科目基礎情報

学校 佐世保工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 国語
科目番号 0035 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 物質工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 改訂版 現代文B(数研出版),高等学校 改訂版 国語総合(第一学習社),常用漢字オールクリア五訂版(尚文出版),国語辞典
担当教員 田﨑 弘章

到達目標

1.評論文を読み、論理の構成や展開の把握にもとづいて論旨を客観的に理解することができる。
2.近代の小説を読み、人物・情景・心情の描写ならびに描写意図などを理解することができる。
3.文章を客観的に理解し、人間・社会・自然などについて考えを深め、広げることができる。
4.語句の意味、常用漢字、ことわざ、慣用句などの基礎知識についての理解を深め、その特徴を認識することができる。
5.代表的な古文・漢文を読み、言葉や表現方法の特徴をふまえて人物・情景などを理解し、人間・社会・自然などについて考えを深め、広げることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1高校2年生相応の漢字熟語や慣用表現等の語彙を習得し、正確に表記、使用できる。習得している語彙が高校2年生相応には不足しているが、身につけようと努力している。習得している語彙が高校2年生相応に達しておらず、身につけようとする意識も乏しい。
評価項目2比喩的、象徴的な表現に込められた含意を理解し、現代文を読解・鑑賞 できる。 比喩的、象徴的な表現に込められた含意の理解に関心を持ち、現代文の内容を理解できる。比喩的、象徴的な表現に込められた含意が理解できず、現代文の内容を正確に読解できない。
評価項目3文語文法、漢文訓読の基礎を習得し、一般的な古典教材を読解、鑑賞することができる。 文語文法、漢文訓読の基礎の習得に努め、初歩的な古典教材の内容を理解することができる。文語文法、漢文訓読の基礎を習得できず、初歩的な古典教材の内容についても理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 近現代の優れた文学作品を味読・鑑賞し、比喩的、象徴的な表現に込められた含意を汲み取り、日本語による表現の可能性を探る。現代評論、中でも科学技術に関する評論を読み、論旨を正確に理解し、工業高等専門学校で学ぶ知識、技術を社会的な文脈に位置づける。現代文の読解を通じて、自らが使用できる日本語の語彙・表現を増やし、漢字熟語の読み書きを正確なものとする。文学作品の読解、現代評論の理解については、口頭での発表や意見交換(討論)、感想文等の提出を求め、正確さ、深度について確認を行う。また、古文・漢文の読解を通じて、我が国が長い歴史の中で育んできた文化、美意識、価値観、倫理観等を学ぶ。
授業の進め方・方法:
 原則として週に1回、授業の開始時に漢字熟語・慣用句等の小テストを実施する。その後、座学形式で教材文の読解を進めていく。適宜、発問をし回答を求めるが、主に現代評論教材では、必要に応じて、学生によるディスカッションで読解の深化を図る。学生は教科書、補助教材に加えて、ノート、辞書(電子辞書可)を準備して授業に臨むこと。
注意点:
各定期試験で欠点の者には追試験を実施する。ただし、追試験の実施はそれぞれ1回のみとする。
各授業項目および授業時間の配分は、学生の理解・習得の状況を確認しながら、変更することがあり得る。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
漢文入門
本授業の概要や到達目標、評価方法・基準等を理解する。
漢文学習の意義および進め方を理解する。
2週 漢文訓読の基礎 漢文の基本的な句法を学ぶ。平易な短い文章を読み、漢文の構文を理解する。
3週 故事成語1 故事成語のもとになった代表的な漢文を読解し、故事成語の意味について理解する。
4週 故事成語2 故事成語のもとになった代表的な漢文を読解し、故事成語の意味について理解する。
5週 「論語」1 訓点に従って漢文を書き下し文に改め、意味を理解する。
6週 「論語」2 「論語」にみられる思想・文化を理解する。
7週 「論語」3 「論語」にみられる思想・文化を理解する。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 中島敦『山月記』1 『山月記』を通読し、初読の感想文をまとめる。
10週 中島敦『山月記』2 『山月記』を難解語句の意味、比喩表現等の注意しながら精読する。
11週 中島敦『山月記』3 『山月記』を精読した後の感想文をまとめ、自らの初読感想文と比較する。それに基づいて学生同士で意見交換する。
12週 村上陽一郎「科学・技術の歴史のなかでの社会」1 科学評論を読み、提起されている問題を把握する。
13週 村上陽一郎「科学・技術の歴史のなかでの社会」2 科学評論を語句の意味や論理的展開に注意しながら精読し、主題を把握する。
14週 黒崎政男「ネットが崩す公私の境」1 情報モラルの観点から本文を精読し、主題を把握する。
15週 黒崎政男「ネットが崩す公私の境」2 現代社会における情報との向き合い方について、ディスカッションを試みる。
16週 前期定期試験
後期
3rdQ
1週 紀貫之「土佐日記」1 作者・紀貫之の人物像および「土佐日記」の文学史的意義について知る。
2週 紀貫之「土佐日記」2 「土佐日記」を代表する「門出」「亡児」「帰京」の段を精読、鑑賞する。
3週 紀貫之「土佐日記」3 「土佐日記」を代表する「門出」「亡児」「帰京」の段を精読、鑑賞する。
4週 西垣通「知識社会という幻想」1 社会評論を読み、提起されている問題を把握する。
5週 西垣通「知識社会という幻想」2 社会評論を語句の意味や論理的展開に注意しながら精読し、主題を把握する。
6週 小浜逸郎「人はなぜ働かなくてはいけないのか」1 社会評論を読み、提起されている問題を把握する。
7週 小浜逸郎「人はなぜ働かなくてはいけないのか」2 社会評論を語句の意味や論理的展開に注意しながら精読し、主題を把握する。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 森博嗣「具体から抽象へ」1 抽象的概念の扱い方、哲学的思考の基礎を論じた評論を精読し、語意・語用を確認する。
10週 森博嗣「具体から抽象へ」2 抽象的概念の扱い方、哲学的思考の基礎を論じた評論を精読し、内容を理解する。
11週 森博嗣「具体から抽象へ」3 抽象的概念の扱い方、哲学的思考の基礎を論じた評論を精読し、主題を把握する。
12週 松尾芭蕉「奥の細道」1 作者・松尾芭蕉の人物像および「奥の細道」の文学史的意義について知る。
13週 松尾芭蕉「奥の細道」2 「奥の細道」を代表する「旅立ち」「平泉」「立石寺」の段を精読、鑑賞する。
14週 松尾芭蕉「奥の細道」3 「奥の細道」を代表する「旅立ち」「平泉」「立石寺」の段を精読、鑑賞する。
15週 年間学習の総括および読書の勧め 1年間の学習内容を確認するとともに、教科書を活用した読書習慣を身につける。
16週 後期定期試験

評価割合

試験小テスト提出物合計
総合評価割合701515100
基礎的能力701515100
専門的能力0000
分野横断的能力0000