概要:
読む・考えるという日本語の能力を育成することにより、社会において求められる論理的かつ多角的な理解力、柔軟な思考力を培う。また、文学的な文章の鑑賞を通して日本語の言語文化についての理解を深める。
授業の進め方・方法:
授業は教員からの講義と、学生同士のピア活動を並行して行う。主体的に取り組み、他者の意見を取り込むことで自らの思考を深めることを強く求める。提出した文章などを、授業内で公開することも往々にしてあるため、これを念頭に取り組むこと。また漢字テストは毎週行い、成績評価に含める。また、Blackboadにて資料提供を行う。
注意点:
試験の平均点の3割に満たない者については、成績不振者のための追試験を実施しない。
各授業項目および授業時間の配分は、学生の理解・習得の状況を確かめながら、変更することがあり得る。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス 随想「大人への丸太 たじろがず渡ってみよう」(姜 尚中) |
学習目標および評価などを理解できる。 筆者が十七歳の時に感じた苦悩を読み取り、そこから芥川龍之介の言葉に出会い、人生についてどのように考えるにいたったかを理解できる。
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2週 |
評論「わからない絵の魅力」(岡本太郎) |
モダンアートにおける「純粋」の意味に留意して本文を読む。
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3週 |
評論「わからない絵の魅力」(岡本太郎) |
「アプストラクト」「スュールレアリスム」それぞれの特徴を整理し、これらの具体例を通して筆者が主張していることをつかむ。
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4週 |
小説「山月記」中島敦 |
小説の構造をなす事項(時・場・人物・事件設定)や李徴の心理を的確に読み取ることで、李徴がどのような人物として描かれているか考える。
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5週 |
小説「山月記」中島敦 |
小説の構造をなす事項(時・場・人物・事件設定)や李徴の心理を的確に読み取ることで、李徴がどのような人物として描かれているか考える。
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6週 |
小説「山月記」中島敦 |
人間が虎になるという虚構をとおして、筆者が何を言おうとしたのかを考える。
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7週 |
小説「山月記」中島敦 |
人間が虎になるという虚構をとおして、筆者が何を言おうとしたのかを考える。
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8週 |
前期中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
評論「意味と身体」内田 樹 |
言語習得における身体運動の重要性や、言語と身体実感との緊密な関係性を理解する。
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10週 |
評論「意味と身体」内田 樹 |
筆者の主張と自分の経験とを照らし合わせ、言語と身体の関係性について考えを深める。
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11週 |
評論「ことばの学習が科学的思考の基礎となる」今井むつみ |
「カテゴリー」「アナロジー」「システム」などの概念の意味を整理しながら本文を読む。
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12週 |
評論「ことばの学習が科学的思考の基礎となる」今井むつみ |
科学的発見のプロセスと言語学習のプロセスの共通性について認識を深め、筆者の主張を読み取る。
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13週 |
評論「ことばの学習が科学的思考の基礎となる」今井むつみ |
科学的発見のプロセスと言語学習のプロセスの共通性について認識を深め、筆者の主張を読み取る。
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14週 |
小説「アルプスの少女」石川 淳 |
この作品が『アルプスの少女ハイジ』とどのような関係にあるのかを考える。
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15週 |
小説「アルプスの少女」石川 淳 |
「山の下の世界」と「山の上の世界」は、それぞれどのような意味をもっているのかを考える。
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16週 |
前期定期試験 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
小説「こころ」夏目漱石 |
明治という時代の制度や理念などを調べ、登場人物の行動を読み取るなかから、人間の精神のあり方について考える。
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2週 |
小説「こころ」夏目漱石 |
明治という時代の制度や理念などを調べ、登場人物の行動を読み取るなかから、人間の精神のあり方について考える。
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3週 |
小説「こころ」夏目漱石 |
明治という時代の制度や理念などを調べ、登場人物の行動を読み取るなかから、人間の精神のあり方について考える。
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4週 |
小説「こころ」夏目漱石 |
小説の時代背景や登場人物の心理を、言葉による描写に則して把握することができる。作品を多様な視点から解釈、鑑賞することができる。本文中に使用されている語句(漢字熟語、外来語、慣用句等)の意味を理解し、自らの表現においても使用できる。
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5週 |
小説「こころ」夏目漱石 |
小説の時代背景や登場人物の心理を、言葉による描写に則して把握することができる。作品を多様な視点から解釈、鑑賞することができる。本文中に使用されている語句(漢字熟語、外来語、慣用句等)の意味を理解し、自らの表現においても使用できる。
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6週 |
評論「戦いの本質とは何」山極寿一 |
人間が戦う動機がアイデンティティのあり方にあるという筆者の主張を読み取る。
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7週 |
評論「戦いの本質とは何」山極寿一 |
筆者の主張をふまえて社会の構造を捉え直し、現代の「ボーダーレス社会」を生きぬく秘訣について考える。
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8週 |
後期中間試験
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4thQ |
9週 |
小説「美神」三島由紀夫 |
作品を読み味わい、作者の知的で精緻な文体の特徴について理解する。
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10週 |
小説「美神」三島由紀夫 |
像が二・一七メートルであったのはなぜかを多角的に考えることを通じて、作者の美についての観念がいかなるものであるか、考察を深める。
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11週 |
評論 「陰翳礼讃」谷崎潤一郎 |
筆者の独特な感覚を示す表現をまとめ、「闇」や「陰翳」のはたらきについて考える。
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12週 |
評論 「陰翳礼讃」谷崎潤一郎 |
筆者の美意識についてまとめ、日本の伝統的美意識について考える。
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13週 |
評論「〈私〉はどこへ行く?」黒崎政男 |
現代社会がデジタル・テクノロジーによる監視社会になっていることを理解する。
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14週 |
評論「〈私〉はどこへ行く?」黒崎政男 |
現代社会がデジタル・テクノロジーによる監視社会になっていることを理解する。
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15週 |
評論「〈私〉はどこへ行く?」黒崎政男 |
デジタル・テクノロジーの発達によって、「私」の捉え方がどう変化しつつあるのかを理解する。
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16週 |
後期定期試験 |
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