一般物理

科目基礎情報

学校 佐世保工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 一般物理
科目番号 0061 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 物理学基礎(原康夫 学術図書出版)
担当教員 大隅 秀晃

到達目標

1.振動・波動の現象を正しく理解し、物理的意味を説明できる。(A1)
2.多体系の運動(剛体の回転運動を含む)を正しく理解できる。(A1)
3.熱力学の基本法則を正しく理解し、物理的意味を説明できる。(A1)
4.現代物理学(量子論や相対性理論)の基礎を理解し、その物理的意味を説明できる。(A1)
5.ミクロの世界(原子核.素粒子など)についての基本的な事を理解しその意味を説明できる。(A1)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 達成目標1振動・波動の現象を正しく理解し、その物理的意味を理解できる。振動・波動の現象を概ね正しく理解し、その物理的意味を理解することがある程度できる。振動・波動の現象を理解することができない。またその物理的意味を理解することができない。
評価項目2 達成目標2多体系の運動(剛体の回転運動を含む)を正しく理解できる。多体系の運動(剛体の回転運動を含む)をある程度正しく理解できる。多体系の運動(剛体の回転運動を含む)を理解できない。
評価項目3 達成目標3熱力学の基本法則を正しく理解し、物理的意味を十分に説明できる。熱力学の基本法則を概ね理解し、物理的意味を概ね説明できる。熱力学の基本法則を正しく理解できず、物理的意味を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
振動・波動では、基本的な概念と運動方程式,波動方程式の導出、光では、屈折,干渉の物理的意味、熱では、熱力学の第1法則,第2法則,微視的なとらえ方を授業する。後半は現代物理学の初歩(相対性理論,量子論,シュレディンガー方程式,放射線)に触れる。
授業の進め方・方法:
予備知識:2,3年次の「物理」における「波動」「熱と気体分子運動論」「原子」に関する知識の整理・復習
および、4年次の一般物理における物理的な考え方,解への到達方法の整理・復習
講義室:教室
授業形式:講義と演習
学生が用意するもの:ノート、必要に応じて電卓
注意点:
評価方法・評価基準:中間・定期試験により評価し、60点以上を合格とする。
自己学習の指針:予習・復習・授業時に提示する問題を独力で取り組むこと.試験前には,ノートの内容や演習問題を十分に理解すること.これらの自己学習時間は,半期で15時間以上を確保することが望ましい.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 質点の運動から、2体系、多体系および剛体の運動へ 多体系内部の相対運動、剛体の回転運動に潜むエネルギーや角運動量の存在が理解できる
2週 剛体の回転運動と慣性モーメント 剛体の回転運動に伴うエネルギーや角運動量と慣性モーメントの関係が理解できる
3週 様々な形状の剛体についての慣性モーメント 様々な形状の剛体に関する慣性モーメントに関する計算ができる
4週 物理学におけるさまざまな振動について 単振動に関する運動方程式と類似の方程式に支配されている物理現象が多く存在することを理解する
5週 抵抗や外力が働く場合の振動について 減衰運動や強制振動について理解する
6週 二つ以上の振動が結合する場合について 連成振動などを理解し、次のステップの弦の振動などの解析にもつながることを理解する
7週 演習 これまで学習したことを、問題に応用して解くことが出来る
8週 中間試験
2ndQ
9週 弦の振動について 波動に関する方程式の理解の第一歩として弦の振動を理解することができる
10週 固体を伝わる縦振動について 波動に関する方程式の第二例として固体を伝わる縦振動について理解するができる
11週 波動に関する方程式とその解のふるまい 波動に関する方程式およびその解のふるまいについて理解することができる
12週 熱と温度 温度の概念を理解できる
13週 熱と内部エネルギー(熱力学の第1法則) 熱と内部エネルギーの関係について理解できる
14週 熱容量と比熱 定積比熱と定圧比熱を理解できる
15週 演習 これまで学習したことを、問題に応用して解くことが出来る
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 熱機関と仕事(熱力学の第二法則) 熱と仕事の関係や熱力学第二法則について理解することができる
2週 理想気体の状態方程式 理想気体の内部エネルギーについて理解ができる
3週 エントロピーの物理的意味 エントロピーの物理的意味を理解する
4週 熱力学関数について 熱力学の拡張と応用に有用な様々な熱力学関数を理解する
5週 気体分子運動論について 気体分子運動論と熱力学の関係を理解する
6週 ボルツマン定数を理解する ボルツマン定数の物理的な意味が理解できる
7週 演習 これまで学習したことを、問題に応用して解くことが出来る
8週 中間試験
4thQ
9週 ガリレイ変換からローレンツ変換へ 特殊相対性理論の基礎となるローレンツ変換が理解できる
10週 光と電子について 光の粒子性や電子の波動性などについて理解を深める
11週 量子論の世界(物質と電子) 量子論の世界について理解を深める
12週 物質と電子 原子構造と周期律について理解を深める
13週 原子核と放射線 原子核や原子力エネルギー、放射線についての理解を深める
14週 素粒子と宇宙 現代科学の最先端の素粒子や宇宙の話題に興味をもつことができる
15週 演習 これまで学習したことを、問題に応用して解くことが出来る
16週 後期末試験

評価割合

試験発表相互評価態度レポート合計
総合評価割合1000000100
基礎的能力00000
専門的能力100000100
分野横断的能力00000