物質化学実験2

科目基礎情報

学校 佐世保工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 物質化学実験2
科目番号 3C2290 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 5
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:6 後期:6
教科書/教材 有機工業化学実験(永井芳男,丸善)他
担当教員 平山 俊一,城野 祐生,長田 秀夫,渡辺 哲也,田中 泰彦,越村 匡博,森山 幸祐,嘉悦 勝博

到達目標

1. 実験の準備を確実に行い、適切な対応ができる。D-4  
2. 分析データを元に必要な計算や解析をし考察することができる。D-1  
3. 自立して、他の人と協力しながら計画的に作業を進めることができる。E-2

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標1実験の準備を確実に行い、適切に対応することが十分できる。実験の準備を確実に行い、適切に対応することがある程度できる。実験の準備を確実に行い、適切に対応することができない。
到達目標2分析データを元に必要な計算や解析をし考察することが十分できる。分析データを元に必要な計算や解析をし考察することがある程度できる。分析データを元に必要な計算や解析をし考察することができない。
到達目標3自立して、他の人と協力しながら計画的に作業を進めることが十分できる。自立して、他の人と協力しながら計画的に作業を進めることがある程度できる。自立して、他の人と協力しながら計画的に作業を進めることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
基本的な実験操作を習得させ,実験を通して有希・無機化学や物理化学および化学工学を理解・確認させると共に,器具や装置の取り扱い法および報告書の書き方を学ぶ。
授業の進め方・方法:
予備知識:2年次の分析化学,有機化学,無機化学および物質化学実験1を習得し,基礎的な実験器具と取り扱い知識があること。また,危険を伴う実験もあるので,薬品や操作法などについて充分な予習が必要である。
講義室:学科実験室
授業形式:実験
学生が用意するもの:テキスト、実験ノート、電卓、安全必携、指定された実験着(白衣,作業服)、タオル
注意点:
評価方法:原則として全テーマの実験を受講し、かつ、①白衣や保護メガネを着用するなど、実験するのに相応しい服装をしているか。②実験書を持参し予習をしているか。③傍観のみや居眠りなどをせず実験に参加しているか。④非協力的、自己中心的な行動をせずに実験に取り組んだか。⑤指導者の指示・注意を遵守し、適切に実験器具を取り扱い、安全への配慮を行ったか。⑥提出期限内にレポートが提出されたか。⑦得られた結果を正しく評価・解析して考察し、論理的に説明された内容のレポートが作成されているか。の10項目で評価し、合計が60%以上を合格とする。
自己学習の指針:事前に実験テキストを配布するので実験の目的や操作方法について充分な予習をすること。実験終了後は充分に練られた考察を含むレポートが完成できること。
オフィスアワー:各教員担当科目のシラバスを参照すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験の概要説明と安全教育 物質化学実験2の概要および安全の重要性を理解する。
2週 有機化学基礎実験:実験内容説明
有機化学基礎実験の内容を理解する。
3週 有機化学基礎実験:ニトロベンゼンの合成
ニトロニウムイオンのベンゼンへの求電子置換反応によりニトロベンゼンを合成する。
4週 有機化学基礎実験:アニリンの合成
ニトロベンゼンを還元しアニリンを合成する。精製には水蒸気蒸留を行う。
5週 有機化学基礎実験:スルファニル酸の合成
アニリンをスルホン化し,スルファニル酸を合成する。
6週 有機化学基礎実験:アセトアニリドの合成 アニリンを無水酢酸でアセチル化し、アセトアニリドを合成する。
7週 有機化学基礎実験:融点測定 合成したアセトアニリドと市販の特級アセトアニリドの融点を測定し、文献値と比較する。
8週 有機化学基礎実験:報告書のまとめ 報告書の整理並びに未実施の実験を行う。
2ndQ
9週 無機化学基礎実験:実験内容説明 無機化学基礎実験の内容を理解する。
10週 無機化学基礎実験:鉄イオン濃度の測定 比色分析法を用いて溶液中の全鉄イオン濃度の測定を行う。
11週 無機化学基礎実験:イオン交換容量の測定 陽/陰イオン交換樹脂を用いて,イオン交換樹脂濃の確認とイオン交換容量の測定を行う。
12週 無機化学基礎実験:水分析 JISに準じて,水道水中の各種硬度,塩素イオン濃度および酸素消費量の測定を行う。
13週 無機化学基礎実験:三リン酸の合成 三リン酸を合成し,中和滴定法により三リン酸であることの確認を行う。
14週 無機化学基礎実験:酸化還元滴定 酸化還元滴定法により溶液中の鉄並びに銅の定量を行う。
15週 無機化学基礎実験:報告書のまとめ 報告書の整理並びに未実施の実験を行う。
16週
後期
3rdQ
1週 物理化学基礎実験:実験内容説明 物理化学基礎実験の内容を理解する。
2週 物理化学基礎実験:分配係数 シクロヘキサンおよび水を溶媒とする酢酸の分配係数を求める。
3週 物理化学基礎実験:凝固点降下 スクロース水溶液の凝固点を測定し,スクロースの分子量を決定する。
4週 物理化学基礎実験:電離平衡と伝導滴定 伝導度測定より電離定数を決定し,また伝導滴定により塩酸と酢酸の濃度を決定
する。
5週 物理化学基礎実験:反応速度と活性化エネルギー 酢酸エチルの加水分解の反応速度定数と活性化エネルギーを求める。
6週 物理化学基礎実験:液体の相互溶解度 水-フェノール系の溶解度曲線を作成する。
7週 物理化学基礎実験:吸着 活性炭に酢酸を吸着させ,吸着等温線を作成し,吸着の状態を考察する。
8週 化学工学基礎実験:実験内容説明 化学工学基礎実験の内容を理解する。
4thQ
9週 化学工学基礎実験:流動試験1 単位時間での水の採取重量を基準にローターメーターと三角堰について検定す
る。
10週 化学工学基礎実験:流動試験2 流量を変えて管路の圧力損失(直管,拡大,縮小,エルボ,玉型弁)を測定する。
11週 化学工学基礎実験:流動試験3 ベンチュリー,オリフィスという差圧型流量計の流量係数特性の測定を行う。
12週 化学工学基礎実験:総括伝熱係数の測定 二重管式熱交換器を用いて流量と総括伝熱係数との関係を測定比較する。
13週 化学工学基礎実験:伝導伝熱実験 境膜伝熱係数と総括伝熱係数の詳細な算出法を学習する。
14週 化学工学基礎実験:放射伝熱実験 ステファンボルツマンの法則を用いて熱放射率を算出する。
15週 実験器具のメンテナンスおよび試薬廃棄に関する学習 実験器具のメンテナンスおよび試薬廃棄の重要性について理解する。
16週

評価割合

準備実験態度報告書合計
総合評価割合203050100
基礎的能力0000
専門的能力203050100
分野横断的能力0000