有機化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 佐世保工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 有機化学Ⅱ
科目番号 0049 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 マクマリー有機化学 第9版(上)(中)、John McMurry著、伊東・児玉・荻野・深澤・通 訳、東京化学同人
担当教員 平山 俊一

到達目標

1. 立体化学を理解し,表記法により正しく表示できる。
2. アルケンとアルキンについて命名できる。
3. アルケンとアルキンの付加反応について,電子の流れを巻矢印で書ける。
4. 芳香族求電子置換反応の反応機構が書ける。
5. 求核置換反応と脱離反応について,反応機構が書ける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 (到達目標1)R-S表示,Fisher投影式が書けるR-S表示,Fisher投影式がほとんど書けるR-S表示,Fisher投影式が書けない
評価項目2 (到達目標2)アルケンとアルキンに命名でき,名称より構造が書けるアルケンとアルキンに命名できるアルケンとアルキンに命名できない
評価項目3 (到達目標3)アルケンとアルキンの付加反応について,電子の流れを巻矢印で書いて説明できるアルケンとアルキンの付加反応について,電子の流れを巻矢印で書けるアルケンとアルキンの付加反応について,電子の流れを理解できない
評価項目4 (到達目標4)芳香族求電子置換反応の反応機構が書ける芳香族求電子置換反応の反応機構がほとんど書ける芳香族求電子置換反応の反応機構が書けない
評価項目5 (到達目標5)求核置換反応と脱離反応について,反応機構を書ける求核置換反応と脱離反応について,反応機構をほとんど書ける求核置換反応と脱離反応について,反応機構が書けない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
2年次に引き続き,有機化学の基礎(共役と電子の非局在化、カルボニル化合物、ハロゲン化アルキル、立体化学)について学習する。
さらに演習問題を解くことによって理解を深める。
授業の進め方・方法:
予備知識:1年次の「化学」における電子配置,イオン,共有結合,電気陰性度,酸・塩基について復習しておく。
講義室:3C教室
授業形式:講義,演習
学生が用意するもの:教科書,ノート
注意点:
自己学習の指針:教科書本文中の問題および章末問題を解いておくこと。授業中に解答者を指名するので,担当者は解答を板書すること。自己学習時間を1時間以上確保する。
オフィスアワー:随時

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 立体化学と四面体炭素、分子の対掌性、鏡像異性体とジアステレオマー、メソ化合物 鏡像異性体と対掌性について説明できる。鏡像異性体とジアステレオマーの関係を説明できる。
2週 光学活性、比旋光度、立体配置表示のための順位則、ラセミ体と鏡像異性体の分割、異性現象の要約、自然界におけるキラリティー キラル中心のR配置、S配置を決定することができる。生成物の立体化学を予測することができる。各種異性体について、違いが説明できる。
3週 有機反応の種類、反応機構 4つの有機反応が説明できる。
4週 ラジカル反応、極性反応 ラジカル反応の機構を書くことができる。
5週 極性反応機構での曲がった矢印の使用 極性反応の機構を書くことができる。
6週 反応の記述;遷移状態と中間体、触媒 反応エネルギー図を用いて遷移状態、反応中間体、活性化エネルギーが説明できる。
7週 立体化学と有機反応に関する演習 これまでの学習内容に関する演習問題を解くことができる。
8週 中間試験 これまでの内容に関する問題を解くことができる。
2ndQ
9週 アルケン・アルキンの命名法、電子構造 アルケン、アルキンについてIUPAC命名法に基づき、命名することができる。
10週 シス-トランス異性体、順位則;E, Z命名法 cis-trans, E-Z表記を使って幾何異性体を指定できる。
11週 ハロゲン化水素化、付加反応の配向性(Markovnikov則) 求電子付加反応の機構を書くことができる。付加反応の配向性を説明できる。
12週 カルボカチオンの構造と安定性、水和、ハロゲン化 安定なカルボカチオンについて説明できる。
13週 共鳴形の書き方と説明、アルキンとその反応 共鳴構造を書くことができる。アルキンの付加反応について説明できる。
14週 水素化、ヒドロキシ化と開裂、ポリマー アルケンの酸化・還元について説明できる。
15週 アルケンとアルキンの反応に関する演習 これまでの学習内容に関する演習問題を解くことができる。
16週
後期
3rdQ
1週 ハロゲン化アルキルの命名法と製法 IUPAC命名法に基づき、ハロゲン化アルキルを命名できる。
2週 Grignard試薬 Grignard試薬の合成法を説明できる。
3週 求核置換反応 置換反応の生成物を予測できる。
4週 置換:SN2反応、SN1反応 求核置換反応の生成物を予測できる。
5週 脱離:E2反応、E1反応、E1cB反応 脱離反応の生成物を予測できる。
6週 反応性のまとめ:SN1, SN2, E1, E1cB, E2 反応機構を予測することができる。
7週 ハロゲン化アルキルの反応に関する演習 これまでの学習内容に関する演習問題を解くことができる。
8週 中間試験 これまでの内容に関する問題を解くことができる。
4thQ
9週 ベンゼンの構造、芳香族化合物の命名法 ベンゼン誘導体を命名できる。
10週 非ベンゼン環および多環式化合物の芳香族性 ベンゼン以外の芳香族化合物について芳香族性を説明できる。
11週 芳香族求電子置換反応、Friedel-Crafts反応 ベンゼンの求電子置換反応の機構を書くことができる。
12週 芳香族求核置換反応、ベンザイン 芳香族求核置換が起こる条件を説明できる。
13週 置換基効果、酸化と還元 芳香族求電子置換反応の配向性について説明できる。
14週 有機合成 置換芳香族化合物の合成法が説明できる。
15週 ベンゼンに関する演習 これまでの学習内容に関する演習問題を解くことができる。
16週

評価割合

試験演習合計
総合評価割合1000100
基礎的能力000
専門的能力1000100
分野横断的能力000