有機化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 佐世保工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 有機化学Ⅰ
科目番号 2C1910 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 マクマリー有機化学(上)第9版、J. McMurry 著、伊東ら共訳、東京化学同人
担当教員 越村 匡博

到達目標

1. イオン結合と共有結合の違いを説明できる。
2. σ結合とπ結合を説明できる。
3. 混成軌道の概念を用いて単結合を説明できる。
4. 酸および塩基の強さとpKaについて説明できる。
5. アルカンの構造式を書き、命名することができる。
6. シクロアルカンの立体配座を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 (到達目標1、2)有機化学で主に扱う結合(共有結合、イオン結合)について理解し、違いが説明ができる。σ結合とπ結合について軌道図を用いて説明できる。有機化学で主に扱う結合(共有結合、イオン結合)について説明ができる。σ結合とπ結合が説明できる。有機化学で主に扱う結合(共有結合、イオン結合)について説明ができない。σ結合とπ結合が説明できない。
評価項目2 (到達目標3)原子軌道の混成を理解し、メタン・エテン・エチンの結合を混成軌道で説明できる。原子軌道の混成を理解し、単結合・二重結合・三重結合の違いが説明できる。原子軌道の混成を理解できない。
評価項目3 (到達目標4)置換基が及ぼす電子効果について説明できる。pKaを用いて酸と塩基の強さについて説明できる。酸と塩基の強さについて理解できない。
評価項目4 (到達目標5)IUPAC命名法に基づいて、複雑なアルカン・アルケン・アルキンが命名できる。IUPAC命名法に基づいて、基本的なアルカン・アルケン・アルキンが命名できる。IUPAC命名法に基づいて、アルカン・アルケン・アルキンが命名できない。
評価項目5 (到達目標6)シクロアルカンの環ひずみを理解し、最も安定な立体配座が説明できる。シクロヘキサンの代表的な二つの立体配座が説明できる。シクロアルカンの環ひずみを理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
有機化合物の結合、混成軌道、構造と命名法について学習する。演習問題を解くことによって有機化学の基礎を理解する。
授業の進め方・方法:
予備知識:一年次の「化学」における電子配置、イオン、共有結合、電気陰性度、酸・塩基について復習しておく。
講義室:2C教室
授業形式:講義、演習
学生が用意するもの:分子模型
注意点:
評価方法:定期試験(後期中間、後期期末)により評価し、60点以上を合格とする。
自己学習の指針:教科書本文中の問題および章末問題を解いておくこと。自己学習時間を1時間以上確保する。
オフィスアワー:随時

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 原子の構造 原子における電子の配置について理解し、有機物が炭素骨格を持つ化合物であることが説明できる。
2週 原子の構造:電子配置、化学結合論の発展、化学結合の性質 イオン結合および共有結合について理解し、説明できる。Lewis構造式とKekule構造式を書くことができる。
3週 共有結合の生成:原子価結合法、sp3混成軌道とメタンの構造、sp3混成軌道とエタンの構造 混成軌道を用い物質の形が説明できる。
4週 他の種類の混成軌道:sp2とsp 混成軌道を用い物質の形が説明できる。σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使って説明できる。
5週 極性共有結合:電気陰性度 電気陰性度を説明でき、結合の極性を予測できる。
6週 酸と塩基:ブレンステッド-ローリーの定義 pKaとpHについて説明でき、酸の構造がpKa値に与える影響について理解できる。
7週 有機酸と有機塩基 有機酸と有機塩基について電子対の動きを理解できる。
8週 後期中間試験 これまでの内容に関する問題を解くことができる。
4thQ
9週 中間試験の解説
官能基
一般的な官能基の構造を説明できる。
10週 アルカンとアルキル基 IUPAC命名法に従い、直鎖アルカンおよび直鎖アルキル基を命名することができる。
11週 分枝アルカンの命名法 IUPAC命名法に従い、分枝アルカンを命名することができる。
12週 アルカンの性質、エタンの立体配座 アルカンの性質を説明できる。エタンの三次元的な構造がイメージできる。アルカンの立体配座を理解し、Newman投影式を書くことができる。
13週 化学構造の表し方 骨格構造という書き方を説明できる。
14週 シクロアルカン、シクロアルカンにおけるシスートランス異性 IUPAC命名法に従い、シクロアルカンを命名することができる。シクロアルカンのシスートランス異性を説明できる。
15週 種々のシクロアルカンの立体配座、シクロヘキサンのアキシアル結合とエクアトリアル結合、シクロヘキサンの配座の動きやすさ シクロヘキサンの配座異性体が説明できる。
16週 後期定期試験 これまでの学習内容に関する演習問題を解くことができる。

評価割合

試験演習合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000