理論有機化学

科目基礎情報

学校 佐世保工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 理論有機化学
科目番号 0068 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 マクマリー有機化学概説 第7版、John McMurry著、伊東・児玉訳、東京化学同人 「有機化学」ワークブック、奥山格著、丸善出版
担当教員 平山 俊一

到達目標

1.アルコール、フェノール、エーテル、アミンおよびカルボニル化合物を命名することができる。(A4)
2.アルデヒドとケトンの求核付加反応機構が書ける。(A4)
3.エノラートイオンを経由する反応の反応機構が書ける。(A4)
4.主要な人名反応の反応機構が書ける。(A4)
5.アミンの塩基性度を理解し、説明できる。(A4)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 (到達目標1)IUPAC命名法に従って、複数の官能基を有する有機化合物を命名することができる。IUPAC命名法に従って、官能基を有する有機化合物を命名することができる。IUPAC命名法に従って、官能基を有する有機化合物を命名することができない。
評価項目2 (到達目標2、3)カルボニル化合物の求核付加反応機構を書き、説明することができる。カルボニル化合物の求核付加反応機構を書くことができる。カルボニル化合物の求核付加反応機構を書くことができない。
評価項目3 (到達目標4)アルドール縮合、クライゼン縮合について、反応機構を書き、説明することができる。アルドール縮合、クライゼン縮合について、反応機構を書くことができる。アルドール縮合、クライゼン縮合について、反応機構を書くことができない。
評価項目4 (到達目標5)アミンが塩基であることを理解し、芳香族アミンとの違いを説明することができる。アミンが塩基であることを理解し、説明することができる。アミンが塩基であることを理解できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-4 説明 閉じる
JABEE b 説明 閉じる
JABEE d-1 説明 閉じる
JABEE e 説明 閉じる

教育方法等

概要:
アルコール、フェノール、エーテル、アミン、およびカルボニル化合物(アルデヒド、ケトン、カルボン酸とその誘導体)の反応について学習する。有機合成において重要なエノラー トイオンとその反応、そして、有機電子論の基礎を学ぶ。
授業の進め方・方法:
予備知識:2・3年次の「有機化学」全般、および「物理化学」の中の「反応速度論」を理解すること。
講義室:4C教室
授業形式:講義、演習
内容確認のために課題を出す。
注意点:
評価方法:試験(前期定期、後期中間、後期期末)、課題により評価し、60点以上を合格とする。
自己学習の指針:有機化学は問題を解くことで理解が深まる。自学自習において、教科書本文中の問題、および章末問題を解いておくこと。予習では教科書を繰り返し読み、疑問点を持って講義に臨み、よく復習すること。試験では教科書中の問題が解けることを前提に出題する ので、理解しておくこと。なお、1回の講義に対し1時間以上の自己学習を確保すること。この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習としてレポートや小テストを実施する。
オフィスアワー:随時
※到達目標の( )内の記号はJABEE学習・教育到達目標

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 アルコールの命名法 IUPACの命名法に基づき、アルコールの構造から名前、名前から構造の変換ができる。
2週 アルコールとフェノールの性質 アルコールとフェノールの酸性度の違いについて説明できる。
3週 ヒドロホウ素化によるアルコールの合成 ヒドロホウ素化反応機構が説明できる。
4週 Grignard反応によるアルコールの合成 Grignard反応機構が説明できる。
5週 アルコールの反応 アルコールのE1反応・E2反応・SN2反応機構が説明できる。
6週 フェノールの反応
エーテルの反応
エーテル開裂の反応機構が説明できる。
7週 エポキシドの合成と反応
チオールとスルフィド
エポキシドの開環反応機構が説明できる。
8週 アルデヒドとケトンの命名法 IUPACの命名法に基づき、アルデヒドとケトンの構造から名前、名前から構造の変換ができる。
2ndQ
9週 アルデヒドとケトンの合成、酸化 アルデヒドとケトンの合成法を説明できる。
10週 アルデヒドとケトンの求核付加反応 求核付加反応の機構を書くことができる。
11週 ヒドリド試薬とGrignard試薬の求核付加 ヒドリド還元とGrignard反応の機構を書くことができる。
12週 水の求核付加
アセタールの生成
アセタール生成の反応機構を書くことができる。
13週 イミンの生成
Wittig反応
イミン生成とWittig反応の機構を書くことができる。
14週 共役求核付加反応 1,4-付加の反応機構を書くことができる。
15週 第9章練習問題 章末の練習問題を解くことができる。
16週 前期期末試験 第9章の内容に関する問題を解くことができる。
後期
3rdQ
1週 期末試験答案返却および解説
カルボン酸とその誘導体の命名法
IUPACの命名法に基づき、カルボン酸とその誘導体の構造から名前、名前から構造の変換ができる
2週 実力テスト 遠隔授業中の範囲について、練習問題を解くことができる。
3週 カルボン酸の物性と合成 カルボン酸の酸性度と合成法について説明できる。
4週 求核アシル置換反応
カルボン酸とその反応
Fischerエステル化反応の機構を書くことができる。
5週 酸ハロゲン化物とその反応
酸無水物とその反応
酸塩化物からエステルに変換する反応の機構を書くことができる。
6週 エステルとその反応 エステルからアルコールを合成する反応機構を書くことができる。
7週 アミドとその反応
ニトリルとその反応
アミドからアミンを合成する反応機構を書くことができる。ニトリルの加水分解反応の機構を書くことができる。
8週 後期中間試験 第10章の内容に関する問題を解くことができる。
4thQ
9週 中間試験答案返却および解説
α水素の酸性度
α水素が強塩基によって引き抜かれることを説明できる。
10週 ケト-エノール互変異性体、ケト-エノール相互変換 ケト-エノール相互変換の反応機構を説明できる。
11週 エノラートイオンのアルキル化 エノラートイオンはα炭素上でアルキル化させることを説明できる。
12週 アルドール付加 アルドール付加反応機構を説明できる。
13週 アルドール縮合 アルドール付加生成物からの脱水反応機構を説明できる。
14週 クライゼン縮合 クライゼン縮合反応機構を説明できる。
15週 アミンの反応 ジアゾ化の反応機構を書くことができる。
16週 後期期末試験 第12、13章の内容に関する問題を解くことができる。

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90000010100
基礎的能力0000000
専門的能力90000010100
分野横断的能力0000000