システム・プログラム論

科目基礎情報

学校 佐世保工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 システム・プログラム論
科目番号 0065 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 Linuxシステムプログラミング(羽山 博 オーム社)
担当教員 寺山 康教

到達目標

1.五大装置それぞれの役割とこれらの間でのデータの流れとプロセッサ、メモリ、入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。
2.コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて理解している。
3.オペレーティングシステムの位置づけとプロセス管理機能や記憶管理機能など備えるべき機能を説明できる。
4.並行プロセスの動作、競合状態とその回避、セマフォ、デッドロックを説明できる。
5.ファイルシステムおよびネットワークとセキュリティについて説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 (到達目標1、2)コンピュータにおける5大装置とそれぞれの役割とそこに使われているさまざまなアーキテクチャの違いを説明でき、システムにおけるアーキテクチャのトレードオフを具体的に説明できる。コンピュータにおける5大装置とそれぞれの役割を説明でき、システムにおけるアーキテクチャのトレードオフを説明できる。コンピュータにおける5大装置とそれぞれの役割を説明できず、システムにおけるアーキテクチャのトレードオフについて知らない。
評価項目2 (到達目標3、4)さまざまなOSの特徴を知り、OSの持つ基本的機能とくにマルチタスクOSの動作についてシステムコールを用いてシステムプログラムを組んで動作させることができる。並行プロセスにおける問題点を知り、セマフォによる安全な並行プロセスのシステムプログラムを組んで動作させることができ、デッドロックについてその回避方法を説明できる。さまざまなOSの名前を知っており、OSの持つ基本的機能とくにマルチタスクOSの動作についてシステムコールを用いてシステムプログラムを動作させることができる。並行プロセスにおける問題点を知り、セマフォによる安全な並行プロセスを実行できデッドロックについて説明できる。OSの持つ基本的機能を知らず、マルチタスクOSについて並行プロセスの動作を説明できない。並行プロセスにおける問題点を知らず、セマフォ、デッドロックを説明できない。
評価項目3 (到達目標5)ネットワークで結合されたコンピュータシステムについて基本的な知識、技術を知りアーキテクチャのトレードオフを説明できる。現在のコンピュータおよびネットワークにおいて発生または発生するであろうセキュリティ問題について事例と対処法を考察、説明できる。ネットワークで結合されたコンピュータシステムについて基本的な知識を知り説明できる。コンピュータおよびネットワークにおけるセキュリティについて事例と対処法を説明できる。ネットワークで結合されたコンピュータシステムについて基本的な用語、技術を説明できない。コンピュータおよびネットワークにおけるセキュリティについて基本的対処法を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
情報処理技術の根幹をなすオペレーティングシステムの基本動作およびコンピュータの様々なハードウェアの理解と、特にUnix系システムでの並行処理プログラムの基本的動作およびネットワーク技術の基本知識に関して講義する。
授業の進め方・方法:
予備知識:Unix系OSの作成言語であるC言語等の知識を中心として、Unix系OSの基本コマンドとツールの使用方法を理解しておく。
講義室:情報処理センター第1演習室
授業形式:講義と実習
学生が用意するもの:教科書、ノート、記憶媒体(usbメモリ等)
注意点:
評価方法:中間・定期試験の試験の得点を平均して評価し,60点以上を合格とする。
自己学習の方針:コンピュータ、ネットワーク技術の現状と教科書のシステムプログラム例の挙動を自己学習し、講義中の内容と演習内容について理解すること。
オフィスアワー:なし
※到達目標の( )内の記号はJABEE学習・教育到達目標                  

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 コンピュータとその周辺機器の現状 五大装置それぞれの役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる
2週 OSの基本動作の概要 コンピュータシステムにおけるオペレーティングシステムの位置づけを説明できる
3週 CPU、メモリ、グラフィックカード、マザーボード、バス等の現状 プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる
4週 メモリおよび補助記憶装置の現状 メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる
5週 周辺機器その他、入力装置、出力装置、ネットワーク機器の現状 入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる
6週 コンピューターシステムとアーキテクチャ コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて理解している
7週 システム構築と仕様 システムの構築と必要な仕様を考慮したシステム設計が理解できる
8週 中間試験
2ndQ
9週 プロセスの概念、Unix系OSの管理機能 プロセス管理機能や記憶管理機能などオペレーティングシステムが備えるべき機能を説明できる
10週 プロセスの生成、動作としくみ、システムコール プロセスの生成、動作としくみ、システムコールが説明できる
11週 ゾンビプロセス、シェル ゾンビプロセス、シェルについて挙動を説明できる
12週 Unix系OSのファイルシステム、パーティション ファイルシステム、パーティションを説明できる
13週 ファイル情報 ファイル情報管理について説明できる
14週 マウントとリンク マウントとリンクについて説明できる
15週 他OSとの共通点と相違 他OSとの共通点と相違を理解できる
16週
後期
3rdQ
1週 低水準入出力、高水準入出力 低水準入出力、高水準入出力について違いを説明できる
2週 複数プロセスによるファイル共有 複数プロセスによるファイル共有について問題点を理解できる
3週 競合状態、危険領域と相互排除 競合状態、危険領域と相互排除を説明できる
4週 共有メモリ、メッセージ 共有メモリ、メッセージについて説明できる
5週 共有メモリ、メッセージにおける競合状態 共有メモリ、メッセージにおける競合状態の発生と問題点を理解できる
6週 セマフォの役割 競合状態の回避とセマフォの役割について説明できる
7週 プロセス、リソースを考えたセマフォの必要性 プロセス、リソースを考えたセマフォの必要性を理解できる
8週 中間試験
4thQ
9週 デッドロック デッドロックを説明できる
10週 シグナル シグナルについて説明できる
11週 端末制御 端末制御について説明できる
12週 サーバとクライアント サーバとクライアントの相互関係を理解できる
13週 ソケットとネットワーク ソケットとネットワークプログラミングについて理解できる
14週 コンピュータにおけるセキュリティ コンピュータにおけるセキュリティについて様々な方法を理解できる
15週 ネットワークとセキュリティ ネットワークとセキュリティについて様々な方法を理解できる
16週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100