物理化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 佐世保工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 物理化学Ⅱ
科目番号 0074 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 物理化学/渡辺 啓 著
担当教員 長田 秀夫

到達目標

1.化学・生物系の課題を解決するために熱力学の知識を使うことができること。(A4)
2.化学・生物系の課題を解決するために相平衡論の知識を使うことができること。(A4)
3.化学・生物系の課題を解決するために電解質および電池の知識を使うことができること。(A4)
4.化学・生物系の課題を解決するために固体状態および界面化学の知識を使うことができること。(A4)
5.化学・生物系の課題を解決するために量子化学の知識を使うことができること。(A4)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安到達レベルの目安(不可)
到達目標1熱力学に関する基礎的な問題を解決することができる。熱力学に関する基礎的な問題をある程度解決することができる。熱力学に関する基礎的な問題を解決することができない。
到達目標2相平衡に関する基礎的な問題を解決することができる。相平衡に関する基礎的な問題をある程度解決することができる。相平衡に関する基礎的な問題を解決することができない。
到達目標3電解質および電池に関する基礎的な問題を解決することができる。電解質および電池に関する基礎的な問題をある程度解決することができる。電解質および電池に関する基礎的な問題を解決することができない。
到達目標4固体状態および界面化学に関する基礎的な問題を解決することができる。固体状態および界面化学に関する基礎的な問題をある程度解決することができる。固体状態および界面化学に関する基礎的な問題を解決することができない。
到達目標5量子化学に関する基礎的な問題を解決することができる。量子化学に関する基礎的な問題をある程度解決することができる。量子化学に関する基礎的な問題を解決することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
高専卒業生として特に有用と考えられる化学熱力学および量子化学を中心に講義と演習により物理化学の考え方を身につけさせる。
授業の進め方・方法:
予備知識:3年次までの化学,物理化学の関連する項目を整理・復習するとともに、数学、とくに微分(常微分・偏微分),積分および簡単な微分方程式の解法について復習しておくこと。
講義室:4C教室
授業形式:通常授業
注意点:
評価方法:4回の試験の平均点が60点以上あり、かつ課題プリント提出率が70%以上あれば合格とする。
自己学習の指針:演習問題および提出課題を毎週出すのでそれらを自力で正解できるようになること。
オフィスアワー:月曜日および木曜日の16時~17時(会議の日は除く)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業内容の説明と熱力学第一法則 可逆過程と不可逆過程および熱力学第一法則や各種変化について計算ができる。
2週 等温変化と断熱変化 等温変化や断熱変化における熱力学関数が計算できる。
3週 反応熱 種々の反応における反応熱が計算できる。
4週 Carnotサイクルとエントロピー Carnotサイクルの仕事効率およびエントロピー変化等が計算できる。
5週 熱力学第三法則と自由エネルギー 標準エントロピーについて理解し、その計算ができる。自由エネルギーを用いて可逆変化と不可逆変化が説明できる。
6週 熱力学の関係式および化学ポテンシャル Maxwellの関係式が導出できる。平衡状態における自由エネルギーの意義が説明できる。
7週 総合演習 前学期の1〜6週の学習内容を説明でき、計算ができる。
8週 前学期中間試験 前学期の1〜6週の学習内容に関する問題を解ける。
2ndQ
9週 相律と相平衡 Gibbsの相律を用いて物質の状態を説明できる。
10週 2成分の気相−液相平衡 化学ポテンシャルを用いて2成分の気相−液相平衡状態における物性値を計算できる。
11週 希薄溶液の熱力学的性質 化学ポテンシャルを用いて希薄溶液の性質を説明できる。
12週 電解質の電気的物性値 電解質溶液における電気伝導率や輸率を計算できる。
13週 Arrheniusの電離説とイオンの活量 弱電解質の電離状態から平衡定数が計算できる。電解質溶液における平均活量の意義について定量的な説明ができる。
14週 酸と塩基の電離平衡 様々な塩の水溶液におけるpHを計算できる。
15週 総合演習 前学期の9〜14週の学習内容を説明でき、計算ができる。
16週 前学期定期試験 前学期の9〜14週の学習内容に関する問題を解ける。
後期
3rdQ
1週 化学平衡と平衡組成 化学平衡を理解し、平衡組成が計算できる。
2週 化学平衡への諸条件の影響 化学平衡状態における圧力および温度や固体が関わる場合における定量的な説明ができる。
3週 反応速度 基本反応の速度式を用いて種々の計算ができる。
4週 反応機構と活性化エネルギー 反応機構から反応速度式を導出できる。速度定数の温度依存性について定量的な説明ができる。
5週 電池の熱力学 電池の起電力について熱力学関数を用いて定量的な説明ができる。
6週 電気分解 電気分解における種々の計算ができる。
7週 総合演習 後学期の1〜6週の学習内容を説明でき、計算ができる。
8週 後学期中間試験 後学期の1〜6週の学習内容に関する問題を解ける。
4thQ
9週 コロイド分散系 コロイド分散系における種々の計算ができる。
10週 界面の特性 界面活性剤を含む種々の界面における物性値が計算できる。
11週 量子論の誕生 エネルギー量子仮説,光量子仮説およびBohrの原子モデルについて定量的に説明できる。
12週 Schreodinger方程式 簡単な波動関数からSchreodinger方程式を導出し、井戸型ポテンシャルに適用し、解を求めることができる。
13週 原子軌道と分子軌道 水素原子にSchreodinger方程式を適用できることを理解し、分子軌道への応用について説明できる。
14週 原子核と放射能 放射線とその性質,崩壊系列および半減期について説明できる。
15週 総合演習 後学期の6週,9〜14週の学習内容を説明でき、計算ができる。
16週 後学期定期試験 後学期の6週,9〜14週の学習内容に関する問題を解ける。

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力600000060
専門的能力400000040
分野横断的能力0000000