化学工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 佐世保工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 化学工学Ⅱ
科目番号 0078 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 解説「化学工学」改訂版 竹内雍、松岡正邦他著、培風館
担当教員 城野 祐生,宮川 洋光

到達目標

1.粒子径の定義や粒度分布について説明できる。粒子の沈降現象における終末速度式を導出でき、沈降速度の計算ができる。(A4)
2.充填層、流動層の状態を説明でき、層内の圧力損失を計算できる。(A4)
3.粉砕、分級・集塵操作、沈降濃縮、濾過、固体輸送等の操作について説明できる。(A4)
4.液体混合物の蒸留による分離の原理を説明できる。回分単蒸留のレーリーの式を導出し、これを利用できる。(A4)
5.精留塔の理論段数を作図により求められる。(A4)
9.ガス吸収の原理が説明でき、吸収塔を設計できる。恒率・減率区間の乾燥速度および乾燥時間を計算できる。(A4)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 (到達目標1,2)粒子の大きさと形状に関する種類と定義を説明でき、粒度分布図を描くことができる。沈降分離室の設計計算ができる。充填層、流動層の状態と特徴、層に必要な条件を説明できる。圧力損失の式から流動化開始速度を計算できる。 粒子の大きさと形状、粒度分布の種類と定義をほとんど説明できる。沈降速度式の導出と式を使った計算ができる。充填層、流動層の状態と特徴をほとんど説明できる。流動層の圧力損失式の導出と式を使った計算ができる。 粒子径や粒度分布の種類を答えることができない。沈降速度式を用いた計算ができない。充填層、流動層の状態を説明できない。流動層の圧力損失式を使った計算ができない。
評価項目2 (到達目標3)粉砕エネルギー、分級効率を計算でき、装置の種類・特徴を説明できる。濾過の基本法則、濾過操作の種類を説明できる。粉砕エネルギーを計算できる。分級効率を計算でき、分級装置の種類を説明できる。濾過操作の種類をほとんど説明できる。粉砕エネルギー、分級効率の計算ができない。濾過操作について説明できない。
評価項目3 (到達目標4,5)蒸留による分離の原理を説明でき、精留塔の理論段数を作図により求められる。吸収塔を設計でき、乾燥速度および乾燥時間を計算できる。蒸留による分離の原理を説明でき、精留塔の理論段数について説明できる。ガス吸収の原理が説明でき、恒率・減率乾燥について説明できる。蒸留による分離の原理を説明できない。ガス吸収の原理が説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
粉体に関する機械的分離操作および流体の分離操作とそれらが関係する化学工業プロセスについて学習し、化学工学的手法による化学装置設計の基礎を習得する。
授業の進め方・方法:
予備知識:これまでに学習した化学工学の知識。化学全般および物理化学の基礎知識。これまでの数学と物理学の内容をおおよそ理解しておくこと。
講義室:4C教室
授業形式:座学と演習
学生が用意するもの:関数電卓、筆記用具、専用ノート
※通年授業授業となっているが後期に実施する。週に城野教員担当分1コマと宮川教員担当分1コマで進めていく。
注意点:
評価方法:<城野>中間試験と期末試験の平均点が100点満点で60点以上を合格とする。
     <宮川>中間試験と期末試験の平均点を6割、平常点を4割で評価し、100点満点で60点以上を合格とする。
自己学習の指針:講義を受ける前の予習と講義後の復習をしっかり行ってください。講義内で演習をする時間は限られますので、教科書の章末問題や参考書等で自主学習、演習に取り組んでください。授業時間と同じ程度の自主学習、演習を行ってください。
オフィスアワー:月曜日16:00~17:00(教員室),金曜日 16:00~17:00(教員室)
※到達目標の( )内の記号はJABEE学習・教育到達目標

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 粒子径の定義、代表粒子径 粒子径の定義を説明でき、代表粒子径の計算ができる。
2週 粒度分布、平均粒子径 粒度分布の表し方を説明できる。平均粒子径を計算できる。
3週 粒子の形状、比表面積 粒子の形状を数値的に表現できる。比表面積を計算できる。
4週 粒度測定法 粒度の測定方法について説明できる。
5週 単一粒子の沈降現象 単一粒子の沈降現象について説明できる。
6週 流体抵抗と終末速度の導出 流体抵抗について理解し、終末速度の計算式を導出できる。
7週 終末速度の計算 終末速度の計算ができる。
8週 中間試験 前期のこれ以前の内容を理解している。
2ndQ
9週 粉砕と粉砕エネルギー 粉砕操作を理解し、粉砕エネルギーを見積もる計算ができる。
10週 分級操作と分級装置 分級操作を理解し、分級装置の種類と原理を説明できる。
11週 集塵操作と集塵装置 集塵操作を理解し、集塵装置の種類と原理を説明できる。
12週 充填層と流動層の操作 充填層および流動層の特徴を説明できる。
13週 最小流動化速度の算出法 流動層の圧力損失および最小流動化速度を計算できる。
14週 沈降濃縮、濾過 沈降濃縮について説明できる。濾過理論について説明できる。
15週 撹拌、固体輸送 撹拌装置および固体の輸送装置について説明できる。
16週 前期末試験 前期内容を理解している。
後期
3rdQ
1週 気液平衡、ラウルの法則 気液平衡を理解し、ラウールの法則を理解し、説明できる。
2週 沸点ー組成線図、x-y線図 沸点ー組成線図、x-y線図を理解し、説明できる。
3週 単蒸留 単蒸留を理解し、説明できる。
4週 精留の原理、装置 精留の原理、装置の構造を理解し、説明できる。
5週 精留塔の理論段数の計算 精留塔の理論段数の計算方法を理解し、説明できる。
6週 特殊蒸留法 特殊蒸留法を理解し、特徴を説明できる。
7週 ヘンリーの法則 ヘンリーの法則を理解し、説明できる。
8週 中間試験 これまでの学習内容に関する問題を解ける。
4thQ
9週 分子拡散ーフィックの法則 分子拡散ーフィックの法則を理解し、説明できる。
10週 2重境膜説、総括物質移動抵抗 2重境膜説、総括物質移動抵抗について理解し、説明できる。
11週 吸収塔の物質収支 吸収塔の物質収支を理解し、説明できる。
12週 吸収塔の設計 吸収塔の設計を理解し、設計に関する計算ができる。
13週 乾燥特性 乾燥特性を理解し、乾燥原理を説明できる。
14週 恒率乾燥速度 乾燥特性を理解し、乾燥原理を説明できる。
15週 減率乾燥速度 吸着、膜分離を理解し、説明できる。
16週 後期期末試験 後期の内容を理解している。

評価割合

試験小テストレポート合計
総合評価割合10000100
基礎的能力0000
専門的能力10000100
分野横断的能力0000