科目基礎情報

学校 佐世保工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 国語
科目番号 0032 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 物質工学科 対象学年 1
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 『改訂版国語総合』(筑摩書房)/『意味から学ぶ常用漢字ワイド版』(第一学習社)
担当教員 田﨑 弘章

到達目標

1.評論文を読み、論理の構成や展開の把握にもとづいて論旨を客観的に理解することができる。
2.近代の小説を読み、人物・情景・心情の描写ならびに描写意図などを理解することができる。
3.文章を客観的に理解し、人間・社会・自然などについて考えを深め、広げることができる。
4.語句の意味、常用漢字、ことわざ、慣用句などの基礎知識についての理解を深め、その特徴を認識することができる。
5.代表的な古文・漢文を読み、言葉や表現方法の特徴をふまえて人物・情景などを理解し、人間・社会・自然などについて考えを深め、広げることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1高校1年生相応の漢字熟語や慣用表現等の語彙を習得し、正確に表記、使用できる。習得している語彙が高校1年生相応には不足しているが、身につけようとする意識が高い。習得している語彙が高校1年生相応に達しておらず、身につけようとする意識も乏しい。
評価項目2比喩的、象徴的な表現に込められた含意を理解し、文学作品を鑑賞できる。比喩的、象徴的な表現に込められた含意の理解に関心があり、文学作品を鑑賞できる。比喩的、象徴的な表現に込められた含意の理解に関心がなく、文学作品を鑑賞できない。
評価項目3文語文法、漢文訓読の基礎を習得し、初歩的な古典教材を読解、鑑賞することができる。文語文法、漢文訓読の基礎の習得に努め、初歩的な古典教材の内容を理解することができる。文語文法、漢文訓読の基礎を習得できず、初歩的な古典教材の内容についても理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
近現代の優れた文学作品を味読・鑑賞し、比喩的、象徴的な表現に込められた含意を汲み取り、日本語による表現の可能性を探る。現代評論、中でも科学技術に関する評論を読み、論旨を正確に理解し、工業高等専門学校で学ぶ知識、技術を社会的な文脈に位置づける。現代文の読解を通じて、自らが使用できる日本語の語彙・表現を増やし、漢字熟語の読み書きを正確なものとする。文学作品の読解、現代評論の理解については、感想文等の提出を求める。
また、古文・漢文の読解の基礎を習得し、入門的な古典教材の読解を通じて、我が国が長い歴史の中で育んできた文化、美意識、価値観、倫理観等を学ぶ。
授業の進め方・方法:
原則として週に1回、授業の開始時に漢字熟語・慣用句等の小テストを実施する。その後、座学形式で教材文の読解を進めていく。適宜、発問をし回答を求める。学生は教科書、補助教材に加えて、ノート、辞書(電子辞書可)を準備して授業に臨むこと。
注意点:
漢字・慣用句等の小テストは、成績評価に10%分加味する。また、感想文等の提出物は成績評価に10%分加味する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
内田樹「話を複雑にすることの効用」
授業の概要や到達目標、評価方法・基準などを理解できる。
現代文の効果的学習法を知る。
2週 現代評論を読み、逆説的な表現について知る。
3週 古典文法1(歴史的仮名遣い、品詞の種類、用言)
「いろは歌」
歴史的仮名遣いを習得し、文語と口語の違いを理解できる。
古典の効果的学習法を知る。
4週 『宇治拾遺物語』より入門用教材 品詞の分類・用言の活用について理解できる。
5週 基本的な古語の意味を理解し、口語訳ができる。
6週 川上弘美「神様」「神様2011」 川上弘美の二つの作品を読み、創作の背景を理解する。
7週 小説の舞台設定や登場人物の行動、心情の変化を理解する。
8週 中間試験
2ndQ
9週 西江雅之「『食べ物』と『伝統』」 現代評論を読み、物事を新しい視点から見つめ直すことの大切さを学ぶ。
10週 教材に関連した内容を扱っている他の文章を読み、思索を広げる。
11週 古典文法2(主要な助詞・助動詞)
『伊勢物語』「芥川」「東下り」
主要な助詞・助動詞の意味を理解し、口語訳ができる。
12週 時代的な背景を踏まえて『伊勢物語』を鑑賞する。
13週 林京子「空き缶」 長崎原爆による被爆体験を題材とした小説を読み、時代背景と作品との関係を知る。
14週 小説の舞台設定や登場人物の行動、心情の変化を理解する。
15週 小説の感想をまとめる。
16週 定期試験
後期
3rdQ
1週 宇野重規「〈私〉時代のデモクラシー」、湯浅誠「貧困は自己責任なのか」 現代社会を論じた文章に用いられる語句、表現を理解する。
2週 文章の構成を理解し、評論文の主題を把握する。
3週 二つの現代評論を関連付けて読むことにより、それぞれの文章に対する読みを深める。
4週 古典文法3(用言の活用と助詞・助動詞の接続)
『土佐日記』「門出」「帰京」
古文における用言の活用と助詞・助動詞の接続について、基礎的な文法を理解できる。
5週 『土佐日記』の日本文学史上の位置を理解する。
6週 「万葉集」「古今和歌集」「新古今和歌集」 「土佐日記」の筆者・紀貫之の業績を学び、万葉集、古今和歌集、新古今和歌集中の和歌を鑑賞する。
7週 日本文学における和歌の歴史を知る、
8週 中間試験
4thQ
9週 山田登世子「贅沢の条件」、春木良且「情報が世界を動かす」 現代社会を論じた文章に用いられる語句、表現を理解する。
10週 文章の構成を理解し、評論文の主題を把握する。
11週 二つの現代評論を関連付けて読むことにより、それぞれの文章に対する読みを深める。
12週 漢文訓読の基礎
入門期教材(故事等)
漢文学習の意義を学び、漢文訓読のきまりを知る。
13週 漢文の基本的な句法を学ぶ、
14週 論語 訓点に従って漢文を書き下し文に改め、意味を理解する。
15週 「論語」にみられる思想・文化を理解する。
16週 定期試験

評価割合

試験小テストレポート・提出物態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合801010000100
基礎的能力801010000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000