物質化学実験3

科目基礎情報

学校 佐世保工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 物質化学実験3
科目番号 0078 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 学修単位: 5
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:6 後期:6
教科書/教材 有機化学実験(永井芳男,丸善),自主作成プリント(無機実験,化工実験,物化実験)
担当教員 平山 俊一,城野 祐生,長田 秀夫,渡辺 哲也,田中 泰彦,越村 匡博,森山 幸祐

到達目標

1. 実験の準備を確実に行い、適切な対応ができる。D-4  
2. 分析データを元に必要な計算や解析をし考察することができる。D-1  
3. 自立して、他の人と協力しながら計画的に作業を進めることができる。E-2

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標1実験の準備を確実に行い、適切に対応することが十分できる。実験の準備を確実に行い、適切に対応することがある程度できる。実験の準備を確実に行い、適切に対応することができない。
到達目標2分析データを元に必要な計算や解析をし考察することが十分できる。分析データを元に必要な計算や解析をし考察することがある程度できる。分析データを元に必要な計算や解析をし考察することができない。
到達目標3自立して、他の人と協力しながら計画的に作業を進めることが十分できる。自立して、他の人と協力しながら計画的に作業を進めることがある程度できる。自立して、他の人と協力しながら計画的に作業を進めることができない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 D-1 自分で具体的な計画や手順を決めて基礎的な実験を実施し、得られた結果を正しく評価・解析して考察し、論理的に説明できること
学習・教育到達度目標 D-4 実験、実習、研究、インターンシップなどを通して実践的能力を身につけ、技術者が経験する実務上の問題や課題を理解して適切な対応ができること
学習・教育到達度目標 E-2 要求された課題に対して、自立して、あるいは他の人と協力しながら計画的に作業を進め、期限内に終わらせることができること
JABEE d 当該分野において必要とされる専門的知識とそれらを応用する能力
JABEE f 論理的な記述力、口頭発表力、討議等のコミュニケーション能力
JABEE h 与えられた制約の下で計画的に仕事を進め、まとめる能力
JABEE i チームで仕事をするための能力

