆者の美意識についてまとめ、日本の伝統的美意識について考える。
13週 評論「〈私〉はどこへ行く?」黒崎政男 現代社会がデジタル・テクノロジーによる監視社会になっていることを理解する。
14週 評論「〈私〉はどこへ行く?」黒崎政男 現代社会がデジタル・テクノロジーによる監視社会になっていることを理解する。
15週 評論「〈私〉はどこへ行く?」黒崎政男 デジタル・テクノロジーの発達によって、「私」の捉え方がどう変化しつつあるのかを理解する。
16週 後期定期試験

評価割合

試験小テスト提出物合計
総合評価割合801010100
基礎的能力801010100
専門的能力0000