無機化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 佐世保工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 無機化学Ⅱ
科目番号 0056 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 新しい基礎無機化学(合原眞 編著,三共出版)、改訂版高等学校 化学Ⅰ(数研出版)、課題演習プリント
担当教員 下野 次男

到達目標

1.原子の構造や電子配置をボーアの原子模型、量子数、各種原理や規則に基づいて説明できる。(A4)
2.元素の周期律(イオン化エネルギー等)と周期表の関係、及び周期表の構成と典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。 (A4)
3.各種の化学結合理論{八隅説、原子価結合法(混成軌道)、分子軌道法}に基づいて分子の形成や分子構造を説明できる。(A4)
4.共有結合における双極子モーメントと結合のイオン性、及び各結合方式(イオン結合、金属結合、分子間力結合、水素結合)について説明できる。(A4)
5.結合方式による結晶の分類、結晶構造と格子定数、ブラベ格子、ミラー指数について説明でき、ミラー指数を基に結晶面を図示できる。(A4)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 (到達目標1,2)関係する理論や規則に基づいて原子構造や電子配置を説明でき、電子配置に基づいて元素の周期律と周期表、及び各種元素の一般的性質を説明できる。関係する理論や規則、及び原子構造や電子配置を説明でき、元素の周期律と周期表、及び典型元素や遷移元素の一般的性質を説明できる。関係する理論や規則、及び原子構造や電子配置を説明できない。元素の周期律と周期表、及び典型元素や遷移元素の一般的性質を説明できない。
評価項目2 (到達目標3)各種の化学結合理論に基づいて分子の形成や分子構造を体系的に説明できる。各化学結合理論の特徴、混成軌道法に基づく分子構造の違い、及び分子軌道法に基づく分子形成について説明できる。各化学結合理論の特徴、混成軌道法に基づく分子構造の違い、及び分子軌道法に基づく分子形成について説明できない。
評価項目3 (到達目標4) 共有結合の極性、及び各結合方式の特徴や相互関係について説明できる。電気陰性度と双極子モーメントや結合のイオン性の関係、及び各結合方式の特徴を説明できる。電気陰性度と双極子モーメントや結合のイオン性の関係、及び各結合方式の特徴を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
2年次の無機化学Ⅰを引き継ぎ、化学の基礎となる原子の構造や化学結合、固体化学、及び元素の分類について学ぶ。
授業の進め方・方法:
予備知識:一般科目の化学ならびに2年次の無機化学Ⅰおよび分析化学を修得し、化学の一般的な知識があること。
講義室:3C教室
授業形式:講義(質疑を積極的に行う)、自宅学習(演習)の解答
学生が用意するもの:自宅学習(演習)の答案
注意点:
評価方法:中間試験と定期試験(合計4回)、および課題演習提出状況(割合;9:1)で評価する。60点以上を合格とする。
自己学習の指針:毎回の授業では教科書の要点を整理した課題演習プリントを中心に授業を進める。事前に課題演習プリントを配布するので自宅で課題演習をやってくること。また、わからないところは質問できるように準備しておくこと。
オフィスアワー:月曜日および木曜日の16:00~17:00
※到達目標の( )内の記号はJABEE学習・教育到達目標

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスの確認、原子の構成粒子と種類、化学量、質量欠損(1) 原子の構成粒子と種類、化学量、質量欠損について説明できる。
2週 シラバスの確認、原子の構成粒子と種類、化学量、質量欠損(2) 原子の構成粒子と種類、化学量、質量欠損について説明できる。
3週 H原子のスペクトルとボーアの原子模型 ボーアの原子模型からH原子のスペクトルを説明できる。
4週 電子の粒子性と波動性、量子数 ド・ブロイ理論から電子の粒子性と波動性を説明できる。4つの量子数を説明できる。
5週 軌道の数と最大収容電子数、電子軌道の形 (1) 軌道の数、及び最大収容電子数の関係を説明できる。また、量子数から電子軌道の形を説明できる。
6週 軌道の数と最大収容電子数、電子軌道の形 (2) 軌道の数、及び最大収容電子数の関係を説明できる。また、量子数から電子軌道の形を説明できる。
7週 試験範囲の復習と演習 試験範囲の学習内容を理解し、課題を解くことができる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 試験解答。
電子配置と有効核電荷(1)
原子の電子配置の仕方、及びスレータの規則に基づく有効核電荷について説明できる。
10週 電子配置と有効核電荷(2) 原子の電子配置の仕方、及びスレータの規則に基づく有効核電荷について説明できる。
11週 元素の周期律と周期表、典型元素、遷移元素 (1) 元素の周期律と周期表、典型元素や遷移元素の一般的な性質について説明できる。
12週 元素の周期律と周期表、典型元素、遷移元素 (2) 元素の周期律と周期表、典型元素や遷移元素の一般的な性質について説明できる。
13週 イオン化エネルギー、電子親和力 イオン化エネルギー、電子親和力について説明できる。
14週 電気陰性度 電気陰性度について説明できる。
15週 試験範囲の復習と演習 試験範囲の学習内容を理解し、課題を解くことができる。
16週 定期試験
後期
3rdQ
1週 試験解答。共有結合、八隅説、ルイス構造(1) 共有結合と八隅説を説明し、電子配置をルイス構造で示すことができる。
2週 共有結合、八隅説、ルイス構造(2) 共有結合と八隅説を説明し、電子配置をルイス構造で示すことができる。
3週 化学結合論と原子価結合法 (1) 化学結合論の基本的な考え方とび原子価結合法について説明できる。
4週 化学結合論と原子価結合法 (2) 化学結合論の基本的な考え方とび原子価結合法について説明できる。
5週 混成軌道と分子の形 混成軌道の形成と分子の形について説明できる。
6週 分子軌道法と結合次数 分子軌道法と結合次数について説明できる。
7週 試験範囲の復習と演習 試験範囲の学習内容を理解し、課題を解くことができる。
8週 中間試験
4thQ
9週 試験解答。双極子モーメントと結合のイオン性(1) 双極子モーメントと結合のイオン性について説明できる。
10週 双極子モーメントと結合のイオン性 (2) 双極子モーメントと結合のイオン性について説明できる。
11週 化学結合の種類、イオン結合、金属結合 化学結合の種類、イオン結合、金属結合の形成について説明できる。
12週 ファンデルワールス力、水素結合 ファンデルワールス力、水素結合について説明できる。
13週 結晶構造、ブラベ格子 結合方式による結晶の分類、結晶構造と格子定数、ブラベ格子について説明できる。
14週 結晶面とミラー指数 結晶面とミラー指数の関係を説明でき、ミラー指数を基に結晶面を図示できる。
15週 試験範囲の復習と演習 試験範囲の学習内容を理解し、課題を解くことができる。
16週 定期試験

評価割合

試験課題提出合計
総合評価割合9010100
基礎的能力000
専門的能力9010100
分野横断的能力000