教育方法等

概要:
基本的な実験操作を習得させる。実験を通じて無機化学,有機化学,化学工学および物理化学を理解させる。実験結果の検討と整理の方向付けの基礎を習得させる。4Cを4分割して無機化学実験,有機化学実験,化学工学実験および物理化学実験とを前期・後期交代して行う。
授業の進め方・方法:
予備知識:2および3年次の物質工学科専門科目(無機化学,有機化学,化学工学および物理化学)の関連項目について内容を復習しておくこと。
講義室:物質工学科各実験室
授業形態:実験
学生が用意するもの:テキスト,実験ノート,電卓,安全必携,指定された実験着(白衣,作業服),タオル
注意点:
評価方法:原則として全てのテーマを受講すること。その上で、①白衣や保護メガネを着用するなど、実験するのに相応しい服装をしているか。②実験書を持参し予習をしているか。③傍観のみや居眠りなどをせず実験に参加しているか。④非協力的、自己中心的な行動をせずに実験に取り組んだか。⑤指導者の指示・注意を遵守し、適切に実験器具を取り扱い、安全への配慮を行ったか。⑥提出期限内にレポートが提出されたか。⑦得られた結果を正しく評価・解析して考察し、論理的に説明された内容のレポートが作成されているか。の7項目で評価し、①②の合計が60%以上、③④⑤の合計が60%以上、⑥⑦の合計が60%以上であること。佐世保高専 教育目的 本科 1), 3)
JABEE対応学習・教育到達目標:D-1,D-4,E-2
JABEE基準1(2) :d-2,d-4,f,h.i
自己学習の指針:事前に実験テキストを配布するので実験の目的や操作方法について充分な予習をすること。実験終了後は充分に練られた考察を含むレポートが完成できること。
オフィスアワー:各教員担当科目のシラバスを参照すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験全体の概要説明および安全教育 物質化学実験3の概要および安全の重要性を理解する。
2週 無機化学実験:各実験の説明等 無機化学実験の内容を理解する。
3週 無機化学実験:電解研磨と分解電圧測定 電気化学的手法による金属表面研磨法を学ぶ。また種々金属塩水溶液を用いて分解電圧を測定する。
4週 無機化学実験:メスフラスコおよびピペットの検定 メスフラスコ及びピペットの検定法を習得する。
5週 無機化学実験:緩衝溶液の性質 Walpole緩衝液に酸又はアルカリを加えた時のpH変化を測定する。
6週 無機化学実験:固体の密度測定 固体の密度測定法を修得する。
7週 無機化学実験:電気炉の温度分布測定 電気炉の温度分布測定を行い,電気炉特性や必要な条件を理解する。
8週 無機化学実験:報告書のまとめ 報告書の整理並びに未実施の実験を行う。
2ndQ
9週 有機化学実験:各実験の説明等 有機化学実験の内容を理解する。
10週 有機化学実験:アニリンの蒸留 昨年度合成したアニリンを常圧蒸留し、純粋なアニリンを得る。
11週 有機化学実験:オレンジⅡの合成 スルファニル酸をジアゾ化し,β-ナフトールをカップリングさせてオレンジIIを合成する。
12週 有機化学実験:薄層クロマトグラフィーによるアミノ酸の定性 クロマトプレートを作成してアミノ酸を分離,定性する。
13週 有機化学実験:染色試験 オレンジIIやコンゴーレッドを用いて木綿,ナイロンなどを染色し、比較する。
14週 有機化学実験:石油の分留 原油を常圧分留し、ガソリンと灯油を分取する。
15週 有機化学実験:報告書のまとめ 報告書の整理並びに未実施の実験を行う。
16週
後期
3rdQ
1週 化学工学実験:各実験の説明等 化学工学実験の内容を理解する。
2週 化学工学実験:サイクロン試験 サイクロンセパレーター実験装置を用い、標準型のサイクロンの圧力損失と分離限界粒子径を算出する。
3週 化学工学実験:気液平衡の測定 蒸留の基礎となる混合液の沸点と液相対蒸気相の濃度の対応関係を測定する。
4週 化学工学実験:充填層の圧力損失の測定 ガラス粒子充填層の圧力損失と流速との関係や流動層への変化を測定する。
5週 化学工学実験:蒸留塔の塔効率 オルダーショウ蒸留装置にて全還流精留実験を行い、理論段数を求めて塔効率を
6週 化学工学実験:熱風乾燥試験 含水珪藻土層からの乾燥基準含水率対乾燥速度として乾燥機構を測定する。
7週 化学工学実験:低圧ろ過実験 ガラスフィルターにろ紙をつけて珪藻土水溶液を減圧ろ過し、ろ過速度を測定する。
8週 物理化学実験:各実験の説明等 物理化学実験の内容を理解する。
4thQ
9週 物理化学実験:液体の粘度 種々の濃度の硝酸アルカリ金属塩水溶液の粘度を測定する。
10週 物理化学実験:溶解熱の測定 種々の無機塩(ナトリウム塩および塩化物)の水への溶解熱を測定する。
11週 物理化学実験:電池と電気分解 ダニエル電池の起電力および水の電気分解における過電圧を測定する。
12週 物理化学実験:酸定数の測定 メチルレッドの酸定数を2種類のデータ解析法により決定する。
13週 物理化学実験:触媒反応速度 旋光計を用いてショ糖の加水分解速度の触媒濃度依存性を測定する。
14週 物理化学実験:報告書のまとめ 報告書の整理並びに未実施の実験を行う。
15週 実験器具のメンテナンスおよび試薬廃棄に関する学習 実験器具のメンテナンスおよび試薬廃棄の重要性について理解する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3後8
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3後8
測定と測定値の取り扱いができる。3後8
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3後8
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3後8
ガラス器具の取り扱いができる。3後9,後10,後11,後12,後13
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3後9,後10,後11,後12,後13
試薬の調製ができる。3後9,後10,後11,後12,後13
代表的な気体発生の実験ができる。3
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3後9,後10,後11,後12,後13
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3後9,後10,後11,後12,後13
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3後9,後10,後11,後12,後13
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3後9,後10,後11,後12,後13
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3後9,後10,後11,後12,後13
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3後9,後10,後11,後12,後13
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3後9,後10,後11,後12,後13
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3後9,後10,後11,後12,後13
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3後9,後10,後11,後12,後13
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3後9,後10,後11,後12,後13
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3後9,後10,後11,後12,後13
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】有機化学実験加熱還流による反応ができる。4
蒸留による精製ができる。4
吸引ろ過ができる。4
再結晶による精製ができる。4
分液漏斗による抽出ができる。4
薄層クロマトグラフィによる反応の追跡ができる。4
融点または沸点から生成物の確認と純度の検討ができる。4
収率の計算ができる。4
分析化学実験中和滴定法を理解し、酸あるいは塩基の濃度計算ができる。4前3,前5
酸化還元滴定法を理解し、酸化剤あるいは還元剤の濃度計算ができる。4前3,前5,前6,前7
キレート滴定を理解し、錯体の濃度の計算ができる。4前3,前5,前6,前7
陽イオンおよび陰イオンのいずれかについて、分離のための定性分析ができる。4前3,前5,前6,前7
物理化学実験温度、圧力、容積、質量等を例にとり、測定誤差(個人差・器差)、実験精度、再現性、信頼性、有効数字の概念を説明できる。4後8
各種密度計(ゲールサック、オストワルド等)を用いて、液体および固体の正確な密度を測定し、測定原理を説明できる。4後9
粘度計を用いて、各種液体・溶液の粘度を測定し、濃度依存性を説明できる。4後9
熱に関する測定(溶解熱、燃焼熱等)をして、定量的に説明できる。4後10
分子量の測定(浸透圧、沸点上昇、凝固点降下、粘度測定法等)により、束一的性質から分子量を求めることができる。4
相平衡(液体の蒸気圧、固体の溶解度、液体の相互溶解度等)を理解して、平衡の概念を説明できる。4
基本的な金属単極電位(半電池)を組み合わせ、代表的なダニエル電池の起電力を測定できる。また、水の電気分解を測定し、理論分解電圧と水素・酸素過電圧についても説明できる。4後11
反応速度定数の温度依存性から活性化エネルギーを決定できる。4
化学工学実験流量・流速の計測、温度測定など化学プラント等で計測される諸物性の測定方法を説明できる。4
液体に関する単位操作として、特に蒸留操作の原理を理解しデータ解析の計算ができる。4
流体の関わる現象に関する実験を通して、気体あるいは液体の物質移動に関する原理・法則を理解し、物質収支やエネルギー収支の計算をすることができる。4

評価割合

準備実験態度報告書合計
総合評価割合203050100
基礎的能力0000
専門的能力203050100
分野横断的能力0000