科目基礎情報

学校 佐世保工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 物理
科目番号 0063 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 「総合物理1」と 「総合物理2」(数研出版)、「センサー総合物理」(啓林館)
担当教員 森 保仁

到達目標

1.万有引力の法則、万有引力による位置エネルギーの考え方を理解できる。
2.比熱と熱容量、熱量保存則、理想気体の状態方程式、熱力学第一法則、気体の状態変化の考え方を理解できる。
3.波の基本的性質(波の伝わり方、横波と縦波、ホイヘンスの原理、重ね合わせの原理、定常波など)の考え方を理解できる。
4.音波の基本的性質(音速、弦や気柱の振動、音のドップラー効果、音の干渉など)の考え方を理解できる。
5.光波の基本的性質(光速、光の三原色、絶対屈折率、全反射、偏光、光の散乱、光の干渉など)の考え方を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 (到達目標1)ケプラーの法則を説明できる。万有引力の式と万有引力による位置エネルギーの式を導出できる。万有引力の式や万有引力による位置エネルギーの式を用いた簡単な問題を解くことができる。万有引力の式や万有引力による位置エネルギーの式を用いた簡単な問題を解くことができない。
評価項目2 (到達目標2)潜熱を含む熱量保存則のやや複雑な問題を解くことができる。理想気体の状態方程式や内部エネルギーの式を導出できる。比熱と熱容量の概念を理解できる。熱量保存則、理想気体の状態方程式を用いた簡単な問題を解くことができる。熱力学第一法則の概念を理解できる。比熱と熱容量の概念を理解できない。熱量保存則や理想気体の状態方程式を用いた簡単な問題を解くことができる。熱力学第一法則の概念を理解できない。
評価項目3 (到達目標3)波の空間的伝播の図と時間的伝播の図の関係を求めるような、やや複雑な問題を解くことができる。縦波の横波表示を記述できる。ホイヘンスの原理を用いて屈折波面を作図できる。干渉の条件を用いた簡単な問題を解くことができる。縦波の横波表示を記述できない。ホイヘンスの原理を用いて屈折波面を作図できない。干渉の条件を用いた簡単な問題を解くことができない。
評価項目4 (到達目標4)ドップラー効果の式を導出できる。音さの向きが異なる弦の振動のような、やや複雑な問題を解くことができる。弦や気柱の振動、音のドップラー効果、音の干渉に関する簡単な問題を解くことができる。弦や気柱の振動、音のドップラー効果、音の干渉に関する簡単な問題を解くことができない。
評価項目5 (到達目標5)光路長を用いた複雑な光の干渉の問題を解くことができる。光波の反射や屈折を作図でき、物質の絶対屈折率を計算できる。全反射条件の式を用いて臨界角を計算できる。光波の反射や屈折を作図できず、物質の絶対屈折率を計算できない。全反射条件の式を用いて臨界角を計算できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
自然界の「なぜ?」を解き明かすために必要な「科学的に考える力」を身につけるため、主に「宇宙、熱、波動」に関する講義および講義実験を中心に授業を展開する。さらに自然界に成り立つ物理法則を学生実験を通して実感することにより、科学的自然観を育てる。
授業の進め方・方法:
予備知識:中学校で学習した理科(特に第一分野)の内容、高専第2学年で学習した「物理」の内容
講義室:物理実験室
授業形式:講義、講義実験(自作の実験装置など)、物理学実験(年間4~6テーマ)
学生が用意するもの:授業ノート、自習ノート、電卓、定規、色つきのペン
注意点:
評価方法:定期試験は、テスト(75~95%)、学生実験レポート・宿題(25~5%)の割合で評価し、60点以上を合格とする。追試験は、定期テストの素点が60点未満の学生を対象として行う。
自己学習の指針:授業中に配布した演習プリントを自習ノートにする。物理学実験のレポートの予習をし、実験後にレポートを仕上げる。
オフィスアワー:月曜日16:00~17:00、水曜日16:00~17:00

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 3年物理の概略説明、慣性力と遠心力 慣性力と遠心力の考え方を理解できる
2週 円すい振り子、円筒面内を運動する物体 円すい振り子と円筒面内を運動する物体の考え方を理解できる。
3週 天動説から地動説へ、ケプラーの法則 科学史の流れの中でケプラーの法則を理解できる。
4週 万有引力の法則、第一宇宙速度 万有引力および万有引力と重力の関係を理解できる。
5週 万有引力による位置エネルギー、第二宇宙速度 万有引力による位置エネルギーの考え方を理解できる。
6週 熱と温度、熱量、比熱と熱容量 熱量、比熱、熱容量の考え方を理解できる。
7週 熱量保存の法則、融解熱と気化熱 熱量保存の法則および潜熱の考え方を理解できる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 テスト返却、ボイル・シャルルの法則 ボイル・シャルルの法則の考え方について理解できる。
10週 物理学実験 [Ⅲ]、情報セキュリティ 物理学実験を通して熱に関する理解を深める。
11週 物理学実験 [Ⅲ]、理想気体の状態方程式 同上、理想気体の状態方程式の考え方を理解できる。
12週 気体の分子運動論、温度と運動エネルギー 気体分子の運動エネルギーと気体の温度の関係を理解できる。
13週 内部エネルギー、熱力学第一法則 内部エネルギーおよび熱力学第一法則の考え方を理解できる。
14週 混合気体、定圧変化、定積変化 混合気体および気体の状態変化(定圧、定積)の考え方を理解できる。
15週 等温変化、断熱変化、熱機関の効率 気体の状態変化(等温、断熱)および熱機関の考え方を理解できる。
16週 前期期末試験
後期
3rdQ
1週 テスト返却、波とは何か 波とは何かという考え方を理解できる。
2週 縦波の横波表示、重ね合わせの原理 横波と縦波および重ねあわせの原理の考え方を理解できる。
3週 波の干渉、定常波、自由端と固定端 波の干渉、定常波、自由端反射と固定端反射の考え方を理解できる。
4週 ホイヘンスの原理、波の反射・屈折・回折 ホイヘンスの原理を用いて波の反射・屈折・回折の考え方を理解できる。
5週 音波の速さ、音の反射・屈折・回折・干渉 音波の反射・屈折・回折・干渉の考え方を理解できる。
6週 うなり、音のドップラー効果 音のうなりおよびドップラー効果の考え方を理解できる。
7週 音のドップラー効果 ドップラー効果について理解を深めることができる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 テスト返却、弦の振動 弦の中にできる定常波の考え方を理解できる。
10週 弦の振動、気柱の振動 弦および気柱内にできる定常波の考え方を理解できる。
11週 気柱の振動、光の種類、光の速さ、偏光 気柱内にできる定常波、および光波の基本的な考え方を理解できる。
12週 光の反射・屈折、全反射 光の反射、屈折、全反射の考え方を理解できる。
13週 物理学実験 [Ⅳ] 物理学実験を通して波に関する理解を深める。
14週 物理学実験 [Ⅳ]、光の散乱・分散 同上、光の散乱および分散の考え方を理解できる。
15週 ヤングの実験、回折格子 光の干渉(ヤングの実験、回折格子)の考え方を理解できる。
16週 後期期末試験

評価割合

試験ノートレポート合計
総合評価割合85960100
基礎的能力85960100
専門的能力00000
分野横断的能力00000