数学特論

科目基礎情報

学校 佐世保工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 数学特論
科目番号 0089 科目区分 一般 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材
担当教員 山口 由佳

到達目標

1.微積分学の基本的な定理を理解し、定理を用いて数列や関数の性質を調べることができる (A1)
2.ガンマ関数の基本的な性質および公式の導出方法を理解し、定積分の計算や表示に利用できる (A1)
3.ベータ関数の基本的な性質および公式の導出方法を理解し、定積分の計算や表示に利用できる (A1)
4.ガウスの超幾何微分方程式の基本的な性質を理解し、その解を求めることができる (A1)
5.ガウスの超幾何関数の基本的な性質および公式の導出方法を理解し、数の近似計算や無限級数表示ができる (A1)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1微積分学の基本的な定理を理解し、説明できる微積分学の基本的な定理を用いて数列や関数の性質を調べることができる微積分学の基本的な定理を用いて数列や関数の性質を調べることができない
評価項目2ガンマ関数の基本的な性質および公式の導出方法を理解し、説明できるガンマ関数の基本的な性質および公式を定積分の計算や表示に利用できるガンマ関数の基本的な性質および公式を定積分の計算や表示に利用できない
評価項目3ベータ関数の基本的な性質および公式の導出方法を理解し、説明できるベータ関数の基本的な性質および公式を定積分の計算や表示に利用できるベータ関数の基本的な性質および公式を定積分の計算や表示に利用できない
評価項目4ガウスの超幾何微分方程式の基本的な性質を理解し、説明できるガウスの超幾何微分方程式の解を求めることができるガウスの超幾何微分方程式の解を求めることができない
評価項目5ガウスの超幾何関数の基本的な性質および公式の導出方法を理解し、説明できるガウスの超幾何関数の基本的な性質および公式を数の近似計算や無限級数表示に利用できるガウスの超幾何関数の基本的な性質および公式を数の近似計算や無限級数表示に利用できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-1 説明 閉じる
JABEE c 説明 閉じる

教育方法等

概要:
工学上の問題へのアプローチに非常に有効な手段を提供する特殊関数について学ぶ。
授業の進め方・方法:
予備知識: 3年生までに学習した微積分と微分方程式の内容
講義室: 専攻科棟4Fゼミ室
授業形式: 講義と演習
学生が用意するもの: 講義用ノートと配布資料保管用ファイル(A4サイズ)
注意点:
評価方法: 授業中の演習課題を50%(A1)、年2回の定期試験を50%(A1)で評価し、60点以上を合格とする。
自己学習の指針: 授業中に出題する課題を自力で解けるようにしておくこと。
         講義ノート、配布資料の内容が理解できている状態にしておくこと。
オフィスアワー: 授業担当者が明示する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 初等関数の復習 初等関数の性質を述べることができる
2週 実数の性質 実数の性質を理解している
3週 数列の収束 イプシロン-デルタ論法を理解し、数列の収束を判定できる
4週 べき級数の収束 絶対収束、条件収束の意味を理解し、べき級数の収束半径を求めることができる
5週 一様収束 一様収束の意味を理解している
6週 無限積の収束 無限積の収束の意味を理解し、無限積の収束を判定できる
7週 広義積分 広義積分の意味を理解し、簡単な広義積分の計算ができる
8週 演習 これまでの学習内容に関する問題が解ける
2ndQ
9週 ガンマ関数の定義 オイラー積分によるガンマ関数の定義式を通して、ガンマ関数が正整数の階乗の概念の拡張であることを理解している
10週 ガンマ関数の特徴付け 凸関数の意味を理解し、ガンマ関数の特徴付けができる
11週 ガンマ関数の有用な公式(1) ガウスの積公式 ガウスの積公式の導出方法を理解している
12週 ガンマ関数の有用な公式(2) スターリングの公式とガウスの乗法公式 スターリングの公式とガウスの乗法公式の導出方法を理解している
13週 ガンマ関数の有用な公式(3) オイラーの関数等式 オイラーの関数等式の導出方法を理解している
14週 ガンマ関数の定積分への応用 ガンマ関数の公式を定積分の計算や表示に利用できる
15週 演習 これまでの学習内容に関する問題が解ける
16週
後期
3rdQ
1週 ベータ関数の定義とガンマ関数との関係 オイラー積分によるベータ関数の定義式を用いて、ガンマ関数との関係式を導出できる
2週 ベータ関数の性質 ベータ関数の対称性、関数等式、特殊値の導出方法を理解している
3週 ベータ関数の定積分への応用 ベータ関数の公式を定積分の計算や表示に利用できる
4週 ガウスの超幾何微分方程式 ガウスの超幾何微分方程式の性質を理解し、その解を求めることができる
5週 ガウスの超幾何関数の無限級数表示 ガウスの超幾何関数の無限級数による表示式を理解し、その収束半径を求めることができる
6週 ガウスの超幾何関数の積分表示 ガウスの超幾何関数の無限級数による表示式を用いて、ガウスの超幾何関数の積分による表示式を導出できる
7週 演習 これまでの学習内容に関する問題が解ける
8週 ガウスの超幾何関数の性質(1) 昇降演算子 昇降演算子の意味を理解し、昇降演算子を具体的に導出できる
4thQ
9週 ガウスの超幾何関数の性質(2) 隣接関係式 隣接関係式の意味を理解し、昇降演算子を用いて隣接関係式を導出できる
10週 ガウスの超幾何関数の性質(3) 変換公式 変換公式の導出方法を理解している
11週 ガウスの超幾何関数の性質(4) 特殊値 特殊値の導出方法を理解している
12週 有理数の無限級数表示への応用 ガウスの超幾何関数の特殊値を有理数の無限級数表示へ応用できることを理解し、具体例を構成できる
13週 連分数展開への応用 ガウスの超幾何関数の隣接関係式を初等関数の連分数表現へ応用できることを理解し、具体的に記述できる
14週 算術幾何平均への応用 ガウスの超幾何関数の変換公式を算術幾何平均へ応用できることを理解し、算術幾何平均を超幾何関数を用いて表示できる
15週 演習 これまでの学習内容に関する問題が解ける
16週

評価割合

試験課題・レポート合計
総合評価割合5050100
基礎的能力5050100