到達目標
1.論理的な文章(論説や評論)の構成や展開を的確にとらえ、要約できる。
2.論理的な文章(論説や評論)に表された考えに対して、その論拠の妥当性の判断を踏まえて自分の意見を述べることができる。
3.文学的な文章(小説や随筆)に描かれた人物やものの見方を表現に即して読み取り、自分の意見を述べることができる。
4.常用漢字の音訓を正しく使える。主な常用漢字が書ける。
5.類義語・対義語を思考や表現に活用できる。
6.社会生活で使われている故事成語・慣用句の意味や内容を説明できる。
7.専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 18歳(選挙権年齢)相応の漢字熟語や慣用表現等の語彙を習得し、正確に表記、使用できる。 | 習得している語彙が18歳(選挙権年齢)相応には不足しているが、身につけようとする意識が高い。 | 習得している語彙が18歳(選挙権年齢)相応に達しておらず、身につけようとする意識も乏しい。 |
評価項目2 | 比喩的、象徴的な表現に込められた含意を理解し、文学作品を鑑賞できる。 | 比喩的、象徴的な表現に込められた含意の理解に関心があり、文学作品を鑑賞できる。 | 比喩的、象徴的な表現に込められた含意の理解に関心がなく、文学作品を鑑賞できない。 |
評価項目3 | 現代評論の論旨を、身近で具体的な問題と関連付けて、正確に理解できる。 | 現代評論の論旨を、身近で具体的な問題と関連付ける意識を持ち、理解できる。 | 現代評論の論旨を、身近で具体的な問題と関連付けることに関心がなく、理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
読む・考えるという日本語の能力を育成することにより、社会において求められる論理的かつ多角的な理解力、柔軟な思考力を培う。また、文学的な文章の鑑賞を通して日本語の言語文化についての理解を深める。
授業の進め方・方法:
授業は教員からの講義と学生同士のピア活動とを並行して行う。主体的に取り組み、他者の意見や考え方を取り込むことで自らの思考を深めることを強く求める。自分の感想や意見をまとめ、授業内で公開しあうことも往々にしてあるため、このことを念頭に日々の授業に取り組むこととする。
注意点:
試験の平均点の3割に満たない者については、成績不振者のための追試験を実施しない。
各授業項目および授業時間の配分は、学生の理解・習得の状況を確かめながら、変更することがあり得る。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
1ガイダンス 2評論『ミロのビーナス』(清岡卓行) |
年間の教育目標を提示し、評価法についても理解する。視点の重要性や面白味について学ぶ。
|
2週 |
古文『東下り』(伊勢物語) |
古文の学習の基本を確認するとともに、学習の意義についての理解を深める。
|
3週 |
古文『東下り』(伊勢物語) |
表現の妙を読み取り、鑑賞段階にまで引き上げたい。表記・表現・思いなどを全体的に味わいたい。
|
4週 |
小説『山月記』(中島 敦) |
小説の構造をなす事項(時・場・人物・事件設定)や李徴の心理を的確に読み取ることで、李徴がどのような人物として描かれているか考える。
|
5週 |
小説『山月記』(中島 敦) |
小説の構造をなす事項(時・場・人物・事件設定)や李徴の心理を的確に読み取ることで、李徴がどのような人物として描かれているか考える。
|
6週 |
小説『山月記』(中島 敦) |
人間が虎になるという虚構をとおして、筆者が何を言おうとしたのかを考える。
|
7週 |
漢文『唐詩』(李白・柳宗元・王維・杜甫) |
漢文の基本を確認するとともに、凝縮された言葉の世界に触れる。
|
8週 |
前期中間試験 |
|
2ndQ |
9週 |
評論『消費されるスポーツ』(多木浩二) |
論点をしっかりと整理する。筆者の主張がどこにあるのかを的確に把握する。
|
10週 |
評論『消費されるスポーツ』(多木浩二) |
社会現象として巨視的なものの捉え方とその方法について理解を深める。
|
11週 |
古文『丹波に出雲』(徒然草) |
古文を読み慣れるとともに、文章に介在している批判精神についても目を向ける。
|
12週 |
古文『花は盛りに』(徒然草) |
古文を読み慣れるとともに、日本人の美意識に関しても「流れ」として提示することで理解を深める。
|
13週 |
現代詩『永訣の朝』(宮沢賢治) |
詩歌の学習を通じて、言葉に関するセンスを深める。
|
14週 |
漢文『晏子之御』(史記) |
漢文訓読の基本的な事柄についての理解を深める。
|
15週 |
漢文『論語』(孔子) |
それぞれの句に凝縮された情景・心情・世界観を読み解く。一つの言葉の幅や重みについて理解を広げる。
|
16週 |
前期定期試験 |
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
小説『こころ』(夏目漱石) |
全体をしっかりと通読する。読後に感じたことや疑問点などをノートにしっかりとまとめる。
|
2週 |
小説『こころ』(夏目漱石) |
登場人物に関する相関図を作成する。特に「私」と「K」との関係を丁寧に読み取り、事件に至る経緯を理解する。
|
3週 |
小説『こころ』(夏目漱石) |
明治という時代の制度や理念などを調べ、登場人物の行動を読み取るなかから、人間の精神のあり方について考える。
|
4週 |
古文『帰京』(土佐日記) |
「旅」ということを通じて、当時の人々の思いや社会の通念などを総合的に学習する。
|
5週 |
評論『人間の運命と科学』(長谷川英祐) |
何が話題になっており、何がその核であるのかをしっかりと読み取る。
|
6週 |
評論『人間の運命と科学』(長谷川英祐) |
論説文の構成や展開の仕方について学習する。
|
7週 |
漢文『雑説』(韓愈) |
漢文に読み慣れるとともに、文章に込められた批判精神に関しても学習する。
|
8週 |
後期中間試験
|
|
4thQ |
9週 |
評論『日本人の美意識』(高階秀爾) |
論点をしっかりと整理する。筆者の主張がどこにあるのかを的確に把握する。
|
10週 |
評論『日本人の美意識』(高階秀爾) |
「ことば」と「意識」との相関について掘り下げる一つのきっかけにしながら、独自の見解についての見識も深める。
|
11週 |
古文『蛍』(源氏物語) |
全体をしっかりと通読する。読後に感じたことや疑問点などをノートにしっかりとまとめる。
|
12週 |
古文『蛍』(源氏物語) |
本文で語られている「物語」のメリットとデメリットとを理解する。
|
13週 |
古文『蛍』(源氏物語) |
一年間の古文学習の総整理にも充てる。
|
14週 |
小説『蠅』(横光利一) |
小説に込められた作者の真意の解明に迫る。
|
15週 |
漢文『復活』(千宝) |
漢文読解の総仕上げを行う。
|
16週 |
後期定期試験 |
|
評価割合
| 試験 | 小テスト | 提出物 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 10 | 10 | 100 |
基礎的能力 | 80 | 10 | 10 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |