システム・プログラム論

科目基礎情報

学校 佐世保工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 システム・プログラム論
科目番号 0101 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 コンピュータアーキテクチャの基礎(柴山 近代科学社)基礎オペレーティングシステム(毛利 数理工学社)
担当教員 佐藤 直之

到達目標

1.コンピュータ内部におけるバイナリデータおよび命令の扱われ方について理解している。
2.人間の要望とコンピュータの処理の橋渡しを行うコンパイラについて基礎的な原理を理解している。
3.計算処理を効率よく行うためのオペレーティングシステムの基礎および計算機資源の管理機能などを説明できる。     4.コンピュータ設計等の際にも必要となるプロジェクト管理について必要性とその具体的手法を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 (到達目標1、2)コンピュータの低級な領域における命令処理に対して正確な脳内モデルが確立されている。また人間の望む処理を低級な具体的命令群に置き換えるコンパイラ技術の理論的な背景と原理を理解している。コンピュータの低級な領域の処理について用語の意味と基礎的な原理を説明できる。コンパイラ技術の大まかな処理工程を説明できる。コンピュータの低級な領域の処理について用語の説明ができない。コンパイラの必要性や基礎原理を解っていない。
評価項目2 (到達目標3)OSがコンピュータ内部の計算資源を効率よく安全に利用する仕組みを理解しており、どのような問題を予防するために各技術が役立っているのか理解している。またそれぞれの技術が新たに起こし得るリスクについても理解している。OSがプロセス、スレッド、メモリを扱う際の具体的な処理の内容を説明でき、各専門用語の意味を理解している。OSの処理について用語および具体的な動作の原理を説明できない。
評価項目3 (到達目4)プロジェクト管理の必要性と複数の具体的手法についての特徴と内容が説明でき、自分の身近な問題に対しても応用が可能である。プロジェクト管理の必要性と、具体的手法の手順を理解している。プロジェクト管理の必要性を理解しておらず、どのような手法があるのか説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
情報処理技術の根幹をなすオペレーティングシステムの基本動作およびコンピュータの様々なハードウェアの理解と、特にUnix系システムでの並行処理プログラムの基本的動作およびネットワーク技術の基本知識に関して講義する。
授業の進め方・方法:
予備知識:特に必要としない
講義室:教室 (情報処理センター第1演習室を使用する週もあるが追って連絡する)
授業形式:講義と実習
学生が用意するもの:教科書、ノート
注意点:
評価方法・評価基準:試験(前期中間・前期後期定期)の平均点60点以上を合格とする。
自己学習の方針:講義で習った基礎的な技術が現在の最新鋭コンピュータにおいてどのような形で利用されているのか積極的に調べてみる態度が望ましい。
オフィスアワー:月曜日夕方
※到達目標の( )内の記号はJABEE学習・教育到達目標                  

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 コンピュータの歴史と集中・分散処理システム コンピュータの歴史的変遷について理解し、集中処理と分散処理の特徴を説明できる。
2週 コンピュータ利用形態 ネットワークコンピューティングや組込みシステムなど、実用に供せられているコンピュータシステムの利用形態について説明できる。
3週 コンピュータの命令形式 コンピュータがどのような形式で命令を処理しているのかを説明できる。
4週 データ型と数 コンピュータ内部における数の扱いおよび様々なデータのタイプの違いについて説明できる。
5週 制御アーキテクチャ コンピュータの主要な制御方式およびパイプライン処理について説明できる。
6週 演算アーキテクチャ コンピュータ内部における基礎的な加減乗除の演算が行われる仕組みを説明できる。
7週 浮動小数点算術 コンピュータ内部における浮動小数点を用いた計算の仕組みを説明できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 低級言語と高級言語 機械語からプログラミング言語まで、コンピュータの処理に用いられる様々な言語の階層の違いについて説明できる。
10週 コンパイラの基礎 コンパイラの役割と主な処理のステップについて説明できる。
11週 形式言語 形式言語の概念と分類について説明できる。
12週 オートマトンと字句解析 様々なオートマトンと字句解析の関係について説明できる。
13週 構文解析 コンパイルにおける構文解析処理について説明できる。
14週 最適化 コンパイルにおける最適化処理について説明できる。
15週 コンピュータの信頼性 デュアルシステムやマルチプロセッサシステムなど、コンピュータシステムの信頼性や機能を向上させるための発展的なシステム構成について説明できる。
16週
後期
3rdQ
1週 OSの基礎 OSの役割について説明できる。
2週 カーネルとシステムコール OSのシステムコールとカーネルの概要について説明できる。
3週 プロセス管理 プロセス管理やスケジューリング、キューについて説明できる。
4週 プロセス生成とスレッド プロセスの操作とスレッドの基礎について説明できる。
5週 プロセスの相互排除 記憶管理の基本的な考え方について説明できる。
6週 プロセス間通信 プロセスのメッセージやセマフォについて、仕組みと役割を説明できる。
7週 デッドロック プロセス処理中に起こるデッドロックの概要およびその対策について説明できる。
8週 記憶管理 コンピュータのメモリ領域の確保や保護について説明できる。
4thQ
9週 仮想記憶(1) メモリのページング技術についての基礎を説明できる。
10週 仮想記憶(2) セグメンテーションテーブルやプリフェッチ技術等のページングの発展的な技術を説明できる。
11週 仮想記憶(3) 代表的なページ置き換え技法の種類と特徴について説明できる。
12週 ファイルシステム(1) 「ファイル」というデータ構造の管理に関する概要やアクセス法について説明できる。
13週 ファイルシステム(2) ディレクトリの種類やアクセスの制御について説明できる。
14週 プロジェクト管理の基礎 プロジェクト管理の必要性やそのプロセスについて説明できる。
15週 プロジェクト管理の手法 WBSやPERT図などプロジェクト管理の具体的な手法について説明できる。
16週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100