有機化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 佐世保工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 有機化学Ⅱ
科目番号 0057 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:1 後期:1
教科書/教材 有機化学 改訂2版、奥山格・石井昭彦・箕浦真生著、丸善出版
担当教員 平山 俊一

到達目標

1. アルケンとアルキンの付加反応について,電子の流れを巻矢印で書ける。
2. 芳香族化合物について命名できる。
3. 芳香族求電子置換反応の反応機構が書ける。
4. 立体化学を理解し,表記法により正しく表示できる。
5. 求核置換反応と脱離反応について,反応機構が書ける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 (到達目標1)アルケンとアルキンの付加反応について,電子の流れを巻矢印で書いて説明できるアルケンとアルキンの付加反応について,電子の流れを巻矢印で書けるアルケンとアルキンの付加反応について,電子の流れを理解できない
評価項目2 (到達目標2)芳香族化合物に命名でき,名称より構造が書ける芳香族化合物に命名できる芳香族化合物を命名できない
評価項目3 (到達目標3)芳香族求電子置換反応の反応機構が書ける芳香族求電子置換反応の反応機構がほとんど書ける芳香族求電子置換反応の反応機構が書けない
評価項目4 (到達目標4)R-S表示,Fisher投影式が書けるR-S表示,Fisher投影式がほとんど書けるR-S表示,Fisher投影式が書けない
評価項目5 (到達目標5)求核置換反応と脱離反応について,反応機構を書ける求核置換反応と脱離反応について,反応機構をほとんど書ける求核置換反応と脱離反応について,反応機構が書けない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
2年次に引き続き,有機化学の基礎(共役と電子の非局在化、カルボニル化合物、ハロゲン化アルキル、立体化学)について学習する。
さらに演習問題を解くことによって理解を深める。
授業の進め方・方法:
予備知識:1年次の「化学」における電子配置,イオン,共有結合,電気陰性度,酸・塩基について復習しておく。
講義室:3C教室
授業形式:講義,演習
学生が用意するもの:教科書,ノート
注意点:
自己学習の指針:教科書本文中の問題および章末問題を解いておくこと。授業中に解答者を指名するので,担当者は解答を板書すること。自己学習時間を1時間以上確保する。
オフィスアワー:随時

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 共役とは何か、電子の非局在化、ブタジエンの分子軌道 σ結合とπ結合の違いが分子軌道を使い説明できる。
2週 アリル系の分子軌道、共鳴法による共役の表し方 共鳴構造について説明できる。
3週 ベンゼンの分子軌道と電子構造、芳香族性 芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。
4週 酸と塩基の定義、酸解離定数とpKa ブレンステッドとルイスの定義が説明できる。
5週 酸性度を決める因子、置換基効果 酸性度を決める因子を説明できる。
6週 カルボアニオンの安定性、塩基性度 共役塩基であるカルボアニオンについて説明できる。塩基性度が定義できる。
7週 まとめと演習問題 これまでの学習内容に関する演習問題を解くことができる。
8週 中間試験 これまでの内容に関する問題を解くことができる。
2ndQ
9週 答案返却・解説、有機化学反応の種類、巻矢印による反応の表し方 巻矢印を用いて各種有機化学反応機構を書くことができる。
10週 極性反応の分子軌道による表現、反応のエネルギー 軌道相互作用や軌道の配向について説明できる。
11週 カルボニル基への求核付加反応、シアノヒドリンの生成 カルボニル化合物からシアノヒドリン生成の反応機構を書くことができる。
12週 水の付加 カルボニル化合物と水の付加反応機構を書くことができる。
13週 アルコールの付加 カルボニル化合物とアルコールの付加反応機構を書くことができる。
14週 イミンとエナミン、Wittig反応 カルボニル化合物からイミンおよびエナミン合成の反応機構を書くことができる。Wittig反応機構を書くことができる。
15週 まとめと演習問題 これまでの学習内容に関する演習問題を解くことができる。
16週
後期
3rdQ
1週 答案返却・解説、エステルの加水分解、エステル交換反応 エステル加水分解反応、エステル交換反応について反応機構を書くことができる。
2週 求核付加-脱離反応、カルボン酸誘導体の相互変換 カルボン酸誘導体の求核付加-脱離反応および相互変換について反応機構を書くことができる。
3週 ヒドリド還元、アルデヒドとケトンの還元 カルボニル化合物の還元について反応機構を書くことができる。
4週 有機金属化合物、有機合成(アルコールの合成) Grignard反応機構を書くことができる。アルコールを逆合成解析できる。
5週 キラリティー、RS表示、エナンチオマー、ジアステレオマー、メソ化合物 分子の三次元的な構造をイメージし正しい投影式を書くことができる。2つ以上の不斉中心を持つ化合物について理解できる。
6週 立体異性体の性質、キラル炭素をもたないキラル分子 立体化学と反応性、光学分割について理解できる。
7週 まとめと演習問題 これまでの学習内容に関する演習問題を解くことができる。
8週 中間試験 これまでの内容に関する問題を解くことができる。
4thQ
9週 答案返却・解説、ハロアルカンの求核置換反応(SN2とその機構) 求核置換反応について理解できる。SN2反応の機構について理解できる。
10週 ハロアルカンの求核置換反応(SN1とその機構) SN1反応の機構について理解できる。
11週 分子内求核置換、SN1とSN2の競争反応 SN1とSN2の競争について理解できる。
12週 ハロアルカンの脱離反応(E2反応、E1反応、E1cB反応) 脱離反応について理解できる。
13週 脱離反応の位置選択性 脱離反応の位置選択性を説明できる。
14週 置換反応と脱離反応の競争 置換反応と脱離反応の競争について理解できる。
15週 まとめと演習問題 これまでの学習内容に関する演習問題を解くことができる。
16週

評価割合

試験演習合計
総合評価割合1000100
基礎的能力000
専門的能力1000100
分野横断的能力000